日別アーカイブ: 2016年5月13日

絶対に本物は残ります

昔から師匠である内藤正裕先生から口を酸っぱく言われていた台詞です。

【上手な歯医者じゃなくて、上品な治療できる歯医者になれ!】

自分が認める人の言葉は、素直に身体の奥に染み込んでいく質の私です。

ですから、そう何時も自分に言い聞かせてきました。

私の診察台の前の壁には、

師匠の肖像写真を額に入れて掛けています。

で、

診療の肝腎な処を向かえたり、

キツい!とストレスが懸かったら、

チラッと、

師匠の顔に視線を移すのが常となりました。

私らのようなスタイルの診療は、一種【独特】のモノだと

歯科業界全体は認識しています。

其れは其れで、長い間ヤってますから、

経営的にもシンドイ時も度々在りました。

が、

【歯科医学の王道】を行くと、

【ナイチンゲールの心での手当て】を

私は頑固な迄に護り通してきました。

これに偽りはありません。

時代は移りゆきます。

昨今の変化のスピードの速いことと言ったらありません。

が、

【根っ子】さえ確りと張っていれば、

幹は倒れません。

患者さんも色々な方がお越しになられます。

個性、価値観、生活スタイル、好みも多様です。

が、

健康になりたいと云う気持ちが確りとあれば、

私はいつでも暖かく受け入れます。

 

ホスピタリティ重視の歯科医院

昔、お正月休みを

東京の一流ホテルと言われる処で過ごしていた時の話です。

普段は流石と私は贔屓に使っていたのですが。

この頃は私も若かった。

ブチキレて!しまったのです。

キャパを越える宿泊客を入れすぎていました。

いくら稼ぎ時と言えども、

一流処の良心の欠片も感じませんでした。

大晦日の夜の食事は、

予約の時刻を大きく遅らせられた上に、

通された処は、

何時ものレストランではありません。

大宴会場を仮のレストランとして、

コッチは中華料理、

アッチはフレンチ、

向こうは和食と、

仕切られた【工夫】に、

私の血圧は上がる一方。

サービスも、目が届く筈はありません。

広すぎ、御客さんが多すぎ!

で、

価格は一流。

ハシタナイので怒りを堪えて、

この時は我慢して。

正月の朝は、

まるで温泉街の大型旅館に宿泊したかの如く。

1年の初っぱなから怒る訳にはいかぬと、

我慢に我慢を重ね、

ルームサービスもリクエストしてから部屋に届けられたのは

3時間異常は経過していたと思います。

でも、まだ抑えました。

で、

ついにブチキレた!のはチェックアウトの時でした。

来年の分もご予約されますか?

と、しゃあしゃあと言うフロントマンのデカい態度に

私の我慢の蓋は遂に全開したのです。

二度と利用しませんとだけ申し上げ、

私は今日に至るまで、

そのホテルは使いません。

外資系ホテルに負けるはずです。

ただし、

大きな収穫も在りました。

この時から私は、

自分の診療所には自分のキャパを越える患者さんの予約は入れずに

余裕ある時間設定での診察を行うようになりました。

ソレが今日、

【ホスピタリティ重視の歯科医院】と

広く認知されるキッカケとなったのです。

 

難しい質

冷蔵庫の中がごちゃ混ぜとなり、

整理し始めたら1年も前に賞味期限キレとなった食品の数々が。

コレは恥ずかしながら、

私の幼い頃の記憶です。

整理整頓の苦手であった主は、

私ではありません。

商家のボンボン育ちの

典型的見本のような生活を送っていた私の父親を、

ナンとも羨ましく思うのですが、

この父親が整理整頓出来る方であったかどうかは判りません。

さほどに道楽で生涯全うされた幸運な人でした。

どういう訳か?

私は几帳面な質です。

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周囲からは【異常】と扱われていたようです。

幼い頃の記憶として、

就寝時に布団に横たわった私は、

枕から頭を持ち上げて、

掛布団の四隅をチェックするのを常としていました。

布団がピン!と張って、

シワひとつ在っても気に食わないと云う

ナンとも難しい【コダワリ】が在りました。

自分の手は布団の裾には届きませんので、

家の誰かに、

【ソレ】を修正してもらって、

で、

納得してから眼を閉じる。

コレが私の幼い頃の毎夜の恒例行事だったのです。

布団にも私なりの【コダワリ】があり、

大学へと家を出る際にも、

この重い布団は持参したのも確りと覚えています。

今時分は、ナンにでも病名を付ける世の中ですから、

私なんぞは、

アスペルガーとかナンとかと、

言われるんでしょうか?

几帳面なクセして、

クソ度胸?或いは向こう見ず、

随分とヤンチャの限りを尽くしたら事は、

この歳になっても語り継がれるほどでした。

院長室には机が7つほど。

それぞれの机には、

私なりの決めた用途があります。

仕事の性質によって、

私は椅子を回転したり、移ったりして、机を変えます。

人間の集中力なんぞ、たかが知れたものです。

ひとつの仕事に飽きたら、

即座に、別の作業へと転換します。

その繰り返し。

私は自分の欠点である持続力の無さを

こうして補っています。

ソレには【整理整頓】はとても大切な鍵なのです。

人には得手不得手が在りますから、

眼を反らさずに、

自分の欠点を自覚して、

無理して治すのではなく、

工夫して上手に欠点と付き合う方が

結果良いように、私は思えるのです。

息子が小学生の頃に造ってくれた整理棚は、

今も私の仕事場の一部として機能してくれています。