日別アーカイブ: 2015年10月8日

ヤルセナイ想い

ヤッパリ悲しいですね。

だって、私が学生時代には歯学部の学生は一目置かれていましたから。

歯科黄金の時代でしたから、予備校の成果を誇る垂れ幕には、

今は歯学部だけが抜け落ちましたが、一流大学のなかに確りと歯学部はありましたから。

今では、なんという偏差値の低さ!

このような歯科不人気の根本の原因は、私ら以上の年齢の歯科医にあるんですよ。

マトモな価値観なく、患者さんの歯を削っていましたから。

で、今では歯が骨に変わってですか。

情けないですよ。

悲しいですよ。

良い仕事であるのに。

役所には、もっと厳しく開業医の監視と指導を厳しきしてもらって、

皆で衿を正して、次の世代にバトンタッチしてやらないと!

ターニングポイント

DSC_0012ふとしたキッカケにて、人がまったく変わるという話を耳にしたことがあると思います。

兎に角、学生時代には阿呆の見本のようであった私です。

10年ほど前のことになりますか?

突然、母校で出世されていた1年後輩の先生から診療所へと電話を頂きました。

この先生とは、私は学生時代には全く喋った機会はありません。

彼は優等生。

私は劣等生の代表でしたので。

ー 当時の三枝さんは恐かったですよ。下手なこと言ったらぶん殴られそうで ー

ホウホウと、聞きながら、それは今も変わらんで!と内心でと。

私が医局を辞める際に、教授をぶん殴って吹っ飛ばした話は今も伝わる武勇伝に、

私が大学の廊下を歩いていると古くからいる医員は、廊下を開けて横に寄りますから。

で、どうも私がどっかで喋っていた講演を聞く機会があったんだそうです。

壇上の私と、昔の私がなかなか一致せず、

彼の中で??????

何処でどうなって突然変異したのか!と。

その確認の電話だったようです。

彼は藤井一維教授です。

話をして、スッカリ私は彼のファンになりました。

これほど迄に母校愛に満ちた教官を私は知りません。

私に言わせれば、私にぶん殴られたヤツは、教官の資格など微塵もなく、

紳士道に外れた外道のような屑。

藤井教授は後輩ではありますが、私は彼を尊敬しています。

ー 人は変われば変わるもんですね~ ー

と、藤井先生からショッチュウ言われますが。

私は、たった1冊の1つの記事を見て仰け反るほどに驚きました。

こんな歯医者になりたいんだ!

人生って、こんなモンなんですよ。

歯の声

スタッフの宮田君の矯正治療も終了し、

噛み合わせの最終診断も、最後の段階に入っています。

上の前歯の2本は、既に内藤正裕先生の処の氏神技工士の造った仮歯を装着しました。

その際に????

歯の声が聞こえるのです。

近所の歯科医は、歯の声が聞こえるという三枝はキチガイだ!歯が喋る筈はない!

と、アチコチで吹聴しているそうですが。

歯医者で歯を被せたら、歯茎が炎症を起こしたり、黒ずんで!と言った話を聞いたことはありませんか?

この原因は、歯の材質ではなく、歯医者の腕が悪いからです。

仮の歯を入れてみて、初めて判ることも多いんです。

ただし、それこそ他の歯科医や歯科技工士が見ても完成品だと勘違いする程の完成度の高い仮歯での話です。

で、宮田君の歯が、泣いてるんです。

このままで、人工の歯を入れられたら骨と歯茎が壊れてしまう!と。

いくらなんでも私独りで、手術までは出来ません。

そこで明日は、宮田君の同級生の歯科衛生士さんにお願いしてアシスタントを勤めて頂き、

宮田君の歯茎の手術を行うことになりました。

宮田君が私の年になる頃には、私は死んでこの世には居らんでしょう。

ヤッパリ三枝の治療は長持ちするんだと、その時に思い出して俺に感謝せぃ!と、

寡黙な人ですが、ニコッと笑って、明日は宜しくお願い致しますと言って帰って行きました。

照れ臭いので、宮田君が帰ってから、真剣に宮田君の模型を眺めて、

手術の切開ラインの最後の確認に入る処です。

楽しい仕事

出入りの業者の方から、

ー 先生の処は、よくもまぁ!大きな症例ばかりで! ー

というお言葉を頂戴します。

私もそう思います。

大きな症例というのは、言葉を変えれば、

噛み合わせもメチャクチャに!

歯のない処もほとんどで!

どう手をつけて善いのかサッパリ判らない!

という症例を言います。

魚釣りに行った際に、糸が縺れてグチャグチャ!という経験もお在りだろうと思います。

気を長くして、よーく視て、丁寧に向かい合えば、必ず何とかなるもんです。

患者さんを励ましながら、患者さんも私に応えて下さり確りと歯磨きに気をつけて下さり、

一緒になって治療の取り組んでいます。

インプラントの種類がヤタラと多いのも、

患者さんに合ったモノを使って差し上げたい!

予算的に辛んどいならば、一級品とは言えなくても、そこは技術でカバーして差し上げようと思うからです。

私は開業医なんです。

開業医ってのは、遊び方の知らない阿呆な金儲けの亡者も多いですが、

本来は、患者さんに寄り添う存在だと思います。

高価なコンピューター仕掛けのセレックシステムは優れた考え方です。

が、歯のオタクを自認する私でさえも、この機械で満足する結果は出せません。

細心の注意を払っての操作でも、こうですから、日常の中では未だ発展途上だと考えます。

シロナ社の技術は素晴らしいですから、これを足掛かりに必ず将来的には

歯科技工士を凌駕するモノを造れる機械を世に出すでしょう。

大がかりな症例で疲れた頭を癒してくれる、

手だけが勝手に動いてなしてくれる虫歯の治療やダイレクトボンディング種類は私の癒しとなっています。

今日のもう1つのブログである【歯の話】に、

昨日のダイレクトボンディングの1例を紹介しました。

楽しんでやってます。

気づき

仕事は忙しい処に集中すると言われます。

成る程!と、想わざるを得ません。

只、黙って何の準備をしていない訳ではありません。

昨夜もテレビの前で寛ぐ娘たちの横で、一緒に眺めながらテーブルの上に新聞紙をひいて

石膏棒を歯の形に彫刻するという娘たちにとっては父親の日常は、

然程に珍しい光景ではないでしょう。

実験室との行き来も、これまた娘たちにとっては、父親の日常です。

決めたことは必ず最後までやり通す!

若い時分に随分と生半可な生き方をした事をよーく判っている故に、

歯の仕事では、絶対に後悔はしないと決意して過ごせました。

気付く時は必ず来ます。DSC_0031