日別アーカイブ: 2014年9月8日

父という病

今日のブログのタイトルである【父という病】と云う本を一気呵成に読みました。

著者である岡田尊司氏は、私よりも3つ年上の香川県出身の方でした。

経歴は東京大学哲学科中退の後、京都大学医学部卒業、同大大学院修了と云う氏であります。

理路整然とした構成で、興味深く読ませて頂きました。

子供を育てる環境に於いて、母親の役割がとても大きく影響する事に異論を唱える人は居ないでしょう。

ぜひに世の女性に、この本を読んで頂きたいと思いました。

強すぎる母性‥‥。

父権の存在が怪しい今日この頃です。

久方降りに、理論だての良い本でした。

治療とは

色々な人達とのかかわり合いの中で、つくづく感じますのは、
職業が、その人のなりを創ると云う事でしょう。

長年、役所勤めを忠実に過ごしてきた方は、一目観て、役人で在ることが判別できます。

東京の有楽町のホームで行き交う人に、近くで学会が開催されている時などには、どの人が歯科医であるか等は、
歩く姿勢等から容易に判るものです。

仕事をする事が、人を形成する事に大きな役割を持っているのだと思います。

幸か?不幸か?仕事に就かずに済む人は、何がその人の形成に関わってくるんでしょう?

私は学生時代のアルバイトには、賛成しない考えを持っています。

正規で仕事に就く人は、ある意味に於いてその道のプロといえるでしょう。

私はプロと素人の間には、大きな境界の壁がそびえ立っていると考えています。

アルバイトで、容易に色々な職種の業態の経験出来ることと、
実際にプロになっていく決意を自分自身にケジメを付けることとは大きく異なるからです。

色々な方と、御一緒させて頂きますが、やはり仕事を持つ人と、そうでない人では物事の考え方なり運び方が違います。

今、仕事に就かない、就けない人が多くいらっしゃると言います。

仕事は食べるための糧を得るためにではなく、仕事を通じての自己の形成のために、
1日の大半を占める仕事ですから、情熱をもって仕事に取り組んでこそ、
充実した人生が送れるものと考えています。

私は臨床家ですから、多種多様な患者さんと接します。

相手によって、色々に顔を変えて接します。

それが臨床家の務めだと思っています。

但し、この時に肝心なことは、

右手に技術を、左手には心をと、常に心に留めて置いています。

自身に厳しく生きてこられた方とは、ぶつかって尚更、良好な関係が更に深まる事が多いのですが、
その様な生き方に縁がなかった方も居られますから、その様な場合に於いては、相手の方との間合いの取り方に気を付けています。

病気の治療とは、患者さん自身の治りたい、治したいと云う気持ちに助けられて初めて上手く進むものです。

医者の仕事は、患者さんに助けられてこそ、成り立つ意味合いをもっています。