日別アーカイブ: 2015年7月6日

鰻の話のついでと言ってはなんですが‥

先程の鰻の話のついでと言ってはなんですが、

大学の近所に鰻屋があったので、昼休みに車を出して覗いてみました。

10人も入れない程のカウンターに上がり座敷にキツキツで8人程度の店です。

規模はますまず善し!

で、早速にカウンターの隅に腰かけてお品書きを。

鰻重と鰻丼のみ。

よし合格!

で、特上の鰻重を。

注文した後で、カウンター周りをグルリと見渡して、

あっ失敗した!

並にしておけば良かった。

カウンターの真ん前に、【S&B山椒】とスーパーの陳列のままの小瓶が置いてあるのが眼に入ってきたのです。

で、人の良さそうな亭主は、予め下仕事を終えた串に刺さった後は焼くだけの鰻を

冷蔵庫から取り出して、タレのなかへ。

値段だけは一流の店と変わらぬこの店の亭主!

いったいどんな自信から、その値段をつけたのか!

大体、なんだ!この既成の山椒は!

食べる前から腹がたって、ビシャビシャの鰻と、不味い米に

亭主の顔を何度も何度も、見直す私でした。

回転スシは鮨ではありません。

食べる私も、それは認識していますし、値段も大きな差があります!

この鰻屋なり、最近の歯医者って、同じだと思いませんか?

手間隙かけて

この頃の高松市は昼はウットオシイ程に蒸し暑く、

で、明け方は肌寒いと云った1日での気温の差が大きく、

なんだか気だるく重苦しい毎日が続いています。

こんな時こそ鰻でしょう。

カンカンに照ったなかの汗をかきながらの鰻も良いですが、

こうも気だるい時こそ鰻だと思います。

せっかちの癇癪モノの私ですが、

鰻だけは速い処はイケません!

お客の顔を観てから捌くくらいの店でないと。

そりゃ、時間はかかるでしょ!

そのくらいの覚悟がなければ、旨い鰻なんか御目にかかれません。

私らの前に、テカテカとした鰻重がスーと置かれる迄には、

それはそれは手の込んだ下仕事がありますから。

歯科の治療においても同じことです。

速いのが名医の証し!と、信じて居られるお方でいらっしゃったら、

私なんぞは、天下一のヤブ医者でしょう。

自分のなしたる手当ての結果を見極めてから先の手順に進んでいく方法をとる私の治療は、

頻繁には来て頂きませんが、経過の良否により再評価を加えながら進めて行きます。

その日の天候の塩梅によって、料理人が塩加減を変えるとの同じです。

人から観れば同じようなことの繰り返しの毎日ですが

患者さんの状態、状況によって手当ての加減を変えるのが

私は当然の仕事だと思います。