月別アーカイブ: 2015年12月

考えさせられる昨今

昨日でしたかね?

30代のお母様が、抱っこ紐って云うんですか?

赤ちゃんは可愛いですよ!

胸元に首からぶら下げた赤ちゃんと一緒に、

定期検査と、

虫歯らしきモノがあるんです!って仰られて、

お越しになったんですが。

私の診療所は、患者さん同志がすれ違って

お顔が会うような機会がないような造りになってるんですが、

運が良いのか悪いのか、

その患者さんと、別の患者さんが一瞬ではありますが、

ニアミス!

私はこういう性格ですから、

ー   赤ちゃんは誰かに観て貰ってからお越しになって   ー

と、はっきり申し上げました。

私も6人の子持ちです。

今でも振り付きで童謡を歌えます。

お孫さんの治療の際、

チビッ子から

ー   しぇんしぇいの注射は痛くない!  ー

との、嬉しいお誉めの言葉に

ー   そうだろ~!うまいだろう! ー

私は治療するとなれば相手が2歳児童だろうが3歳児童だろうが、

紳士淑女に対するタシナミで対応しています。

ー    ホレホレ!痛くないよ!あ~ん! ー

てなことはしません。

子供は利発です。

時と場合を良く判っているもんです。

お子さんを同伴で連れて来られても構わないのですが、

ご本なり玩具で、お利口に待っていられると云うのが条件です。

治療の横で、ソファの枕が宙を舞った事がありました。

気が散るわ、モノが落ちるわ、

あー!このマットの値段知ってるんやろか?

私の診療所の家具はアンティークですから。

数十万円のプレミアムのついたアルファロメオのミニカーを

ボキンと壊された事もありました。

怒っても仕方ないのでというよりも、茫然自失でしたが。

無論、アルフェスタの方以外の方が、

そのプレミアムさを知る訳もなく。

頂いた治療費の数十倍の損失額でしたが、

其れは自然と何事もなく流して対応しましたが。

このような方のおつむの中は凡そ以下のような考えでした。

1.託児所に預けるのは可愛そうで嫌だ

2.知り合いには急に頼めない

3.一緒に連れて行けば何とかなるだとう

私の考えはこうです。

診療台を倒すと、赤ちゃんはお母様の胸の上にうつ伏せになり、

苦しい筈です。また動いて落ちたら頭を床にぶつける危険性があります。

赤ちゃんの真横には、危ない尖った機材があり、

触れたら怪我をするかもしれません。

私の前で赤ちゃんの顔が正面にきますし、ゴソゴソしますので、

診療に集中できません。

静かな雰囲気で診療所の環境を造っていますが、

患者さんに見せていない処では、

レストランの正に厨房のような忙しさです。

すれ違ったご婦人は、

ー   ありえない! ー

当のご本人は、

ー  何故、いけないこと?  ー

キョトンとした表情に、私の方が戸惑ってしまいました。

色々な常識ってあるんでしょうが。

相も変わらず

一応、既に年末年始の休暇に入っているのですが、

こういう時に、患者さんは不安な気持ちになるのでしょう。

毎日、携帯電話がなりますので。

で、私なんか家にいても粗大ゴミみたいなもんですから、

毎日、診療所で診察するという何時もの生活を過ごしています。

但し、受け付け、アシスタントなしの独り診療、会計、次回の予約から

処方、洗い物から滅菌処理に掃除。

まぁ、独り営業の鮨屋の親父になった気持ちで、

ゴシゴシ勤しんでいます。

日本人は、ヤッパリ働かんとね!

今年も完全燃焼

他人からは、好きな仕事が出来て幸せですねと言われます。

そうかもしれません。

一生懸命に、エンジンをフル回転させてひたすら走ってきました。

これは神仏、そして私に身を委せて下さる患者さんへの感謝の気持ちと、

プロフェッショナルとしてのプライドからです。

が、個人としての私を、霊体離脱でもして

客観的に眺めれば、

本当の幸せって何なんでしょうか?

人並みの趣味もありません。

心癒やされるのは、犬の頭を撫でてやる程度のことです。

常に心は【常在戦場】の心構えで、

野性動物のような緊張感に身を置いてきました。

上を観ても、下を観てもキリは在りませんから、

コンナモンダと、言い聞かせるしかないのでしょう。

お陰さまで、今年も診療できる日々を過ごせましたことに、

ここに心から御礼申し上げます。

来年も、一層、私は歯医者の中の歯医者であり続ける努力を惜しみません。

皆さん、良い新年をお迎えください。

今年は、本当にありがとう。

 

 

年末ジャンボ

判っちゃいるんですが、つい買ってしまうのです。

その時の気恥ずかしいったらありませんが。

でも、娘と二人して、

期待に大きく胸を膨らませて。

で、帰り道に

ー   パパ!当たったらどうする!  ー

鼻の孔を大きく膨らませ、両の手を胸に押し当てる娘。

ー   倒れるやろな  ー

ー   倒れてどうするの! ー

と、真剣に父を責める娘。

元旦の朝、二人して、朝刊を前に

大きなため息をつくのが、

毎年の恒例行事となりました。

焦った!

私はインプラントの在庫は殆ど持ち合わせていません。

高額な在庫は、経営を圧迫するからです。

トヨタ方式で、必要な時に必要な数だけオーダーするようにしています。

流通の発達した昨今です。

今日オーダーすれば、明日には手元に届きますので。

診断の際に、ドンピシャでインプラントのサイズが判断できますので、

使用するインプラントのサイズ前後のモノを準備する必要は

私にはありません。

で、28日に使用するインプラントをオーダーしようと、

メーカーに電話すると、

なんと!今年の営業は終了したと云うではありませんか!

ヤバい!

即座にメーカーの役員 の携帯電話へと。

良かった!

こう言う時に、人間関係がモノを云うんです。

と、焦るスタッフに偉そうな口をきく私です。

手術の方法がアレコレ在って、

最後の最後まで、私は決めかねるのです。

で、オーダーしてからも、

また、其れは其れで、

メスの入れ方等など、アレコレ悩みは尽きないのです。

クリスマスの朝に

上の娘は小学5年生にもなるのですが、

未だにサンタクロースがトナカイに乗って、

遥々、北欧から夜中にプレゼントを持ってと、

信じて疑っていないのです。

笑っちゃいマスよね。

夕食前に入浴を済ませてサッサと布団への娘です。

今年こそはサンタクロースの姿をソッと観てやろうと

鼻息荒い娘でしたが、

すぐに爆睡してしまいました。

笑っちゃいマスよね。

朝早くから、娘の部屋からゴソゴソと音が聞こえてきました。

ー  パパ!見て見て!サンタさん!なんで欲しいもの知ってるんやろ  ー

当たり前やないかと、吹き出しそうになりました。

今日から冬休みです。

ー   一緒に診療所へ行こうかね?  ー

ー   ウウン!今日はお留守番しておくわ  ー

ー  御飯はどうする? ー

ー  自分でできるから、もう大きいから大丈夫! ー

ー  今日のラストは東京からの患者さんだから遅くなるけど ー

ー  大丈夫!気を付けて!出来るだけ早く帰ってね  ー

イヤハヤ、口だけは一人前なのに参りました。

患者さんの笑顔

診療の合間で、大阪と高松間のとんぼ返り。

明日の夜も徳島。

忙しいに尽きます。

一昨日、高知市からお越しになられた患者さんの、

治療が終わってからの喜ぶお顔に、

私までも、とてもとても嬉しい気持ちになりました。

ダイレクトボンディング修復の醍醐味です。

治療の前後で、即座に変わってしまいますから。

私が毎日、石膏の棒を歯の形に削ってトレーニングに勤しむのは、

患者さんの笑顔を見たいからです。

欲張り

今年の仕事納めは28日です。

午前と午後それぞれに、手術で。

やはり今年も手術に明け暮れました。

今日も、明日も、

で、週末も手術です。

腕やら肩、腰の痛みに追われる、

仕事以外は、自分の身体の手当てばかりの1年だったと思います。

ストレッチに精をだし、温めたり、マッサージしたり。

その辺は、スポーツ選手と同じだと思います。

歯科医と聞けば、

夜な夜な、盛り場で派手な飲み方をしているンじゃないか!

週末はゴルフに興じてるんだろ!

て、思って居られる方も多いんじゃないかと。

ンな訳ありませんよ。

仕事中心で、何事も考えると、

翌日に持ち越さないようにと、

早寝早起き、其れは規則正しいもんです。

来年の自分に課したノルマ、目標も決まっています。

研究、臨床ともに

まだまだ上へ上へと

欲張りなんでしょうね。

赤玉

実業家の父上の会社にて海外赴任のバリバリのキャリアの〇〇さんも、

既に30も半ばになったとのこと。

お嬢ちゃん時代からの患者さんですから、

私からしてみれば、何時まで経っても

当時のままの積もりです。

〇〇さんも私のことを、親戚のオジチャンみたいに思って居られるのでしょう。

で、最近になってようやく結婚と云うモノを考え始めた様子。

ー   でも先生、遊ぶ人は絶対に嫌だけど、男の人って何時まで経ってもでしょ?  ー

俺に聞くなよ!と思いつつ、

チョッとカラカッテやろう!と、

いたずらっ子の私は、

ー  其れは違う!勘違い! ー

と。

ー  人間には限界ってモンがあってな! ー

ー  えー!本当ですか? ー

ー  そうだよ、一生で決まってるンや!決まった数に至ったら、

赤玉がポトンって出るンやで! ー

ー    知らんかった!  ー

内心で、

そんな事がある筈ないだろ!と、

吹き出しそうになりながら、

眉間に皺で、

もっともらしく。

歯型を採る際にも、

まだまだ何かを聞きたげな〇〇さんでした。

 

私の過去

手術が終わって、止血を待っているところです。

恐がりなのは今も変わりませんが、

幼い頃とくにその傾向が強かった私は、

怪我をして血が出た時などは、

気が遠のくばかりに脅えおののいたモノでした。

こういう性格って、環境が生まれ変わらすのでしょう。

私は今でも蛙が嫌いです。

庭の土から、親指程度の蛙が飛び出してきた時などには、

奇声を挙げて、韋駄天の如く、

家の中に逃げ帰るほどです。

大学1年生の後期になると実習が始まります。

生物学実習の際に、私は人生初の白衣を纏いました。

背伸びした心持ちを今でも覚えています。

で、実習室の教官の机の上に置いたるダンボール箱の山に、

その後で驚愕する自分などに気づく筈もなく、

ただただ白衣にご満悦の能天気な自分の表情も覚えています。

メロン程の大きさの土蛙の解剖と、

その肉を全て取り除き、

骨だけを綺麗に並べて

骨格標本を造る破目になった私は、

後には退けない想いが、

苦手を克服したのだと、

克服ではありません。

ヤらざるを得なかったと云うのが正直な処です。

今年も何百症例もの手術を執刀しました。

そんな私の過去など、誰も知る由はありません。