日別アーカイブ: 2016年1月4日

鼻垂れ小僧

若い時分から、ヤッパリ私は成長できていないのを実感するのです。

歯科医としての壁にぶち当たった時に、

相も変わらず、

師匠の内藤正裕先生に泣きつく私です。

こういうスタイルでの診療所は、

この高松市のような田舎街では勿論のこと、

大東京に於いても稀であり、

こういう物好きな変わり者は

私らくらいなものでしょう。

私の診療台のド真ん前には内藤先生の写真を掲げており、

コレが私の良心の指標であります。

この師匠との出会いが正に今日の私の座標であるのは事実ですが、

時たまに、この出会いを後悔することも反面、事実でもあります。

今日の私の悩み、苦悩は、

全て先生は過去に経験済みであるので、

これも私にとってはシャクに障るのも本音で、

何時まで経っても、

私は鼻垂れ小僧の域から逸して居ないと

我ながらナサケナイ心持ちになるのです。

 

私が料理人に憧れる訳

先のブログに認めた通り、

私らの仕事は、

治療の最中から治療終了の時は勿論のこと、

5年、10年、それ以上のズットの間に渡って、

自分自身で否応でも、

結果を突き付けられて思い知るのです。

自身の無力を味わうのです。

料理は食した瞬間に評価が出て、

その時の感動はズット脳裏に刻まれます。

良いも悪しきも、

食した瞬間の評価で決まり、

時系列的な再評価を受けることはありません。

瞬間に全てをかける芸術と言って良いでしょう。

だから私は、料理人に憧れるのです。

あぁ!歯科治療の限界を実感する

治療終了から12年ほどに経過した患者さんを

前回のメンテナンスから凡そ2年半ブリに拝見しました。

一見、見た目には全く変わっていませんし、

ご本人も全く自覚されずにお過ごしのようでした。

上下左右の奥歯には、

私自身の手によってセラミック修復を行いました。

上下の奥歯の噛み合わせは、咬合紙での印記では変化ありません。

が、!!!

前歯と奥歯の間に、微妙な隙間が出来ているのを発見!

人工の歯の摩耗と天然歯の摩耗には微妙な差が在ります。

長い期間の間に少しずつ、

歯と人工歯が磨り減っていくので、

骨が微妙な差を調整してくれるので一見、

何が生じるのか、判りませんが。

精密に造っているから故に

私らの為せる技術の限界が露見します!

辛いですよ。

こういう時に、私は患者さんに対しては正直に現状をお話ししています。

昨年の事です。

凡そ25年ぶりに、当時の上司と再会しました。

海軍士官を彷彿させるスマートなスラッとした上司の背が

丸くなって居られるのに驚きました。

かく云う私の背も、猫背になったと指摘されます。

此れは歯科医の名誉の老化だと強がりましたが、

其れなりに誠実な歯科医人生を過ごすと

確実にノートルダムのせむし男風の風貌に至ります。

私らの仕事は、伝統工芸品を造る仕事ではありません。

生涯、快適な咀嚼を営んで頂くためのお手伝いをさせて頂く仕事です。

セラミックの冠を新しく造り直すことではなく、

老化と調和した調整と、

最小の侵襲で済むように、

持てる知識をフル作動させて、

でも、こういう時にこの仕事の限界を感じるのです。

新春初治療

ドッグシッターの様な休暇を過ごしました。

其れは其れで、心穏やかな数日ではありましたが、

やはり私は、仕事に追いまくられる方が

落ち着けるのかもしれません。

今朝は早めに起床したので、

犬たちの体内時計は未だ睡眠の最中にあったのでしょうか。

神棚、お仏壇のお供えの間にも、

ベッドにて爆睡中の犬たちでした。

スーツに着替える私の所作に、

マリリンは瞬時に出勤モードのスイッチが入ったようです。

何時ものように、車へと駆け走り、

で、今は机の脇にて爆睡しています。

朝一番に、年末に緊急治療した患者さんがお越しになられるのが

私の今年の幕開けです。

大変、難しい症例です。

が、却って

その方が遣り甲斐ある1年であるような

引き締まった心持ちとなり、

いよいよと、

本来の自分に立ち返った気分です。