日別アーカイブ: 2015年10月16日

白衣

歯医者に成りたくて、この道に進んだので、今でも白衣に初めて手を通した時の嬉しさと、照れ臭さを

自分で自分の表情が手に取るように覚えていて懐かしく想うのです。

大学1年の教養課程での生物学実習の時が、私の白衣の第一歩でした。

友人たちと互いを見比べあっていたのが懐かしい。

5年生の夏休み明けから、病院での研修が始まり、

当時、登院服と呼ばれたブルーのハイネックの半袖の歯医者らしい白衣を前にして

何故か誇らしい気持ちになりました。

当時キャンパス内では、登院生は他の学年の学生とは違った意味で憧れの眼差しで扱われていたからです。

医局に入ってからは、其々の医局で白衣の種類も違っていて、それはそれで又、あぁ歯医者になったんだ!という

肩を張った気持ちになったモンです。

開業してからも随分と長い間、デザイン様々な白衣を着ていましたが、

15年ほど前から、突然、白衣を着ることに拒絶の気持ちを持つようになりました。

訳は判りません。

その頃からポロシャツであったり、ボタンダウンのシャツであったり、

で、結局行き着いたのは、ネクタイにスリーピースのベストというイデタチです。

私らの仕事は、凛とした態度で、常に紳士でなければならないという気持ちの顕れが

その大きな理由だったと思います。

心に白衣を着てんだよ!と、白衣を着ない歯医者の私に、その訳を聞いてくる人には

そんなキザな台詞で返していました。

この夏前から、再び私は白衣を着るようになりました。

ー あらっ!先生、白衣なんか着てどうしたの?歯医者さんみたい! ー

と、患者さんたちから驚かれたり、からかわれたり。

ヤッパリ私は、この歯の仕事が好きです。

歯医者になってから今に至るまでの時間は、私にはもう残されてはいないでしょう。

原点に立ち返って、一兵卒の昔に戻った新鮮な心で、素直に歯の仕事に向き合いたいと思います。

職人仕事

最近は女性が強くなりました。

と言うよりも、男が弱くなったことが、その様に見えるのでしょう。

インターネットの普及により、私のようなナマケモノでさえも、

タブレットで、簡単に映画を視聴できるようになりました。

読書でさえも、疲れる時があります。

文章からのイマジネーションが読書の醍醐味ですが、その頭を使う事さえも、

当の脳ミソが拒絶する時もあります。

そのような時に、私は好んで、このインターネットのサービスを利用しています。

視聴の途中で所用が出来れば、一時停止出きるのも、私にとってはありがたい機能です。

昭和の初め頃までの映画での一般家庭での過ごしように、

あぁ!コレが昔ながらの日本であったのにと、感じるのは既に私が時代遅れの人間である証しだと

しみじみ感じるのです。

男には、男の世界があり、その境界からは決して女性は踏み込んではならないと言う不文律があったのですが。

時代と共に、常識は変わっていくものです。

変わっていくという定かでない、不確かなモノを、あたかも物事の確固たる規準の如く、

強制されることに、偏屈者の私からしてみれば、大いに反発を覚えるのです。

医療においては、技術の面に於いては進歩し続けて変わっていくことが社会福祉の貢献になりますが、

心の面に於いて、それは患者さんや同僚、部下に対する労りの気持ちなり、

技術者としての心構えなどは、決して時代に左右されるべきではない大きな巌のようなモンだと確信しているのですが。

私が自分の信念だけで解決出来る性質の仕事以外に関して、

所謂、社交的な立場を採らない訳は、やはり私が偏屈者である証しであるのか、

はたまた自分の時代との大きな考え方の差異に傷つくことが恐いからなのか。

歯科の仕事を職人仕事と断言する私ですから、

職人は目の前の芸事にだけ向き合えば良いんだと思っているからなのか。

職人は男の仕事の花形であると、またその様な偏見を持つ私ですから、

男が弱くなった今、職人も確実に減ってゆくことは間違いない事実でしょう。

患者快適!私も嬉しい!

多くの歯科医院のホームページを閲覧しても、

本当に上手なのか?どうか?専門家の私でさえも、よく判りません。

判らないまま、院長の所属学会や出身大学などで、恐らく素人の方は判断?というよりも、

バクチを打つような心持ちで、歯科医院に予約の電話を先ずは勇気を出してしてるんだとおもいます。

恐らく、コレが事実でしょう。

かく言う私の診療所のホームページでさえも、観る方の目線に立つと判らないことだらけですから。

やはり自分で足を運んで確かめてみることが一番なのでしょう。

特にインプラント治療は、上手いか下手かは素人目には判りにくく、

一応、下手は下手なりに、動かない人工の歯は入りますから、

患者さんの側でも当面は噛めるし、する方の歯科医も当面は患者さんに対して顔はたつので

自分の技術の未熟さに気付かないで済む訳です。

それが、入れ歯となると、そうは問屋が卸してはくれません。

出来たはなから、痛い、噛めない、ガタガタ動く、モノが挟まるという

歯科医にしてみれば、自分の技術の未熟さから生じる、様々な耳障りの悪い言葉を聞かされる羽目となるわけです。

それで一大奮起して、精進の道に入る歯科医ならば立派ですが、人間という生き物は弱いモンなんでしょうね。

また、ダイレクトボンディング修復となれば、もっと話は厄介となり、

入れ歯のように、歯科技工士の手をまったく借りないので、

すべてが歯科医の技術の総結集となって現れてきます。

今日も手術をはさんでの前後に、ダイレクトボンディング修復の患者さんが入っています。

ダイレクトボンディング修復は、私にしてみれば、自分に対する自己評価の良い機会だと思い、

治療の最中は、楽しくて楽しくて、遊ばして頂いて、ありがとうという気持ちで一杯です。

そんなこんなで、先のブログでの入れ歯の大家の言葉ではありませんが、

患者快適!私も嬉しい!と言った日々を過ごしています。