日別アーカイブ: 2016年4月6日

贔屓筋

先のブログに認めた私が難しい手術の際に流す

バックミュージックをどうしても知りたいという

妙な問い合わせが数件ほど。

大学の人やインプラントメーカーの人の中では、

みんなが承知な普通のことなのですが。

手術の始まりは、

勿論、【森高千里】。

ここから麻酔が始まります。

で、

切開の際には、加山雄三の【光進丸】【越後慕情】

手術の肝腎処は【六甲下ろし】に【都はるみ】と【石川さゆり】

昔からの私の手術補手は、

よく心得たモノで、

今日は私が執刀医と聞いた際には、

テープを用意して

「先生、そろそろ行きましょうか?」

私は若い時分から、ヤンチャ坊主です。

但し、【歯にしか興味がない】というだけです。

良い仕事ができるのならば、

私は周囲の視線など、全く気になりません。

プロの【気】

今週も相変わらず毎日、手術が続いています。

患者さんにとっては、心細く大変な想いでしょうから、

私ら医師が、最大の鎮静剤であることが肝要です。

以前、息子に連れられて矢沢永吉氏のコンサートへと出かけました。

大変、氏に対しては申し訳ないのですが、

私の世代だと中学生の時分に、

氏の属するキャロルがオンタイムであったと記憶しています。

で、

勉強嫌いの輩が、

薄い学生鞄に、氏の名のステッカーを

申し合わせたように貼っていたのを記憶しています。

私にとっては、氏は【不良の教祖】というイメージが焼きついていました。

まさか自分の息子が、この様な嗜好になるとは!

と、残念な情けない想いで、

氏のコンサートへと出かけたのです。

が、暫くもしないうちに

私は自分の誤りに気づいたのです。

氏は【エンターテイナーの中のエンターテイナー】でした。

全ての所作を、氏は計算し尽くしていました。

視線、顎の傾き、

勿論、身体の全ての器官の動きを。

相当にリハーサルで、試行錯誤していると。

帰りがけに、私は息子に謝ったのを覚えています。

プロの中のプロの姿に敬意を払いました。

私らの仕事も同じです。

大変な身体を委せて下さる患者さんが、

私らを絶対的に安心して下さるような

【気】を、

私らは常に出し続けなければなりません。

そのための工夫を、

日々、自分で見つける注意を持った生活をと

今更ながら、

再認識し、朝の一時を迎えています。