月別アーカイブ: 2015年7月

治療方法の説明

新しい患者さんへの治療方法は、何度か来院して頂いてから

私自身の口で、治療計画書と費用を記載した書面を前に説明しています。

難しい症例ほど、治療方法を決めるのに時間がかかります。

最近は、私より若い方が随分と多くお越しになられます。

これは私が年々、歳をとっているので当たり前なのでしょうが、

この方たちが、私の年齢になられた時には既に私は死んでしまっていると思うと、

余計に責任を感じて、アレコレ思案して、

更に慎重にならざるを得ないのです。

次の世代の歯科医の目に触れても、誠実で確かな結果を遺さねばと。

私の精一杯の言葉での説明を、横でスタッフに聞かせるようにしています。

と言うのは、もっと簡単に判りやすく説明が出来るのであれば、

後からスタッフに補足させるためであり、

また、患者さんが私には聞きにくいことがあれば、遠慮なくスタッフに聞けるようにとの

私なりの考えからです。

私は、治療方法の説明は、治療を行う医者自身の口で説明すべきとの考えを採る者です。

ですから、最近流行りの治療コンシェルジュ?治療コーディネーター?治療マネージャー?

なんやねん!それは?との、立場を採る者です。

側で観るのと、自分でするのとは大きく違います。

見よう見まねと、長い期間の経過を経験するは大きく違います。

医療行為は、かけがえのない大切な患者さんの身体を触れることで成り立ちます。

入り口の処から、他人委せには、私は全く理解できません。

少なくとも私の診療所の基本的な姿勢であります。

白衣

連日、県外からお越しになる方の対応でドタバタした数日を過ごしていましたが、

昨夜遅くに帰宅するがてら、穏やかな夜空に輝く星にホッと一息ついたのですが、

今朝はうって変わって台風到来を予想させるほどの空模様に

警戒心がメラメラと沸き上がり、

早速に、庭の植木ばちや自転車を寝かせてなどの備えに時間をとられて

何時もより出勤の遅れた私です。

今朝から、スタッフが白衣を着用したようです。

出勤したる私に、照れ臭そうに白衣姿を見せにくるスタッフに、

娘に対する心持ちのような想いで、その姿を眺めました。

こういう時に一言、誉める台詞でもスルッと口から出でる方がウケが良いのでしょうが、

元来、照れ屋の私です。

ー はい ー

で、お仕舞い。

最近になって白衣を着用するようになった私ですが、

皆と同じ所作を嫌うへそ曲がりな私は、

診察室で患者さんの顔を拝見してから白衣を羽織り、

で、お一人治療が終われば、再びに患者さんの前で白衣を脱ぐようにしています。

治療は私にとっても患者さんにとっても、大切な大切な手当てですから、

始まりと終わりのケジメをキチンととの気構えの形は

こういう所作であろうと思った訳です。

結構、ヘンコなんです、私は。

窓辺にて

院長室の窓は、菊池寛通りに面しています。

私鉄のターミナル駅から真っ直ぐに中央公園までのびたこの通りは、

朝の出勤時刻付近ともなると、大勢の通勤者で行き交います。

窓から目にはいる名前も知らぬ多くの人たち

皆それぞれに生活があるんだな、と、何気に想いながら煙草をくわえています。

どの様な生活の過ごしようが理想であるのかは、人それぞれに違うでしょうが。

私のような無頼の人間は、凡そ勤め人などハナから向いていないことは若い時分から判っていました。

歯科医とという仕事を、健康福士のと考えずに、ごく繊細な手仕事と観れば職人仕事の分野が最も適した種別けではないかと思います。

手先の職人仕事に就いたのだと、ズット意識して過ごしてきましたので、

元来の無頼さが尚更、発展して頑固一徹に成長したのかもしれません。

患者さんの方では、正確な治療を求めてお越しになられ、また接する際に於いても

私に一歩下がったハンディキャップを与えて下さっているのが判ります。

本当にありがたいと感謝して過ごしてきました。

診療所に居る時が、本来の私であるのでしょう。

昔、藤山寛美が楽屋にて寝泊まりしていた気持ちがよく判ります。

私ら職人は、仕事場に居るからイキイキするのであり、

一歩、外へと出てしまえば、何の取り柄のないただの阿呆烏でしかありません。

その辺りの痛い処を突いてくる野暮な輩に、私ら職人は、抵抗する手当てを持ってはいません。

自分の仕事を追求すればするほど、仕事にはテッペンがまだまだ上の方に動いて移動していくのを

ヒィヒィ言いながら、時には背伸びを、またあるときには腰を屈んで、

力をつけることだけに多くの時間を費やしてきた繰り返しの人生でありましたから。

夜なべの徒然なるままに

長い人生の中で様々な経験をして人格が形成されます。

辛苦に対しても礼を述べなければならないと思います。

但し、気苦労の大半は自身に原因が在るように思います。

論理的に物事を整理できれば、多くの悩みは解消するはずです。

そうも往かないのが人生。

例えば子供の気苦労は、理屈抜きで親なら生涯続くでしょう。

アル時まで、私は悩みを抱えた時には他人の意見を求めていました。

何故なら、自分に自信がなかったからです。

私は18の歳で、この歯科の道に入りました。

で、何十年。

ただただ、歯科道に没頭して過ごしてきました。

ですから、どう考えて観てもバランス感覚の採れた人間でないこと位は自覚していました。

逆に云えば、そのように客観的に自己判断出来ない医者は阿呆だと思っています。

ですから何かしら問題に直面したときに私は、原因の根本が自分に在るのならば

その欠点を自らで治さなければならないと考えて、他人の意見を求めていました。

今、現在の私ですか?

色々な不快なことは続きますよ。

不安な気持ちにもなります。

が、こういうことってのは結局は私の力では解決出来ないんだと悟りました。

ですから、他人に相談することは無くなりましたね。

こういう事を言っちゃなんですが、

私の歩いてきた道筋の厳しさに、普通の方は選ばないでしょうが、先ずは耐えれないでしょう。

現状も同じこと。

聞くまでもない。

私は正否は兎も角、私の前の道は自分で木をなぎ倒して歩いてきましたから。

娘たちも大きくなりました。

口答えもされます。

そのような時には、頭をパシンと叩きます。

児童虐待ですか?

これが児童虐待だとお感じになられる方が居られるとしたら、

是非にご自身の頭の中と判断基準を虐めつけるべきだと思いますよ。

世の中が変に萎縮し過ぎて、私は自身の子達をこの国に託せない想いを強く持っています。

等など考えながら、珍しく今夜は夜なべです。

権利

嘆かわしい事件の報が絶えません。

個人の権利を変に勘違いする時代の副産物だと思います。

現に私の周囲にも、理解を遥かに越えた発想なり行動を採り、

どう擦り合わせをすれば善いのかと思案に暮れる機会も多々見受けられます。

かかわり合いを持たぬように努めても、

相手に由ってはそうもいかない場合も多いのが世間の常です。

とは云っても、虐め問題だけは、決して許すべきではありません。

未成年者と言えども、日本ほど衣食に満ち足りた恵まれた環境はありません。

其れを善いことに、弱者を虐め、その人の人生に暗い陰を、もっと云えば命さえまでも奪うほどの遇虚を

決して許してはならないと思います。

仮に私の子供が、虐めによって自らの命を絶つようなことがあれば、

私は報復を警察なり司法の手には委ねません。

私の全人生をなげうっても、私は自分の手で子供の仇を執ります。

そんな!と想われるかもしれません。

が、嘗て我が国には、キチンと仇討ち免状というモノが在りました。

権利とは、主張するものではなく、守ってあげるモノと考えています。

常に変化を

昨年末に、別に新しいホームページを公開しました。

これは、私の治療を実際に受けて頂きていた女性の患者さんにお願いして製作して頂いたモノです。

照れも少々在りましたが、患者さんは私の事をこのように観ているのかと考えさせられる機会も在りました。

元来のホームページは、香川こまちの山田社長のプロデュースにより製作して頂いたモノです。

香川のタウン誌の産みの親である香川を隅から隅までご承知の氏のご助力の賜物だと感謝しています。

完成から凡そ3年程は経過したと思います。

少しずつ修正を加えようという時期になったと思います。

ブログは、大勢の方が読んで頂いているそうです。

ありがとうございます。

但し、歯に関する話題は、私のよもやま話とは項目を変えようと試みました。

私の独り言については、何処から本当で、何処から創作かはご自身のご想像のままに。

私の本当の心の奥底は、常に私の脇で離れないマリリンの瞳の中にだけでと‥。

症例は、ユックリ吟味しながら患者さんの側にたって判りやすいモノにしようと思案しています。

そんなこんなで、香川こまちの山田社長には、大変ご迷惑をかけています。

心より御礼申し上げます。

日々精進なり

同業の先生方なり、歯科関係のメーカーの方が初めて私の診療所を訪れた時に

必ずや驚かれることが決まってある其のひとつが、

ー 先生と歯科衛生士の方の二人だけで、この広さの診療所を運営しているんですか! ー

面積から云えば、標準レベルで歯科用診察椅子は15台は設置できる処に、

私は診察室に一台と、手術室に一台の診察椅子しかありません。

私の満足できる診療所を創ろう!

歯科のユートピア創りを夢みて過ごしてきました。

道は未だに半ばですが。

広さ面積は別として、私の診療所は、ごくごく小規模の歯科診療所です。

目が行き届くために、私はスタッフの数を増やしてはいません。

歯科アシスタントなり歯科衛生士は女性でありますから、

私は彼女たちに口酸っぱくアル台詞を繰り返すのです。

【ナイチンゲールの心で患者さんに接しなさい!】

大勢のスタッフにたいして、技術を指導することは難しいことではありません。

患者さんへの気遣い、心遣いなり、仕事に対する向き合い方などを

スタッフに気づいて貰うことの方が、ズットズット大変な作業です。

とてもじゃありませんが、私は自分自身も未だに修行中の身であります。

大勢のスタッフなど、とてもじゃありませんが、自信がありません。

ですから、今のスタッフに対しても、特に何かを教えるということもありません。

スタッフの人格を尊重し、彼女もいい大人ですから。

そしてソモソモ私が歯科衛生士になって下さいとお願いした訳でもなく、

自分でこの道を志したのでありますから、

特に有資格者は、モチベーションは自分で上げる努力をしなければならないと云う考え方の私ですから。

そういう訳で、大勢の患者さんで溢れかえって商売繁盛も良いですが、

私は自分ペースで職人仕事にコツコツとという方が性に合っています。

日本各地には、それはそれは多くの隠れた名店があります。

これ等の店を訪れて必ず共通しているのは、

店主の目が行き届く範囲の仕事をしていることです。

で、どの店においても、ある程度年季のいった年齢にならないと、やはり良い仕事は出来ないんだなってこと。

そういう職人の姿は、時に厳しく、時に優しく、誠に瞼に美しさが映えます。

自分の姿を省みて、日々精進なりと、再び俯いて歯へと全身を浸かり込むのです。

炎症のコントロール

歯周病に対する手術が必要な時は、

躊躇なくメスを積極的に持つ方です。

歯周ポケットに対する考え方なり治療のガイドラインは

既に決まりきっているからです。

初期治療後の再評価で、未だポケットが4ミリ以上ある場合や、垂直性の骨の欠損に対しては

歯周外科が必須であることは、私見ではなく、ワールド.スタンダードです。

ですから、未だにポケット洗浄やメンテナンス時期ならいざ知らず、深いポケットに対するPMTCなどと云って歯茎を傷めまくるゴマカシには賛同出来ません。

歯周外科処置は、私の診療所では普通の日常的な処置です。

歯周外科処置には、ポケットを除去し炎症をコントロールするためとは別に、

清潔にしやすい環境に変える、云わば環境改善のための手法もあります。

どちらかと云えば、こう言う意味合いの手法は細かな手技を要します。

マイクロスコープ顕微鏡下での手術となります。

手術と聞けば、血でドロドロとと、お感じになられるかもしれません。

が、私の診療所においては、手術時に着用する手袋が血で汚れることはありません。

その位に、出血は少ないということです。

手術の前に、手順としての炎症のコントロールを確りと済ませていれば、

インプラントや歯周外科処置は、多くの出血を伴う手法ではありません。

さて、それでは今から手術に入ります。

職人気質

チョッと頭の一休みと言う時に私は、

ゴソゴソと書棚をかき分けて、数ある池波正太郎作品から目ぼしいモノを手にとって

頁を捲っていくのが常となりました

その時々により、随筆であったり、鬼平あるいは梅安‥。

何度も読み返していますが、脳味噌に負担が掛からず、で、心持ちが解されるのが

池波作品の特徴だと感じています。

こう言う事を書くと叱られるかもしれません。

が、書いているのは私ではなく、池波先生ですが。

【女.子供には‥‥】

これは決して差別ではありません。

男には、男のコダワリなり世界があり、そこには決して踏み込んではならないし、

大人の男以外には到底に理解出来ないモノがあると私も思っています。

が、昨今の男には、こう言うことも判らない野暮天が大勢に居るようで、

傍目ばかり気にしている風情に嫌気がさす想いです。

特に私らのような職人仕事をする人間のコダワリなどは、

はなから判って貰えるとは思ってはいません。

角がたっても、野暮天にだけはなりたくないと言う痩せ我慢が

私らのような職人の流儀だと思っています。

臆病者と謗りを受けても

今日は、CTの最新解析ソフトの説明を受ける手筈になっています。

インプラント治療に際して、私はCTによる撮影画像を完全には信用していません。

歯科用のCTによる画像は、医科用のCTに比べて大きく劣ります。

また医科用CTにおいても、機種の違いや、放射線技師さんの技量により、その画像は大きく異なります。

ですから、あくまでも参考程度と考えて手術に臨みます。

結局は、直接に骨を自分の眼で診て、自分の手で触って感触を確認することが

治療成功の秘訣だと考えています。

治療の技術の差が在るのは当たり前であり、

だからこそ私らは、日頃の研鑽が必要なんです。

とは云うものの、参考程度としか評価していないCTですが、

常に最新の解析が出来るようにとの備えを怠る訳にはいきません。

臆病者と謗りを受けても、備えに備えに!の気持ちが、

安全な治療への第1歩なのです。