月別アーカイブ: 2015年5月

悪口

他人からアレコレ言われる筋合いは無いというのが、私の基本的な考え方です。

これだけ長い間、生きている訳ですから、堅い信頼関係が構築された人も居りますし、

その名前を聞くだけで寒気がする人も居るのは当たり前でしょう。

私が相手を嫌う場合には、当然、相手も私を嫌っているでしょうから、

こう言う場合には私は、相手に完全に無関心となります。

ですから、その相手の動向など全く無関心のまた茅の外となります。

昨日、面白い話題が人伝に話にあがりました。

どの様に考えてみても、私とはウマが合わない方が居られるのですが、

その方は、マメに私のこのブログを確認しているのだと云うんです。

ー キライな俺のブログなど見てどうするん? ー

私なら、嫌いな人間のブログなど読む筈もありませんし、私の頭の中から完全に消去していますから。

ー それはね、読んで話の種にして笑っているんだよ! ー

ー へー!そういう考え方もあるんじゃな! ー

ズット、歯にだけ関心の向けて過ごしてきたので、

まぁバランス感覚の欠けた人間だと、私は自身のことを認識しています。

この類いの話は沢山あって、私は頻繁に悪口の類いを耳にします。

幼い頃に亡くなった祖母が、台所で米を磨ぎながら、

ー 尚登、他人から悪口を言われる人になりなさい! ー

なんじゃ!この婆ちゃんの言うとることは!

と、内心で思ったことを、

毎朝の仏壇の前での御勤めの読経の際に、時た位牌を眺めながら思い出すのです。

歳をとったせいでしょうか?

祖母の言葉の意味が判るようになりました。

仕事への向き合い方

若い頃から診療の記録をカメラで撮影して保存しています。

治癒の最中には必死で症例に挑んでベストを尽くした積もりでも、

画像となった自分の仕事を日を改めて客観視すると、

アレヤコレヤと多くの反省点が観えてきます。

私の仕事の特性として、模範的な見本のようなゴールがあり

治癒の最終形を如何にそれに近づけられるかが、医者の腕の観せどころとなります。

楽器の演奏やゴルフ等のスポーツの類いと似た処があります。

私のメスさばきや、歯の削り方にも、ある種の癖があります。

この癖が良い方に向かうこともありますし、それが所謂、私の個性ということになりますが、

悪い方に向かえば、これは私の欠点ですから、絶対に治さねばならない訳です。

メスの角度や、縫う時の糸の引っ張り程度などが、特に微妙なアヤを必要とします。

野球で云う処のバッティングフォームやピッチングフォームの乱れのようなモノです。

毎日、毎日を同じ仕事の繰り返しなのですが、

どうしても気がつかない内に、癖が顔を出します。

あぁ、悪い癖が出てきたな!と、自覚できるように、

自分の仕事をカメラで撮影して、後程に再確認しながら、

苦い気持ちになったり、

縫う時に使う糸は、最近ではナイロン製が主流ですが、

私は敢えて、キレやすいシルクの糸を使っています。

縫う時に、粘膜に強い引っ張る力が加わると、治癒した後に、

上手い形にならず、後味の悪い想いをします。

ですから、手術の最後の摘めとしての縫合に際して、

確りと、でも強すぎずの感覚で一糸、一糸、丁寧に縫い合わせていきます。

その際に、プツンと糸がキレたら力の入り過ぎと、糸の方が私に知らせてくれる訳です。

このような年月を過ごしてきたせいか、私は他人より神経質に観られます。

実際の性格は、大雑把でいい加減に生まれてきたのでしょうが、

歯科の仕事に魅せられて、無我夢中の歳月を過ごした副産物として

毎日を決まった流れで過ごすようになったのだと思います。

私はこの20年近くの間、実際の処、健康保険の効かない治療ばかりしてきました。

インプラント治療、審美歯科治療、残すことが難しい歯の保存治療ばかりでした。

簡単に虫歯を詰めて!などのといった患者さんは居らず、

歯科の難症例ばかりが、なぜか私の診療所へと集まってきました。

張り積めた日々だったと思います。

振り返れば、余裕など無縁でありました。

毎日を流れ作業のように、多くの患者さんの診察をなさって居られる保険治療が大半の先生方を、

それはそれで意義ある仕事と尊敬していますが、

同じ歯科医であっても、私らの基準値とは、あるいは日常の過ごしようは、

まったく異なっていることも、長い年月を通じて認識しました。

今は朝の4時を回った処です。

今日も、明日も手術の予定です。

既に外は、鳥の囀りが煩いほどに響いています。

今日も1日、確りと、丁寧な手当てを尽くしたいと思います。

マイクロサージェリーの意義

昨日に続いて、今日も手術を2症例程を予定しています。

1症例はマイクロ.サージェリーと呼ばれる顕微鏡を使った細かな手術です。

根の先に大きな膿の袋があり、このままでは抜歯の適応となります。

加えてこの歯にはメタルボンドクラウンの治癒が既に為されておるために、

根の中の殺菌.消毒を行うには、このメタルボンドクラウンを壊して外すことが必要です。

そこで、現状のメタルボンドクラウンをそのままに、

その歯の根の先に相当する部分に切開を加えて、

根の先の大きな膿の袋を取り除いて、周囲の骨を綺麗に手当てして、

歯の方は、根の先から逆に手当てする積もりです。

根の先に開いた孔は、とてもとても小さなモノです。

当然のことながら、肉眼下での治癒は出来ません。

ここに歯科における顕微鏡を使ったマイクロサージェリーの出番があります。

この患者さんは、ご自身の歯はそのままの状態に保って、根の先の病気が治り、

再び健康な生活に戻れます。

このような処置に際して私は、完全に無我の境地に入っています。

日常の様々な感情も、思考もすべて何処かへと消え去り、、

ただただ、視界の世界へと没頭します。

手術後の虚脱感は大きく、しばらくは煙草をくわえて、椅子に座り込んでしまいます。

で、また次の患者さんがお越しになられたら、気持ちも頭の中も完全に切り替えて

次の症例に没頭します。

そのような1日のリズムのなかで、自分の自分らしさを形成し、

月日を重ねていくのが医療人の過ごし方だと思っています。

仕事に没頭するしか能のない私だから、仕方ないこととも言えましょう。

高松インプラントセンター

診療所の物置の整理をしていたら、大きな段ボール箱が目に入ってきました。

???

封を開いて中身を引っ張り出すと、沢山の額縁が!

私が講習会を開催した時に、受講された先生方に出した修了証書です。

主催メーカーの社長や講演者のサインの入った所謂、認定証です。

几帳面?な私は、自分の出した認定証の原本を額に入れて整理していたようです。

が、キリがないので、途中で止めてしまっていました。

1995年からインプラント治療の講習会を開催したモノが一番古い証書でした。

無我夢中の歳月であったので、

あぁ、そんなに経ったのかと。

その翌年に、当時の診療所の一部を改修工事し、インプラント治療だけの治療スペースを設け、

高松インプラントセンターとしての活動を本格化させました。

当時の私の出した修了証書の署名欄には、今は亡きウルフ.ニルソン先生の署名もあり、

日本各地に赴いた際に、夜、料理屋や赤提灯へと御一緒させて頂いた思い出を懐かしんでいました。

インプラント治療も随分とポピュラーな治療になりましたが、

骨の構造なり、骨の治癒のメカニズムが変わった訳ではありません。

また、人の身体の構造も変わっていません。

より弁理であることも大切ですが、よりより安全へと!への配慮の進歩、改善に努める積もりです。

万能な治療などは存在しない

毎日の診療で、仮の歯や最終歯をセメントにてくっ付けています。

判りやすいようにセメントと申し上げていますが、

専門用語では、

仮留め用のモノを仮着用セメントと、

最終的に出来上がった最終歯を歯とキチンとくっ付けるために使うモノを、合着用セメントと呼んでいます。

それぞれに、何十種類もの製品が共されています。

ドンドンと材料学的に進歩し、

より強く歯とくっついて、より材料劣化がゆっくりと、などなど

ひと昔前からは考えられない程になりました。

私は新たな材料を自分の診療所に採用するに当たって、様々な試験を加え検討します。

で、結局は、それぞれの使い方を変えることだと。

所詮は、繁用の工業製品です。

丁寧な歯科医の手によって為された仕事の補助でしかありません。

商品のカタログの表を飾るキャッチコピーにばかり、目を向けるのは愚かな行為です。

同じように、こうしたから大丈夫!ああしたから安全!といった気持ちの持ちようは

大きな落とし穴が待っているかもしれません。

慎重に!慎重に!の繰り返しと、

疑い深い程の警戒心で治療に臨むのが大切な心構えであると思っています。

チャレンジャーである結えに

他人と違った事を始めると、或いは、新しい事を始めると、

今まで経験しなかったエキサイティングな心持ちが得られると共に、

反面、様々なご批判なり、或いは、あり得もしない誹謗中傷めいた経験も味わなければなりません。

ズット、チャレンジャーでありたいと走ってきました。

その様な経験は、折り込み済みです。

他人の動向にアレコレ云う人にはなりたくありません。

どうせなら、云われる方を選択します。

先日、私のホームページにスタッフ欄に野本女史が加わったのに

色んな先生方が驚かれたんでしょうね!

早速に、アチコチから連絡を頂きました。

普段は何一つ音沙汰ないのにも拘わらず。

ー ヒアルロン酸の注射なんか始めて大丈夫? ー

ー 野本先生とダブル不倫してるんですか? ー

ー 野本先生で大丈夫ですか? ー

野本女史の方には、

ー 変わった先生と組んで大丈夫? ー

こう言う時に、私が何と答えるのかって?

ワッハッハ!と、大笑いして、

ー 私はどうせならピチピチした若い女性が好みですから! ー

ー 今からヒアルロン酸治療を始める経験不足とは組めませんよ!
   それに私は男ですから女性のお顔の心理は解りませんし、
     野本君は歯医者の娘でない、資産家のお嬢で育ちのウンと良いから
       私の診療所のイメージに合ってますんで、
        色々、ご心配下さりありがとうございます。 ー

野本女史曰く、

ー 若くなくて申し訳ありませんでしたね!フン! ー

私がインプラント治療を始めた頃を想い出します。

今は社会人となった娘が幼稚園の折りに、

お迎えに来た同じ組のお嬢ちゃんのおばあ様に言われて泣いて帰ってきました。

ここん家は歯医者でした。

ー あの子のお父さんはインプラントなんて悪いことをしているから遊んではいけません! ー

このお婆さまの倅の診療所の看板には、今では控え目にインプラントと標榜されておられます。

恐らく、滅多にインプラントの患者さんはいないのでしょう。

ホームページでの症例は、まぁ素人の遊びごと程度で笑っちゃいました。

私は気が強いです。

鼻っぱしも太い質です。

突っ張って生きてきましたから。

職人って、こんなもんでしょう?

歯科医が増えて、その反面、日本の人口はドンドン減ってきます。

私ら年寄りに近い歯医者はもういいんですよ。

これから日本の歯科医療を担う若く先生方のために

私ら先を歩く人間が、歯科の仕事の領域を拡げてあげないといけません。

そのような意味合いから、今後は単に病気を治すだけではなく、

歯科において、美容のジャンルは重要になってくると思っています。

但し、治療結果をより高く設定するために

ここは野本女史に頑張って頂こうと思っています。

最後に、ご紹介させて頂いた女史の写真は、ご本人から送られてきたモノです。

一年半程前に撮影されたと仰って居られました。

あの写真は、学生時代の女史と殆んど変わっていませんが‥‥。

最近の写真は、凄い技術なんでしょうか?

要らぬことを書くと、また女史から電話を頂くでしょう。

女史には、お願いだから食べ過ぎないようにと口を酸っぱく言い続けています。

謙虚な気持ちで

これから手術です。

家を出るまでにテレビをつけっぱなしでアレヤコレヤとてんてこ舞いですが、

ウン!と想った時に視線をテレビへと。

アメリカの人気テレビドラマのCSI科学捜査班の一幕にて

ー 見えないからといって存在していないんじゃない!見えていないだけかもしれない! ー

上手いこと云うもんだと、床拭き掃除の手を止めて画面に釘付けとなりました。

他人からもシツコイと云われること度々です。

これでOK!!と思った時が、物事の半分程度の達成度であると思って、

ソコから色々な方角へと視点を変えて、自分の成したる仕事を再評価して手直しに入るのを常としています。

人のすることに完璧などありませんから。

謙虚な気持ちで、自分の仕事をみつめる必要があると思っています。

オールセラミック修復の現状

歯の治療において、より美しくという要望からオールセラミック修復全盛の昨今です。

その代表選手として、ジルコニアによるオールセラミック修復がもてはやされています。

このジルコニアは、所謂、人工ダイヤモンドです。

海外などに出かけた時に、ふとチャイナタウンに足を運んで雑貨屋の木戸をくぐった際に

色とりどりのアクセサリーを目にした御記憶がお在りになられるかと思います。

あのイミテーションの宝石の原材料がジルコニアです。

この素材は非常に硬いという性質を持っています。

歯の治療において、ジルコニアを使うメリットは、先ずは割れない、欠けないと云うことです。

従来のメタルボンドクラウンと違って、金属の裏打ちもありませんから、透明感も高まり

より美しく人工歯を仕上げることが出来ます。

但し欠点は、硬すぎること!

この欠点に対する配慮が欠けた治療を行うと、噛み合う対合歯が異常に磨り減ったり、

修復した歯に打撲の圧力が加わって、根が折れたり、グラグラする原因となります。

私の診療所の3割位がジルコニアによる修復で、あとは未だにメタルボンドクラウンであるのも、

症例を選んで使用しているからです。

しかしながら、このジルコニアによる修復は、来年には、もっと減少すると思っています。

ジルコニアの持つ利点は其のままで、硬すぎず、もっと軽い素材が私の治療で増えると思います。

ジルコニアによる修復は、時代遅れと云えるのも、もうソコまで来ています。

私の治療

この間、私の処へ通われるようになって間もない患者さんの歯を、さぁ削ろうというその日に、

その方は随分と緊張されておられました。

誰しも、歯医者での治療は怖いですよ!

麻酔注射を手にした私に、瞳をギュッと。

両の肩が持ち上がって!

私は淡々と針を進めます。

ー はい!お口をお濯ぎになって下さい。終わりましたよ。 ー

キョトンとして、嗽をされた後に、

ー 先生、痛くなかったです。 ー

ー 当たり前です。でも、しんどいのは今からですよ。歯は自分では治りませんから、

  どれだけ丁寧に綺麗に削れるかが勝負ですから。時間がかかりますよ!頑張って下さい。 ー

その日の治療を一通り終えて、仮の歯をいれてお帰りになる際に、

治療の手順が他と違うことが判って頂いたようでした。

このな毎日を繰り返しています。

台風の到来

台風の到来の影響でしょう。

雨足が強くなってきました。

私の診療所は、遠方からの患者さんが多いので、

こちらから診療予約の変更の電話を差し上げて今日は早仕舞いすることにしました。

診療に来られる途中で事故にでも遭われたらと案じますし、

帰りに交通機関が失われたらと、これまた心配で堪りません。

緊急を要する患者さんは居られませんので、日を改めてと決め込みました。

院長室のソファーの上でマリリンが気持ち良さそうに眠っています。

最近は、基礎的実験が順調に進んでいます。

開業医の私が、基礎的実験とはと不思議に思われるかもしれません。

が、毎日を患者さんの治療で過ごしてとなれば、疑問に感じることが多いのも事実です。

必要に駈られての研究です。

少しでも、患者さんの健康に寄与したいと思っています。

ゆっくりと、台風が去るのを実験を続けながら待ちたいと思います。