日別アーカイブ: 2014年1月21日

オールセラミック修復 その1.

前歯の歯科治療の材料と云えば、一番高価なものとして
セラミックが挙げられます。

優れた審美性と変わらぬ色調に、私達歯科医から観ても
セラミックは最高の審美歯科材料と言えるでしょう。

セラミック修復は大きく別けると次の様になります。

1.ジャケット.クラウン
 旧くからある方法で、被せものが全てセラミックで出来ています。
 但し、脆い性質なので欠けやすく、被せものの境目の適合性が他の方法より劣ります。
 今流行りのオールセラミック.クラウンも厳密に言え、この方法に含まれますが
 ここでは通常のセラミックだけを使って造ったクラウンの事とします。

2. セラモ.メタル.クラウン(メタルボンド.クラウン)
 ジャケット.クラウンの欠点を補うために出来た方法です。
 セラミックで出来た被せものの内面を金属で裏層コーティングした方法。
 割れやすいセラミックを金属でバックアップする事により、割れにくく、
 加えて、被せものと削った歯の境目をピッタリと適合する事が出来ます。
 但し欠点としては、使用する金属の種類によっては金属イオンが溶け出して、
 歯肉が黒染んできたり金属アレルギーの原因となる場合があります。
 又、セラミックの内側に金属があるために、金属の下地の色を消すために
 相当な技術を持つ歯科技工士が造らないと、完璧な色調再現は出来ません。
 昨今の金属価格の高騰と上手な歯科技工士の技術料金をかんがえると、
 アレルギーの生じ難い金属を使って完璧な色調に再現すると、
 一番高価な修復方法となるでしょう。

3.オールセラミック修復
 旧くからあるジャケット.クラウンとセラモ.メタル.クラウンの欠点を補うために出来た方法です。
 セラモ.メタル.クラウンの金属を使っている部分をジルコニアという材料を使っているものが、
 現在では主流になっています。
 ジルコニアは人工ダイアモンドといったら判りやすいでしょう。
 ジルコニアは、とても硬い性質をもっています。
 但し、セラモ.メタル.クラウンの様に長い歴史を持っていません。
 今後、少なくても15年程は、経過を観る必要があるでしょう。
 又、決して眼には見えませんが多くの金属成分を含有しているために、
 金属アレルギーにならないとは決して言えません。
 そのあたりは注意が必要です。

 ジルコニア以外の強化セラミックを使用したオール.セラミック.クラウンもあります。
 但し、この方法は、一本の歯の治療か、比較的小さな小範囲の修復にしか使えません。
 大きな範囲の修復は折れやすいけいこうがあります。