びっくりするかもしれません。
ゴールデンリトリバーのマリリンの3倍の大きさにまで巨大化したヒグマのような平蔵です。
が、心は優しいのですが、食べ物に関する興味は私の歯科への其れより大きいかもしれません。
小学1年の末の娘との一時です。
育った環境なんでしょうか?
娘にとっては、平蔵も子犬と変わらない様です。
平蔵の名の由来。
【鬼の平蔵】こと、長谷川平蔵からである事は言うまでもありません。
マリリンも随分と大人になりました。
毎朝、診療所へと出勤するモンだと信じているようです。
スーツに着替えて、お仏壇に一礼し、靴を履く所作に至った時には既に玄関口にて控えています。
で、玄関口を開けるや否や、車の後部座席へと一目散に駆け走り、
診療所へと着くと、これまた院長室へとの決まりきった行動パターンは、
飼い主である私のモノと全く同じです。
患者さんの合間に私は自室へと戻り、医者にあるまじき行為である葉巻で一服で一息つくのですが、
大きなソファでふんぞりかえるのがマリリンの仕事であるようですが、
私が椅子に座った瞬間に、
ソファから駆け降り、デスクを廻って私の直ぐ脇へと。
座面の角に顎を載せて、頬を私の膝頭にピタリとクッツケて、
鼻を撫でろと、これも自分の仕事の1つであるかのように。
多くの犬に囲まれて暮らしている私ですが、
この犬だけが別格であるのは、私の人間が出来ていない証拠だと反省しています。
が、マリリンは私の仕事に随分と貢献しています。
癒され、疲れをとってくれて、私は再び戦場へと戻れるのですから。
古代ギリシャの時代には、神事と医学の境目が不明瞭だった事は衆目の一致する処です。
あの高度な文明を誇った当事の科学でさえも、今では到底、科学と呼べる代物ではありません。
日夜進歩するのが科学です。
今の最先端も、時間の経過によって古びたものとなる定めです。
彼の時代に生きた人物のなかで、
私たちに馴染みの深いのはヒポクラテスでしょう。
彼の名にちなんだヒポクラテスの誓いは余りにも有名です。
この誓いは、多くの時を経た今でも、私たちの拠となっていることに疑いの余地はありません。
が、当時ヒポクラテスは老人の定義を56歳以上としていたようです。
何故にその様なたわいもない話しをするのかと云うと、
大学出たてのOL時代からの患者さんである○○さんの診察にて、
多くの時の流れを感じたのです。
粘膜にフォーダイズ斑を認めて、
あぁ、この方も我々と同じジャンルに入ったのだと。
長い間の患者さんから多くの事を学ばせて頂き、
患者さんに育てて頂いたと、正直に言わざるを得ず、
日々を患者さんに感謝して過ごしています。
開業歯科医と言う仕事は、ホンに面白いものです。
大学の敷地内では禁煙であることから、手持ち無沙汰な時はワザワザ、車を出して少しばかり走った処の古本屋へと出掛けるのです。
で、一番に向かうのは【医学】と表記されたる一角で、
大して期待もしていないのですが、ナンゾ掘り出し物でもあるか?との淡い期待が無いわけでもありません。
時に、書棚に学長の名を見つけると、持ち込んだ輩に対して不敬罪な奴だと、
つい買い物籠の中へと著作を入れてしまう私です。
歯科医学の歴史と言う学長の著作は、大変面白く拝読させて頂きました。
歯科医院と言う名称を初めて使ったのが、日本歯科大学の創立者である中原市五郎先生であることや、
今では当たり前の口腔内粘膜の切開ですが、明治の時代には、歯科医が口の中の粘膜に切開をいれることは出来なかったこと。
歯科医の職域を拡大する事に、中原市五郎が奔走したことなど、
面白かったですよ。
それに比べれば、今の時代の人間は弱くなったと、つくづく感じるのは私だけでしょうか?