月別アーカイブ: 2015年7月

眼がクラクラ

今しがた1つ手術が終わりました。

マイクロスコープを使ったマイクロサージェリーです。

下顎の第1大臼歯部分の歯茎の腫れを繰り返している授乳期にあるお母さんです。

予め搾乳して母乳を冷凍保存して頂いて、抗生物質を服用する期間は、

赤ちゃんは哺乳瓶で辛抱して頂きましょう。

歯茎に切開を入れて、注意深く患部を観察すると、

絶対にレントゲンでは発見できない細ーいヒビがうっすらと見えました。

感染部を除去して、

ヒビの部分に水酸化カルシウムのペーストで確りとパッキンします!

で、小さく2針程縫って、お仕舞い。

傷は小さいので腫れることはないでしょう。

が、私は眼がクラクラです。

夏真っ盛り

今年の夏の暑さは異常だ!などと昨年も言っていたのを覚えていますが、

歳で体力が衰えているのか、はたまた、本当に暑さが増しているのか、

兎に角、暑さが身体に堪えます。

家でかき氷を作ってやると、色様々なシロップをかけて最後の溶けた綺麗な冷たい水を、

器用に両手で器を抱えて飲み干す娘たちの姿に涼感感じる私です。

もうすぐお盆が来るなと、朝思い付いたように納戸から小さな小箱を取り出して

仏壇前に飾る提灯を、末の娘と組み立てました。

夏、真っ盛りです。

昔の街並みは、今頃になると祭りのテーマソングがかしましく鳴り響いていたのですが、

この数年は、何故か静かであるので逆に拍子抜けして仕舞うのは私だけでしょうか?

何もかもが無難であることが、果たして‥。

夏の虫からの贈り物

昨夕、仕事帰りに立ち寄ったスーパーマーケットの陳列棚に山積みにされた鈴虫の籠からの

耳に心地よいハーモニーにひかれて娘たちと歩み寄った私が

レジで買い求めていたのは云うまでもありません。

夕食時に、何時もはテレビに釘付けの娘たちを叱りながらの日常が、

昨日は皆で鈴虫の音に楽しみながらの時間を過ごしました。

犬たちも、この不思議な生き物を鼻先にジーと見つめています。

私の幼い頃は、どの家庭でも今時はこういう風景であったように思います。

忙しい毎日を過ごす私の、ほんの一時の心休まる夏の虫からの贈り物でした。

敗北

医局の書棚から歯科関係の雑誌を手にとって頁を捲り、眼が留まりました。

ある歯科医のマイクロスコープを使った根の治療です。

上手い!

度胸も善し!

私より年少の先生でしたが、感心しました。

これ程に上手い!と感じたのは、

20代の後半に、レイモンド.キム先生やネビンス先生の治療を拝見した時以来です。

私は批評家、評論家にはなりたくありません。

他人の粗探しも嫌いです。

この若い先生と同じ技術は、今の私は持ち合わせていません。

私は技術者です。

そう言う意味で、私は完全に負けたことになります。

人生は勝ち負けの繰り返しです。

もっと勉強して、もっと工夫して、もっと練習して

この技術を身に付けたいと強く強く感じます。

四半世紀振りに、私の中の導火線に火がつきました。

口では説明出来ない事

あっけなく今しがた終えた手術は、インプラントの埋入手術でした。

本来、私はインプラントを埋入する際には粘膜を切開して手術野を大きく開いて骨の形などを自分の眼で

直接、確認することを旨としています。

が、先程の症例は何時もとは違ってノンフラップで、

即ち、粘膜に切開を入れないでインプラントを埋入したのです。

別にノンフラップの手術を親の仇のように想っている訳ではありません。

患者さんへの絶対的な安全、安心に重きを置くと自然とそうなるだけの話しなのですが。

実はこの患者さんのインプラントを入れた部分の歯は、

3ヶ月前に、この私自身の手で抜歯したのです。

歯根が折れていました。

抜歯する際には、大きく切開をして感染組織を丁寧に、自身の眼で確認しながら

感染組織を取り除きました。

その後で、骨移植材にて患部の手当てを施しています。

そういう訳で、この部分の骨は、私自身の手で形造られたモノですので、

この私自身が手に取るように状態を把握しています。

このような場合には、患者さんの傷を敢えて大きくする必要はありませんので。

何事も臨機応変だと思います。

ですから麻酔注射も虫歯の治療よりも少しで済みました。

直系4.0ミリで、長さが13ミリの太くて長いインプラントが入りました。

今日のインプラントはアストラテック.インプラントです。

3ヶ月後に、2次手術です。

最近は1回法の手術が多いのですが、今日は2回法の手術を採用しました。

訳ですか?

色々ありますが、最後は私の勘だと思います。

口では説明出来ない事って、結構あるんではないでしょうか?

私の夏

小学校の夏休みに入ったばかりだと云うのに、

早くも私は、降参の旗を挙げたい悲鳴です。

お昼に皆で、喫茶でのランチに連れていけば毎日幾らかかるんだ?となど考えて、

弁当に水筒持参で犬も総出で出勤です。

車を駐車場に停めて診療所まで歩く道すがら、他人の視線がやけに気にかかり

気がつけば、スーツに足は草履と言う始末!

帰宅時にスーパーへと立ち寄って買い物済ませて

皆を眠らせて、ヤット一息つくと想えば

犬たちが、さぁ遊べ!と。

仕事よりもズットズットきつい私の夏が終わることを首を長く待っています。

最後の仕事

倅が幼い頃に買い与えたキャバリアのアール君が、イッキに弱ってきました。

アール君は、倅のある時代を伴にした倅の大切なパートナーでした。

先の東北大震災も、倅と逃げ切ったアール君です。

新潟の高校へと通う独り暮らしの倅の唯一の家族でも在りました。

ある時期、男という生き物は迷う性を持っています。

反して犬と云う生き物は、規則正しい習性を持つ生き物です。

若い男が、犬の世話を手抜きするのは当然の事かもしれません。

観かねた私が怒り爆発させてアール君を連れて帰ったのでした。

多頭飼いの我が家で、身体こそは小さいながらも、唯一の雄の犬でしたので、

身体大きなマリリンやラッシーを仕切っていたアール君でした。

普段はリビングで過ごしていたのですが、

弱ってからは、今は末の娘の部屋となった倅の部屋へと這いずって移動したアール君でした。

本能で、主人であった倅の匂いを嗅ぎとっての行動であることが判ります。

自分でエサも採らなくなりました。

エサを手で掬って口元へと運んでやって、私の手の匂いに反応して

掌を舐める所作で食事するアール君です。

ホンに犬と云う生き物は、忠実で誠実なと、

胸が熱くなり、涙を流して眺めています。

出来ることなら、倅の膝の上にて旅立たせてあげたいと

頭を撫で、身体を触れながら

犬を励まして娘らと過ごしています。

生き物には、終わりがあることを幼い娘らに

教えてくれる最後の仕事にかかったアール君です。

時は流れて

若い時分から、未熟なりに自分の仕事を写真で残しています。

私の患者さんであれば皆さんがご承知ですが、

私は診療をカメラで撮影しながら進めています。

後から画像にて確認して、再評価するためです。

今、昔の仕事を改めて眺めますと、若さ故の真っ直ぐさも感じますし、

また、一方からの物事の観察眼からの未熟さに、冷や汗が出る想いです。

今年の大学での特別講義に於いて、

若い時分の症例を、学生さんたちに見せようと思い立ち、

古いスライドブックを開いたのです。

昔はデジタルカメラなどありませんから、フィルムで撮影していました。

現像が仕上がるまで、画像の確認は出来ません。

撮り損じがあっては、瞬間の様子が遺せませんので、

露出やシャッタースピードを色々と変化させて、

何枚も撮影して、無駄な浪費をしていました。

今ではデジタルの時代故に、便利になりました。

古いスライドをスキャナーにてデジタル化しようと思い立ち、

診療の合間に作業しています。

で、フィルムの山の中から面白いモノを発見。

今は社会人となった一番上の娘の幼い頃の写真です。

この娘は、人類の中で一番の私への批判者となりました。

池波正太郎の小説ではありませんが、

女子供には決して大人の男の心根など判るまいと、

黙って批判に黙しています。娘には娘の言い分があるのでしょう。

が、当の娘の心情とは反して、血とは恐ろしい程に濃いモノです。

再婚した私に授かった娘の顔は、驚く程に瓜二つでありました。

顔をクシャクシャに笑い、私に抱かれていた頃をこの娘の記憶には残っていないのでしょうが、

当の私は、この頃の残像が鮮明に身体に記憶している故に、

離れていても我が子の幸せを願っていない時はありません。

親とは、そういうモノだと思います。

古い症例写真や娘の顔に、胸が熱くなり、何だか目頭が‥。

歳をとりました。

決断

人生の中で、様々な決断を迫られる機会に遭遇します。

若い時分で在れば、勢いに任せて後の後悔という経験も多かったように思います。

優柔不断と傍目から想われる位に、決断する姿を他人に見せないように努めるようになったのは、

間違いなく、私が歳をとった精でしょう。

丸くなったとよく言われますが、それはその様に見せているだけです。

時間をかけて、八方手当てを尽くして、やむを得ませんと至った時には

想い腰をあげます。

私は決めたら、後は梃子でも動きません。

ですから、歯科という石に腰を落ち着けてしがみついて石を磨き続けています。

ホームページのメンテナンス

ホームページのメンテナンスのために21日から3日間ほど、

ブログの更新が出来ません。

何かあった訳ではありませんので、ご心配に及びません。

台風一過。

昨日は、通りの落ち葉やら枝の掃除に追われました。

皆さんは、被害など無かったでしょうか?