日別アーカイブ: 2016年2月24日

私の進み方

私が虫歯や根の治療をする際には、

必ずラバーダム防湿を行います。

感染防止を行い、無菌的治療を行うためと、

治療する環境を確りと隔離して

術野を明示するためです。

この術野の明示はとても大切な手順です。

正確な治療を行うためには、

整理整頓された環境が必須です。

料理屋の仕事場が整理整頓され、

床に微塵の埃もなく、

無論、まな板なども常に清潔さを保たねばならないのと同じです。

このような習慣は、

自然と、物事の考え方や所作に影響します。

歯科医に成り立ての頃に、

非情なまで、細かい指導を受けたことを、

今になって感謝しています。

また何事も、

自分で汗を流し、

恥をかき、

頭を叩かれ、

足をすくわれ、

其れで初めて自分の血と肉になることを

長い間を要して気がついたのです。

神様がひと皆に平等にお与えになられたモノは、

時間の長さだけです。

自分の能力の限界の中で、

より良い結果を得るためには、

限られた1日の使い方が肝要だと思います。

1度に2つや3つのことを愚痴なく向かい合う姿勢がなければ、

現状をステップアップすることなど、

虫の良い戯言でしかありません。

100に1つ、モノになれば良いくらいだと、

最初から覚悟して、

新たな事象にチャレンジする心構えが肝要です。

私ら開業医もある種の人気商売です。

結果を出すことは当然として、

患者さん満足が得られなければ、

患者さんからサッサと見切りを付けられ、

患者さんが居なくなってしまいます。

治療技術の向上だけでは、

医院の経営は成り立ちません。

と言って、

治療上、全て患者さんのリクエストに応えることが

患者さんの健康向上のためにならないと判断したならば、

丁寧に、誠実に、

患者さんに伝わる言葉で説明の努力を惜しんではなりません。

全方位に気を配る緊張感が大切です。

頑張った!

努力した!

と、口にすることは容易いのですが、

もっと努力し頑張っている人が居ることも

常に頭に置くことも大切です。

歯を守る学問が【歯科保存学】です。

が、

他の歯を守るために、

敢えて抜歯をやむなく行う冷静さも、

矛盾していますが、

必要な医者の性格だと思います。

病状の自己認識したがらない患者さんの対応については、

治療以前の問題と云えます。

私らは、無理やり治療すべきではありませんから。

使い材料や技工を委託する技術職たちとの関わりあいに、

私情を持ち込むことは厳禁だと、

時には鬼と言われても、

絶対的に安定した治療結果を出すためには

やむを得ないことと、

厳しく臨まねばならない処が

仕事の厳しさでもあります。

また、チャンスを与えることも大切です。

そのことで、別の境地が観えてくる機会があるからです。

が、これは全ては、

私自身にも当てはまりますので、

素直な心で、

素直な目線で、

新たな事象には、

先入観を棄てて、望むように心がけています。

私は職人ですから、

歯に衣を被せたモノ言いは出来ません。

駄目なモノは駄目だと、

馬鹿には馬鹿野郎と怒鳴りつけるのですが、

私の周囲の方たちから言わせると、

私は随分と丸くなったようです。

が、其れでも見かねた時には

我慢糸がプツンと切れて、

ヤッパリ、ドカン!と、

雷を落とします。

其れで目が覚める人と、

言い訳がましく、

まだ気づかぬ人は、

これは接点のない異業種だと、

私の仕事の世界に取り込む必要もないと考えています。

人には其々の価値観の違いが在りますし、

筋目の通し方も違います。

其れは其れで、やむを得ないと、

私は先々まで、

前に道のない処に道を造り、

進まねばなりませんので。