日別アーカイブ: 2015年4月1日

しみじみと

手術が終わって自室に帰ったら3人姉妹がまとわりついてきます。

其々の話を順番に聞きながら、しみじみとありがたいと感謝しています。

一緒に居てくれるだけで、心が充たされます。

今夜の夕食は饂飩だそうです。

ー そんなんで良いの? ー

明日は診療所をお休みして、皆で出かけます。

それで倹約なのだそうです。

上の娘に、こういうことは従うようにしています。

家人の代わりを、確りと務めてくれています。

但し、恐がり屋で在るのは私譲りです。

毎夜、熟睡したる私を揺すり起こし

ー パパ、トイレ! ー

フラフラしながら手を繋いでトイレへと。

用をたすまで横で待たせて頂いて、

ベッドに入るや否や、私の横の場所で夢の中の末の娘をずり寄せて

私の首に両手を巻き付けて寝るのも何時ものこととなりました。

饂飩と冷蔵庫の中の余り物を思い出しながら、

なんにしようかと思案して次の患者さんを待っています。

寂しいとか、悲しいとか、なさけない気持ちは心から離れませんよ。

それは娘らも同じだと思います。

私は歯科は専門ですが、他の病気は治せませんから。

家人の快復は、神様、仏様とお医者さんに委せるしかありません。

当の本人の本心は判りませんが、私は家人と子供たちを大切にしてきた積もりです。

人生に於いては思いもよらぬことが起こりますが、

今は娘たちに支えられて過ごしているというのが正直な処です。

何事もないのが幸せであると、しみじみと感じています。

祈り

今日から当分の間、午後から大きな手術が続きます。

娘たちは、院長室でお昼ご飯の最中です。

春休みに入ってから毎日、娘たちは私と一緒に通勤しています。

お昼のランチが何日か続いた時に上の娘が

ー パパ!4人で食べたら高いね!毎日食べたらお金使いすぎ! ー

で、弁当持参と相成った訳です。

もうすぐ進入学の愛菜ちゃんは、今はマイ包丁を使いたくて仕方がありません。

台所の流し台に椅子に登っての名包丁人気取りです。

味付けは、上の娘の出番です。

真ん中の百代ちゃんはご飯をよそったり、お箸等の配膳係です。

仏様のお供えから掃除機、洗濯干しからたたみものまで、勿論犬の散歩も総出です。

私にとって家族は、何物にも代えがたい宝物です。

現在、家人は病気にて療養中です。

若い家人故に、老後の面倒は安心だと思っていましたが、

世の中上手くいかないモノです。

なんでこうなるんだ!と、夜、ふと涙が出ます。

みんなで力を寄せあい、独りも欠けることのないようにと思っています。

娘たちにとっては私が世界そのものです。

護って遣らねばならないと気持ちが張っているのが判ります。

パパの仕事は大切な役目だからと、妹たちに言い聞かせている上の娘にありがたいと

本当に両の手を合わせたくなります。

仏壇に皆で手を合わせて、家人の快復を祈っているのは言うまでもありません。

其々の春

朝方の5時過ぎくらいに、文献に目を通していたら携帯電話の着信が。

こんな早くに、どうしたものだろう?と出てみたら、

大学時代の同級生からのモノでした。

受話器の向こう側で、泣いて泣いてには閉口しましたが、

ただただ聞いてあげることで、相手が少しでも楽になれるならばと。

こういう泣いている時には、吹っ切れていないモノです。

未練が沢山あるのだと判っています。

何時でも、何度でも聞いてあげるからね!と伝えながら、

まだまだ続くと思うよ!長いよ、シンドイと思うよ!とも念を押しておきました。

涙も枯れて、行くところまで行くと、視えてきます。

その間、ジタバタするのが人間です。

対人関係に於いてギブアンドテイクを期待するのは卑しい心ですが、

それでも駄目な相手というモノは絶対にありますから。

コリャ、絶対に無理だ!といずれ悟ったならば、あとはすーと楽になれるでしょう。

心乱される人って居ますから。

なんとか判かりあえないモノかと

散々、工夫もしたり、辛抱したりで。

でも、時間と体力と気持ちがボロボロになっていくだけでした。

但し、苦しむって良いことだったと思いますよ。

精一杯に頑張ったという足跡みたいなモノは感じますから。

ー それでも、何時か判ってくれる日が来ると信じてるんだろう? ー

問いかけると、頷いていました。

良い人だなって思いました。

甘えん坊

ー ウチのスタッフも先生のブログを読んでるよ! ー

等と云われる機会が増えました。

照れくさいことこの上なしですが、此処の先生も春からウチの医局の聴講生として、

この間、東京から見学にお越しになられた先生と一緒に勉強することになりました。

どちらも東京の開業医であるので、毎月、上越新幹線を使って新潟へと。

保存学を確りと学んで頂きたいと思います。

春休みであるので、娘たちと接する時間も長いですが、

皆で外出する際には、財布を上の娘に委すようにしました。

今日は何処其処へ行く。

それならば、ガソリン代に高速料金、食事代におやつ代、で遊びに幾ら位と

予め予算を私なりに想定してその金額を上の娘に渡します。

ですから外出時は、この私も娘に頂く訳です。

やはり財布を持つ人間は強いもの。

自然と下の二人の妹たちは、姉に従うようになりました。

案外、上の娘は財布の紐が硬くシッカリ者です。

食事を採る場所もメニューも仕切ってくれて、

家人のような責任感が芽生えて来ているのが伝わってきます。

大きくなったなぁ!と見つめることも多くなりました。

時々は、上の娘が行き過ぎて妹たちを泣かせることもあります。

そんな時には、後から

ー あれはお前が悪いよね! ー

と、肘で突っつくと、

ー そうなんよ ー

ペロッと舌を出して笑っています。

私は常に上の娘をたてるように、下の二人の妹たちに接っしています。

妹たちにとって時には納得いかないこともあるでしょう。

世の中は不条理の連続です。

私は上下関係は確りと、娘たちには判らせようと思っています。

怒らない親の愛情は、子供を勘違いさせます。

社会に出ると、相手は加減してくれません。

自分の限界と他人の限界が違うということも判らせなければなりません。

今現在の喜びと、目標を決めてコツコツ苦労して得た達成感と、どちらが大きく心を満たしてくれるのかということも

絶対にこの時期に教えておかねばなりません。

厳しい親父ですが、それでも毎日、私は娘たちの笑顔で囲まれています。

ー チュッチュッさせてくれぃ! ー

と両手を広げて家中を、娘たちを追いかけ回しています。

みんなを1日に一度と云わず、何回も膝の上にのせて、

後ろからギューと抱き締めています。

ですから私は家で一番の甘えん坊です。