日別アーカイブ: 2013年12月25日

無菌的治療方法 その5.

IMG00239 今まで治療に使う器具の滅菌と
生きている歯の細菌感染からの防護についてお話しました。

 ここからは歯の神経を採る際についての
無菌的治療方法についてお話しさせて頂きます。

 虫歯が酷くなって炎症が神経にまで達してしまったら
残念ながら神経を採らなければなりません。

 この際にも
唾液との戦いになります。

 歯の神経を採ると云う事は
歯の中は細菌に満たされています。

 この細菌を完全に死滅させなければなりませんが、
治療中に口の中の唾液が歯の中に入れば
幾ら経っても
歯の中は無菌的環境になりません。

 そこで此処でも
ラバーダム防湿方法の出番です。

 写真の様に
治療する歯だけがゴム製のシートから
顔を出しています。
 器具は神経を採る道具です。

 この様にラバーダム防湿方法を用いる事によって
私は歯の中の細菌の死滅だけに専念する事が出来ます。

 ラバーダム防湿方法を用いなくても
神経を採る事は出来ますが
唾液からの細菌感染は
確実にあります。

 治療が終わってから何年も経っての
炎症の再発を防ぐ為には
ラバーダム防湿方法は必須の手順です。

無菌的治療方法 その6.

 どの様な理由にせよ、
歯の中の神経を採ると診断して治療に入ったのならば、
完全無比な位にまで
神経をその繊維一本にまで
除去しなければなりません。

 でないと、
残った神経は必ず腐って
後から病気の原因となるからです。

 通常、神経を採る際には
とても細い針の様な器具を使います。

 この器具が根の先にまで完全に達していないと
根の先の神経の取り残しが生じます。

 レントゲンによる確認は大切ですが、
正直、それだけでは不十分です。

 人の身体は電気を通します。
この性質を利用して
電気的に根の先に器具が届いたかを
確認する電気的根管長測定方法も有効です。

 但し、根の先の状態によって
電気の流れも変わってくるので
この方法で完璧とも言えないのが事実です。

 結局の処、
神経を完璧に取り除く治療は
様々な検査方法を駆使しながらの
歯科医の技量に依る処が大きいと云うのが
本音です。

 神経を採る治療について
歯科大学では
教育、研究、治療の実際は
歯科保存学の担当となります。

 私は歯科保存学を専門とする大学院へと
進みましたが、
当初の一年二年の間は
今では考えられない位の長時間を懸けて
神経と悪戦苦闘したものです。

 哀しいかな、技術職と云うものは
矢張、手先の起用不器用と云うものがあります。
術者の技術の差があることは否めません。

 ラバーダム防湿方法によって
無菌的治療環境を作っても
神経の取り残しが在れば
細菌の巣を残す結果になります。