月別アーカイブ: 2015年8月

平凡な毎日を

朝早くから娘たちを映画館へと送り出し、

チケットを買い、皆をトイレに行かせてから、それぞれにポップコーンと飲物を持たせて、

長女にチケットの席を確認させ、

その間に、庭の草むしりに追われて、

気がついたら、もうお迎えの時刻に。

娘たちと待ち合わせた書店へと急いで車を走らせました。

昼御飯を食べさせた後に、私は独り再び庭へと。

気の遠くなる程に山積みとなった芝生を敷き詰めるために

手作業で庭を耕す私です。

この様な時に、娘たちは宿題が!などと適当な理由をつける知恵が授かり、

私は孤独感を味わいながらの作業となりました。

今日は珍しく雨に恵まれました。

昨日の芝生が目に眩しいほどの青さで、

あぁ、これで定着してくれるな!と、安堵したのです。

今から手術です。

明日も手術です。

そうこうした日々を送っているうちに、

庭で犬たちが走り回れる環境が整うでしょう。

夏前に一度、芝生作業を行いましたが、

この秋ですべてを完了しようと思い立ち、昨日の作業と相成りました。

平凡な毎日を送っています。

大きな赤ん坊

夢を観ていました。

波打ち際で、アワビを拓いている私がいました。

???

眠りが浅くなったのだと思います。

足の指に、妙な感触を覚えます。

まるでアワビのような感覚です。

なんじゃ?これは?と、

足の指を動かしてまさぐると、

セントバーナードの平蔵君の歯茎が、そこのありました。

薄目を開けて、足元を眺めるや、

平蔵君が、夢中で私の足を舐めている最中にありました。

それにしても、大きく育った平蔵君です。

赤ん坊のクセシテ、今や成犬となったマリリンの倍の大きさになりました。

この大きな赤ん坊に、毎日、私は悩まされています。

先を行く者は

恐らく、御身内の方が新たに歯科を開業するのでしょう。

私の診療所が気になって気になってと、云った処でしょう。

患者さんに成りすまし、1,2度ほど、お越しになられる方が時々に居られます。

その様な時に、私もプロですから、即座にその匂いを感知します。

但し、相手には決して悟られないように、

いつも、いつもの通りに、進めます。

相手の関心は、大体が治療費用です。

治療技術云々については、何事も身内贔屓が人の常ですから、

私の治療技術には、あまり関心をお示しになられません。

治療を受ける方が、治療技術よりも治療費用なり、システムに関心を示す場合は、

殆どが、サクラであると思った方が良いのです。

私ですか?

私は誰に対しても、そのまんまの隠し事は致しません。

但し、治療方法の計画については、無難な処までしか考えません。

何故なら、治療計画書の作成は大変な労力を必要とするからです。

大真面目な顔をして、普通通りにその様な方に接し、日常の手順は踏んで臨んでいますが、

細かな最後の詰めは、手抜きではありませんが、必要ないので行っていません。

私は他人のような仕事はできませんし、

同じように、私の仕事は、他人には出来ません。

同業者が、競合の他店の偵察なんて云うのは、普通の業種であれば日常茶飯事ですから。

私らのような、職人仕事は、費用だけでの比べ様など無意味ですし、

私は自分を安売りする気持ちはありません。

奉仕の心を強く持つことを、肝に命じていますが、

歯科の品格を貶める行いは、私も歳から云えば先人の域に入っています。

後進のために、確りと立たねばと思っていますので。

職人共通の性

昨日の最後の患者さんは、初診の方でした。

歯でお困りの方は大勢に居られます。

但し、そのお困りの程度は様々で、世の中には追い詰められる想いに至るまで

歯で深刻に悩まれて居られる方も多いのです。

このような時に、私は自身の出番だと思っています。

昨夜、娘たちとテレビを観ていました。

私にしては珍しい光景です。

私の興味を惹いたこの番組は、所謂モンスターペアレンツものでした。

次から次へと再現される、その無理難題振りに、教師にたいして同情の念を隠せませんでした。

私の診療所の特性から、このような重傷者は経験していませんが、

それでも長い間には、心傷つく想いや腹のたつ機会もあったのは事実です。

このような患者さんは、自身が無理を言っている自覚がないので、

コミュニケーションの方法がありません。

私は名医ではないということを強調して、他所でご自分の望む方法での治療を

お受けになられるように仕向けます。

特に私のこれは欠点かもしれません。

歯の治療を軽く扱われる方や、素人の即席知識での治療に対する要望を強く求められる方を

私は強い拒絶感を覚えます。

逆に、歯の大切さを強く自覚され、治療に協力的な姿勢を感じる場合には

人肌脱ごう!と、強い男気を発揮するのです。

どうもこれは、職人共通の性の様です。

昨日の初診の患者さんのように、

私に対して直球の姿勢で向き合って下さった時に、

私は腕が鳴る想いがします。

本音の処

東京都心で開業の若手の先生が、悩みに悩んで、

カール.ツァイスの顕微鏡を購入するかしまいかと、この数ヵ月は振り子のような心情が

伝わってきて、私の若い頃を思い出していたのです。

ー 銀行で借金して月々の支払いが幾らなんですが、先生、どうしましょう? ー

背中をグッと押してあげました。

都内に歯科医の数は数多と在れども、この先生程に情熱のある若い歯科医は居らんでしょう。

良い質の診察が出来るための出費が、すぐに収入に繋がる訳ではありません。

生活を切り詰めて、必要な道具を購入して、それを大切に大切に使い込んで

自分の身体の一部にするのが職人の日々のたしなみであります。

もっと、もっと上手になりたいという情熱は、

職人仕事には必須の条件です。

かく云う私も、お金には随分と苦労しました。

皆さんは信じられないと思われるでしょう。

私は治療に関しては、信念を曲げません。

長持ちさせるためには、どうする、こうするのノウハウは既に持ち合わせています。

ですから、遠くから皆さんがお越しになられるのだと思います。

先の東北大震災の年には、私の診療所の収入は大きく落ち込みました。

恐らく前年比比で7割り減少だっとと思います。

なぜか?って、ですか。

私の診療所の患者さんは、香川周辺に依存していないからです。

この年は苦しかったです。

この年に、勤務し始めた女性スタッフは、

完全に私をバカにしていましたね。

何故なら、この人には職人気質なり、医療人の誇りの欠片も理解出来ない、

ただお金が儲かることがスゴいことと云う価値観を持っている人だったからです。

最近の法律では、一度雇ったらなかなか首にできません。

ですから、グッとその面でも辛抱しました。

但し今になって自分でも感心しますのは、

幾らお金が苦しくても、どんなにお金に詰んでいても、

私は絶対に治療の質は安定させて、余計に知識の向上に努めて、金に走る行いはしませんでした。

他所では手が付けられない難しい症例の最後の砦でありたいという信念がありましたから。

今は、スタッフにも恵まれて、患者さんにも恵まれて、ありがたいと思っています。

スタッフの中に、一人でも腐った林檎が居れば、腐りは伝染します。

スタッフ教育という概念も確かにありますが、

最終的には、その人の能力なり適性がありますから、

全く向いていない人を幾ら必死で教育しても結果は見えていると思います。

但し、私ら自身の問題は、自分自身で幾らでも努力する事、我満、辛抱することで

解決できるのですから、ひたすら耐えることが肝要だと思います。

この若手の先生が、腕を研いて歯科を通じての社会貢献して下さる姿を

暖かい眼差しで見ています。

心穏やかに

娘のベッドに横たわって読書中の私に、

横で机の整頓しながらの長女の台詞は、

ー パパ、あの人って誰だったっけ? ー

???

あの人って言われても判る筈もなく、

ー ホラ!あの海賊の映画に出ている男の人! ー

! あれかい?ジョニー.デップか?

ー そうそう!あの人ってパパと同じ歳なんだって!全然違うわ! ー

そんなことは当たり前じゃい!

アッチは見掛けで稼ぐハリウッドのスターやないかい!

つくずく大きくなったなと、娘の顔を想わず見向いてしまいました。

夜中、ハッと目が覚めると、

この娘が横で眠って夢の最中であるような。

こうして一緒に寝てくれるのも、あと僅かであろうから、

ありがたいと、娘の布団をかけ直したる私です。

最近は仕事に追われています。

今から治療に取り掛かる患者さんも多く、

治療方法の決定や下準備の治療に追われています。

噛み合わせが壊れてしまった患者さんが多く、

仮の入れ歯や、歯茎の手術で下ごしらえをして、

ある時期になったらインプラントの手術や入れ歯造りへ

本格的に取りかかります。

私の診療所は、1日に診察できる患者さんの数は、それこそ少いのですが、

実際に治療する側の私らは、戦争の如く、する事満載でと云った処でしょう。

ですから、犬の表情や娘たちのお陰で、

心穏やかに過ごせています。

ワクワク気分

午後に、思いがけなく時間が出来て、

雨のなか、上の娘と傘を並べてみずほ銀行へと

向かったのです。

娘はルンルン気分です。

宝くじを買っておいたのをスッカリ忘れていました。

ー パパ!当たったらどうする! ー

ー たぶん気絶するからお願いな! ー

てな具合で、けっこうワクワク気分に浸ったのです。

何時も仕事ばかり、犬の世話ばかりで、娘たちと一緒に笑うってなこと忘れていたように思います。

思いがけない余裕って、大切だと実感したのです。

つかの間の

昨夜は明け方近くまで起きていたせいか、

疲れが残っているのを感じます。

この程度でと、歳を実感せざるを得ないのです。

今年は台風の当たり年でしょう。

街路樹が大きく揺れて、街道に風にて引きちぎられた銀杏の葉が、

アチコチと貼り付いています。

昼時になると、マリリンの小用をと、

診療所近くを彷徨くのを常としています。

風になびく金色のたてがみに、

あまりの眩しい様に、

若き命の伊吹に感動するのです。

有り余るエネルギーを一杯に体内に凝集させて、

颯爽と、私の後を駆けるマリリンに私もまでが

大きな力を与えて貰っているように思えます。

そろそろお昼からの患者さんがお越しになられる頃です。

準備に入りましょう。

ポリシー

歯科医院が増えすぎて、何処もかしこも患者さんを集めるのに四苦八苦している様は、

この処、診療所へと送られてくる業者からのダイレクトメールが、

学問関係ではなく、患者集客セミナー!と唱ったモノばかりからも容易に想像が出来ます。

嘆かわしく、愚かな時代になったモノです。

人と関わる仕事です。

血が通いあった温かみが必要だと思っています。

サービスの提供と云われてしまえば、返す言葉はありませんが、

私は患者さんとは、通り一辺の付き合いだけで終わらせたくはありません。

そもそも患者さんの口の中のモノすべて、患者さんもモノではありますが、

その隅から隅々まで私は、当の所有者である患者さんよりも知り尽くしているくらいに

読み込みしている自負を持っています。

誠にありがたいことに、この不況の最中に、大勢に新しい患者さんに恵まれています。

治療の時の手を動かす時だけが、歯科医の仕事ではありません。

患者さんからの資料や検査結果を前に、

どのようにしたら喜んで下さり、歯科の価値を認めて下さるのかと、

治療方法の選択に四苦八苦しています。

いっぱい治療の方法があり過ぎて、

実際に治療に入る瞬間まで、実は悩んでいるのです。

私らを、さも床屋のように扱い、この辺りの髪を短めに!的な注文をつけるお方も

ごく珠に居られます。

ついでのような感じで、治療を臨んでこられるお方も、これまたごく稀に居られます。

人の大切な身体に対して、不敬の念で触れることはできません。

一度、傷をついた歯は、自己再生能力はありません。

親からの頂いた歯です。

そのあたりを私は重きを於いて全ての組み立てをしています。

患者さんも、そのあたりに共感して下さる方が私の大切な財産であると思っています。

さぁ、頑張るぞ!

昨日の日曜日は、まる1日中、つまり土曜の夜から今朝までズーと、

睡眠薬の力をかりて眠り、起きては薬を飲んで再び眠るの繰り返しでした。

趣味がある訳でもなく、歯科以外に何かしらの興味挽かれるものもなくで、

長い間過ごしてきました。

特に私のように突っ張って生きてきた無頼の男は、他人と群れようにも其れが苦痛の種となり、

歳不相応の家族はまるで宇宙人の如し。

テレビでも、不幸過ぎ報道の連続に目を反らし耳を被いたくなるものばかりが連日のように。

何もかもがバカらしく思へ、忠実で誠実なのはお前だけだと、

一時も私の身体から放れないマリリンの頭を撫でながら、

床に就いていたのです。

こういう時の私、このような状況での私は、大変機嫌が悪いのです。

生きていく上で味わう不条理などは散々、味わってきましたから、

それはそれで交わしてゆく術は心得ています。

ヤってられねぇ!という心情に在ると云った処でしょう。

それにしても、よく寝たもんです。

私らに出来る気分転換って、こんなもんです。

さぁ、今週も新しい患者さんが大勢入っています。

歯の仕事だけが、そのまま結果としてキチンと帰ってきると感じています。

また、起きて、頑張るのみです。