日別アーカイブ: 2015年10月14日

ヤンチャ坊の強味

夕方近くに、院長室のドアをノックして、スタッフの宮田君が顔の半分ほど覗かせて

ー 明日の夕方の手術はどの様に? ー

と、因みに宮田君は大きな犬が恐いんです。

ー うーん? 明日まで待ってくれんか?考えはマトマッテいるんだけど。

イメージしても、実際は状況に依って手が勝手に動いてくれるんでね。

準備が大変で、すまんね❗ ー

というシチュエーションはしばしばです。

手術の道具程に多いもんはありません。

予め既に滅菌して其々を滅菌パックに準備していますが。

もう一度、手術日に、繰り返して滅菌を再度行っているのを常としています。

綺麗で清潔な手術して差し上げたいですから。

で、実際に手術に入って仕舞うと、

恐らく私はラリってるんだと思います。

こうした方が良い!

コッチのルートを選択しよう。

手が勝手に動いてくれるんでね。

その私の判断の変化に、手術アシスタントは適時、適格な道具を直ちに私の掌に置くことが要求されます。

大変な仕事だと思います。私の子守は。

既に若いとは、言い訳の出来ない年頃の歯科医が自身のHPにて、

YouTubeを利用しての、様々な持論をご披露されて居られるのを目にする機会がありました。

優等生なんでしょうね?私とは違って。

頭も堅いんでしょう。

もっと歯ってヤンチャ坊主なのに、そんなんじゃ歯は窮屈だろうにと、

つい、笑みが溢れました。

観れば、確りモンのカアチャンが気合いを入れて、堅物の融通の利かない父ちゃん先生を支えているのが判ります。

このカアチャン、担ぐ相手が違ったならば、もっと羽ばたけるのに残念だ❗などと想いながら、

私らの仕事は職人仕事。

理屈より、生きたモノを相手にしてるという不確実さに面白味があるんですが。

最近は、此処からの転院されてお越しになられる患者さんも多く、

つくづく想うんです。

私は若い時分には、使ったお金を額を自慢できますよ。

ー 宵越しの金は持たねぇんだ❗ ー

みたいな処から、無駄が私を育ててくれました。

この先生、学生時代から、恐らく生活を切り詰めて貯金する方の口なんでしょうね。

仕事に大切なのは、遊び心。楽しんで仕事せねば❗

HPの問合せフォーム

HPを作って頂く際に、制作者に丸太投げでした。

HPの専門家でもない私が、脇からごちゃごちゃと口を出してはヤりにくいだろうと思ったからです。

専門家にも色々いらっしゃいますが、

依頼する際に、吟味して相手を選んだ上でのことは言うまでもありません。

HPというモンは、あくまでも私からの一方通行の情報発信でしかありません。

観た方が、其れをどの様に感じるのかは、其々の感性なり価値観の違いから変わって当然だと思います。

折角のHPです。

コミュニケーションツールとして利用して頂けることは、誠に喜ばしいことです。

私ら医療人は、人のお役にたつために生きています。

歯の判らないことを聞きたい時には、遠慮為さらずにご利用下さい。

歯が悪くなる前に、予防の範囲で済むのが一番ですし、

歯医者の餌食になって欲しくはありません。

私は、出来ないこと、してはならないことはハッキリ言う質です。

歯に関心を持って頂けることが、私らに出来る第一歩なのです。

誠実に素直な心持ちで身体と向き合う必要があるのでは

最近になって通われる様になった同い歳位の女性の患者さんを診察していました。

大変お気の毒なことに、上の歯は殆んど残っていません。

ほんの少し残った壊れたセラミックで処置の為された前の歯は、

いつ抜け落ちるか判らない程にグラグラしています。

下の奥歯も既に無く、前歯は根管治療の限界程度の大きな病巣を持っています。

上の治療は総入れ歯にて、

下の奥歯の治療はインプラント治療のための前準備としての

骨の厚さを大きくする手術を既に終わり、

現在、インプラントを入れる時期を待っている段階です。

今は、その待ち期間を利用して、

上の総入れ歯のデザイン、例えばどのような形の人工歯を、どのようにして列べようか?

上唇の張り具合は?

ほうれい線の形はどうなるのか?

横顔はどうか?

等など、仮の土台に手を加えて、あれやこれや試行錯誤の最中です。

こういう事は、一回では解決出来ませんから、

毎度毎度、少しずつ手を加えていきます。

で、次回からは下の前歯の根管治療に入る予定です。

治療の後で、その日の治療の説明と、次回の予定などを

お伝えしています。

このお気の毒な悲惨な状況から速く、脱出させて差し上げたいと、

私の方が、ハヤル気持ちで一杯です。

骨の治癒には栄養補給は大切です。

が、食べられる状況に無いのもよーく判り、

ー 一体、どうやって食べてるんですか? ー

と、此方が聞く始末です。

つい、

ー 私にも小さい娘がおります。いずれ年月が経つと○○さんと同じ歳に同じになる訳で、

其れを想うと‼ ○○さんにも私の娘みたいな時もあった筈です。

親御さんが、どれ程大切な想いで育て上げたのかを考えると、ウカツな事は出来ません!

どうぞ頑張って、時期を待ってください。

野菜はミキサーでジュースにして、牛乳も最近は加工されて成分が薄いですから、

イリコをミキサーでクラッシュしてでも、食物で栄養分を入れてください。ー

こんなボロボロの歯になったのは、患者さんのせいだけではありません。

口こそ出せませんが、拙い技術の行った末であることは間違いない事実です。

頑張って居られる姿に、目頭が熱くなりながら歯に向き合っていました。