日別アーカイブ: 2015年5月27日

医療人の姿勢

今日ではポピュラーになったインプラント治療ですが、

これほどまでに普及するとは思いもよりませんでした。

しかしながら、その反面、昔では考えられない程度の低いトラブルも観られる始末です。

現在のインプラント治療は、開発者であるブローネマルク博士の精神からは

大きくかけ離れたモノとなっていると想うのは、私だけではないと思います。

インプラント治療の産みの親であるペル.イングバール.ブローネマルク博士は、

昨12月20日にお亡くなりになられましたが、

博士の遺された業績は歯科のみならず整形外科の分野などの医科の治療方法を一変させました。

脚や腰の関節の手術に於いても博士のインプラント治療の研究に基づいたモノです。

私たち医療人は、博士の遺された遺産の上に胡座をかくのではなく、

ブローネマルク博士の精神も継承し、社会に貢献する姿勢をもう一度思い出すべきだと思います。

先人の役目

午後からの上顎洞底挙上手術とインプラントの手術を前に、

午前は噛み合わせの調整やプラークコントロールなどの患者さんを診察して、

少し何時もより余裕を持ったアポイントメント配分にしています。

明日も明後日も手術が続きます。

来週は新潟です。

私が新潟へ滞在の間に、手術の患者さんの傷も治癒し、

高松市に帰ってから抜糸の予定です。

新潟では母校の4学年の学生への歯科保存学の実習も入っています。

1時から6時過ぎまでズット立ちっぱなしの話し通しです。

学生さんも大変でしょうが、私ら教官もキツいですよ。

チェックする際には、中腰になるので、後から腰にきます。

歯科の学校へ入れば、まぁそれなりで歯科医になるんだろうと、思って居られる方が多いんだと思いますが、

歯科の学生さんは、本当に大変な想いをして過ごしています。

私らの時代はおおらかでしたが、今の学生さんは本当に大変です。

御父兄からお預かりしている学生さんですから、

教官も、学生さん以上に頑張っている姿を清々し想いで観ています。

現在の教務部長は全身管理科の藤井教授です。

先生は情熱の人ですし、先の先を観ているお方ですから、

単に国家試験に合格させるための教育でなく、

今後将来、各地に散らばって行くであろう学生さん達が、

その地方地方において活躍できることを第1とした教育を考えて実践されておられるのが伝わります。

私ら先人が、キチンとした生きた手本となり、

これから歩んで行く長い歯科生活のなかでの灯台の役目を果たさねばと、

此処で歯科を学んだ者としての恩返しだと自身を戒めて過ごしています。

萬代橋の風に涼んで、

柳の蒼さを満喫する積もりです。