日別アーカイブ: 2015年6月20日

賜物

京都市からお越しの患者さんの治療の途中での一休みです。

今、スタッフの宮田君が患者さんのお口の中をクリーニングしている処です。

当の私は、先程まで、この患者さんの奥歯部分にインプラントの部品であるアバットメントを装着していました。

アバットメントの上に人工歯が被さります。

この人工歯の噛み合わせの調整も併せて行って、

眼がシバシバします。

拡大鏡下での作業ですから、丁寧な仕事が出来ますが、

それだけに眼に負担が架かり、神経も張りつめます。

で、一服です。

30分位の間に、歯を艶々しく綺麗にしてくれるでしょう。

で、再び私の出番となります。

この患者さんには無理を利いて頂きました。

修復治療に先だって、歯列矯正の治療を受けて頂きました。

私より年上の女性ですが、京都市から兵庫県川西市の畑先生のもとで矯正治療に通って頂きました。

お陰で、非常に修復治療は、やり易く、綺麗な機能的な形態の人工歯の仕上がりとなりました。

良い仕事は、患者さんの協力の賜物であると感謝しています。

素晴らしい仕事.歯科治療

夜通し、本を読んでいました。

今朝も一番に手術があります。

歯肉の移植手術です。

意外と徹夜は、堪えていません。

気が張り詰めているんだと思います。

私の仕事は、人の身体をあずかる意味合いを持ちます。

ですから、責任の重さで押し潰されない為には、気持ちを張り詰めているしかありません。

秋の恒例行事となった母校での特別講義は、私にとっては、とても重要な意味を持ちます。

歯科大に入学したばかりの1年坊主ですから、まだ専門知識はありません。

ですから、難しいテクニックや診断論について述べても無意味です。

医人として彼らが経験するであろう重圧を、寧ろ糧として生きていく術についての話に重きをおいています。

芸の道に身をおくわけですから、一般のサラリーマンや事業家のような考え方をあえて排除しなければならない時もしばしばです。

営利のみを追求することを慎まなければなりませんし、

少しのミスが大きな命取りになる事も知っておかねばなりません。

厳しい道であったと、振り返り観れば、その様に想わざるを得なかったと感じますし、

現状に於いても、常に自己を律する心を持っていなければ、

到底、患者さんの身体を触ることは出来ません。

矛盾した言い方ですが、

自信を持って患者さんに接して治療を行っていますと共に、

まだまだ、モット良い治療が在るんじゃないかと、

謙虚な気持ちで、未だに自己の未熟を感じて過ごしています。

治療なり、書物に目を通すだけで多くのエネルギーを消耗します。

瞳でしかモノを言わない犬を離さないのは、それだけ心に傷つく仕事でも在るからだと思います。

歯のキチガイと言われたことが度々です。

歯への情熱の大きさから、他の方向にまで眼が届きません。

これを責められるのは、正直に申し上げると酷だと思います。

日本歯科大学の合格発表に喜び、富士見坂を駆け降りました。

歯科医師国家試験の合格発表の報に、良い歯医者でありたいと決意した頃から

私の歯科医学への興味が尽きることはありません。

こんな厳しい、辛い、悲しい仕事ということは、誰よりも私が知っています。

でも、私は素晴らしい仕事.歯科治療という意味合いも誰よりも判っています。

人は生まれる時に独りなら、死ぬときも独りです。

頂いた命を、単に時間消費するのではなく、価値あるモノに自分の心の持ちようにてと

若き歯科学生に気づいて頂きたいと思います。