月別アーカイブ: 2016年7月

ダッシュ

私は【仮歯】をとても大切に治療に使っています。

その様な仮歯を、

プロビジョナルレストレーションと言います。

最終的なセラミッククラウンの完成形を想定した【形態】の仮歯です。

人によって、

噛み癖や、

噛む力の大きさ、

噛み込む方向などなど

様々です。

また、

歯磨きしやすい形でなければなりません。

仮歯ですから、

磨耗が比較的早く、生じます。

この磨耗の形や部位から、

セラミッククラウンを装着してから将来、

起こるであろうトラブルの数々が

予想できるのです。

仮歯を装着する時が、

とてもとても大切な治療の要所です。

今日朝一番の患者さんは、

仮歯の装着でした。

1本の仮歯でしたが、

治療時間は1時間30分ほどかかりました。

費用は15000円程度です。

健康保険の診療所であれば、

同じ時間で、

少なくても10人の患者さんの診察ができるでしょう。

で、

その売上高は最低でも50000円にはなると思います。

私のような診療所では、

儲け高は、

到底に大勢の患者さんをこなすタイプの歯科医院には敵いません。

売上高など競う気持ちがあれば、

私はこの様なタイプの診療形態は採ってはおりません。

【コダワリある患者さん】

【本当に困った患者さん】

の、歯科のユートピアであろうと思っています。

今日は比較的穏やかなアポイントメントです。

講演を再開した私の長いロードが始まります。

全力疾走で、

駆け走り、

生涯を一気呵成に

歯で楽しもうと。

最後のダッシュにと、

スタートボタンをオンした私です。

 

お詫び

私の院長室には沢山の机が在ると、

以前、ブログに認めたことがありました。

今この机上はいっぱいになっています。

比較的新しい患者さんの資料を机毎に

整理して置いているからです。

治療計画作成が治療の成否を決めると確信しています。

施術に入れば、

私の手は勝手に動いてくれますから。

模型やレントゲンなどに囲まれていると、

私は心地良いのです。

インプラントや審美治療を甘くみてはいけません。

失敗したお気の毒な患者さんが

今日もまた、

この四国の地方都市に渡って来られておりますもの。

私が診察着をYシャツにネクタイから

白衣に一転させたのは、

その様な患者さんたちに対して、

同業に成り代わってお詫びする気持ちからです。

段取り

今日も手術が2症例ほど。

一つは、大阪市の某インプラントセンターでの治療の後始末。

大阪市でキチンとしたインプラント治療をしているのは、

新大阪の伊藤雄策先生が確実で、

あと数人。

名前を観れば、

誰が本当のインプラントの上手な歯科医か私らは知ってルンですが、

一般の方は難しいでしょうね。

本当に上手な歯科医が少なくなりました。

併せて、

キチンとした医療倫理を持ち合わせているともなれば

もっと稀少な存在です。

今日のやり直しの患者さんは、

わざわざ上顎洞底挙上手術までして行ったインプラント みたいですが、

下の奥歯と噛み合う位置に入っていないのです。

だからインプラントであっても

噛めない歯。

序でに歯磨きのことなど頭にないのでしょうか?

私らプロでも、

この歯ではザットでも磨けません。

そんな形のセラミック冠。

アバットメントで角度を修正しようにも、

分厚い歯肉と、

噛み合う歯との距離が足らず。

コリャ診た先生方皆さん、

困ったでしょうね。

で、

何軒か行かれて、

最後に私の診療所へお越しになられたんですが、

相当、頭の体操をさせて頂きました。

分厚い結合組織を薄く削いで、

UCLAアバットメント式の人工歯を作って、

粘膜を縫合する予定です。

それなら磨きやすい人工歯が出来ますし、

噛み合わせもキチンと出来ますから。

凡そ、

手を動かす時には、

仕事の8割は出来上がっていると言って良いでしょう。

段取りが全てを決めると言って良いでしょう。

自負

【三枝流仕事術】も、

多少の計算違いが生じることがあります。

お陰で、

日本歯科大学 元准教授の山口隆司先生が

地獄の心地を味わっています。

四方八方から仕事が押し寄せて、

戦場で矢を払う侍のような心情で、

次から次へと仕事を処理されています。

山口隆司先生は還暦を過ぎているのに、

心は未だに少年のようであり、

時々、ヤンチャ振りを発揮し

後輩である私をからかいます。

ヒッヒッヒッと、

困惑する私の姿を観て楽しんでおられます。

時には仕返ししようと、

私は先生に仕事を大量に投げかけるのですが、

悔しいかな!

無難に仕事は処理されています。

が、

私のイタズラ心とは別に、

計算違いも生じ、

講演や執筆、プロモーションを抱え込み過ぎました。

が、

本心は、

私らは、仕事は速いと、

秘かに自負しています。

マイクロスコープを使った根管治療

今日も朝からマイクロスコープを使った根管治療でした。

治療が終わると共に私は、

眼を温めます。

眼の疲れが著しいからです。

特別な症例でない限り、

根管治療は1回で終わらせています。

見えたくない処にまで視えるので、

薬で根管内を消毒するのに

何度も通院して頂く必要はありません。

最後の根管充填も、

材料を直接に根管の先まで持っていけるので、

勘に頼ることはなくなりました。

治療する側、される側、

マイクロスコープを使った根管治療は大いに有意義な治療です。

が、

私の眼はチョビッと、

休みを頂かないと。

休日もまた

この患者さんの治療は随分と前に終了しました。

が、

随分と治療期間もかかりました。

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歯周病もひどく、

歯槽骨も随分と痩せ細っていました。

清掃性の良さとシッカリとした噛み合わせを造ることに

重きを置いた治療をしました。

審美的観点は、

多少の犠牲を払います。

審美性と清掃性とは時には両立できない場合があります。

が、

とにかく人工の歯は元気で機能してくれています。

今は仕事を終えて、

新宿開業の女医さんから大量に送られてきた

歯型の添削作業中です。

 

歯科医も野球選手と同じように

癖という厄介なモノがあります。

女医さんからの模型を手に

修正をしている処です。

DSC_0016

結構、楽しんでいます。

患者さんの経過を拝見したり、

行進に胸を貸したり、

そういう時は時間が過ぎるのを忘れてしまいます。

臨機応変

久しぶりに、

CT画像の3Dシュミレーション環境下での

インプラント手術を行おうと思っています。

訳ですか?

その症例には、

それが1番安心な手順だと

私が判断したからです。

主観的過ぎるという批判も在ろうかと思います。

が、

客観的視点を凌駕する主観があれば、

普通以上の結果が得られると思います。

一昨年前だったでしょうか?

ワシントンポストだったかニューヨークタイムズだったか

忘れてしまいましたが。

( キザでスミマセン。両者、週末誌だけは読んでるんで )

アメリカの歯科医への批判的記事でした。

アメリカの歯科医がインプラントのためにCTを撮り過ぎるという主旨でした。

被曝の危険性と、

インプラント手術での危険性を比べて

CT必須の歯科医は、

インプラント手術の資格がないという

痛烈な記事でした。

私はスッキリした気持ちになりました。

以降、

アメリカでのインプラント手術における

CT撮影が激減したことは言うまでもありません。

今回の手術は、

被曝のリスクよりも

コンピューターシュミレーションの意義を大きく感じた症例です。

手術を執刀する私は、

私自身の判断を尊重します。

悔いある治療はできません。

臨機応変な柔軟な考えは

臨床を行う上においてとても重要です。

 

新しい患者さんに想うこと

昨日の新患の患者さんを診察させて頂いて

熟と感じますのは、

私は幸運であったと。

私は良き師と出会いました。

また、良き時代に新人時代を過ごせました。

既に世を去り歯科界の巨星達から

直接に接し、

彼等の息づかいまでも

身をもって感じることができました。

近代歯科医学の発展途上期であったからです。

巨星たちは、

物事の【真実】を見極めていたのでしょう。

個々の歯の置かれた状況から

体系的、経験的治療計画に乗っ取り、

崩壊した口のなかを丁寧に正確に処理する捌きは

絶妙でありました。

気がつけば私も50を過ぎ、

知らず知らず、

人の身体の行間を感じる【勘】という

能力を身についたんだと思います。

未熟な治療の結末は、

患者さんを不幸のドン底に突き落とします。

【本当に困った患者さん】が毎日のようにお越しになられます。

私の診療所は【敷居】が高いと思われているようです。

そうかもしれません。

それは、

歯なんかチョコッと治せば良いと

その様に考えて居られる方も多いからです。

私は、その様な方の治療は出来ません。

歯を大切にお感じになられる方の主治医でありたいのです。

【敷居】の高さは、

その現れだと思います。

私は万全の態勢で診察に臨んでいます。

生意気な言い方でスミマセン。

歯は私の半生そのものですから。

まだまだ成長と進化を遂げたいと思います。

昨日の患者さんをお迎えしてから、

ある時期までは、

常にその患者さんの口の状況が

頭から離れることはないでしょう。

歯医者も色々な人が居ることを

判って下さるように精一杯務めさせて頂きます。

新しい患者さんに対して、

私がいつも想うこと。

【こんな偏屈者の処を訪ねて下さりありがとう】

恩師の背中

「 犬がお好きなんですね? 」

と、頻繁に聞かれます。

ゴールデンリトリバーのマリリンは、

堅い絆で結ばれた友人のようなモンだと思います。

マリリンを迎えてからの私の生活は一転しました。

出張の予定や、休日の過ごし方、

日々の生活リズム等々。

私自身が淋しん坊であるためか?

マリリンに同じ想いをさせてはならじと。

昨日は仕事を早じまいし、

家で映画を観ていました。

無論、

マリリンは私の横で座って、

物語の展開が判っているのか、いないのか?

一緒に映画を観ています。

唐沢ナニガシ演じる【杉浦千畝】の映画です。

映画の出来映えは兎も角、

【杉浦千畝】その人が、

偉人であるから感動を呼ぶのでしょう。

余韻に浸った時、

山口隆司先生と電話にて。

先生と多くの仕事を抱え込んで、

二人して四苦八苦しています。

元来、

私らが【しなければならない】仕事ではありません。

が、

新しいジャンルに挑むワクワク感と、

自分を鍛えたいという職人特有の癖と、

歯科で生かせて頂いての感謝の気持ち、

から、

私らは動き廻っています。

余計なお世話と感じる方々も居られるでしょう。

しかし今、

大きく舵をきらなければ、

歯科医は社会から見離される羽目となるでしょう。

【あのお方は全てを投げうってまで良心に生きた人だね】

と、山口先生。

【俺たちも覚悟せねばならんね】

これも、山口先生の弁。

日本歯科大学で一番のヤンチャ坊主二人が、

もしかしたら、

【自主独立】という建学の精神を

一番忠実に守っているのかもしれません。

歯科を通じての【社会貢献】を

出来の悪い弟子の私を導いて、

俯き加減で先導する山口先生の後ろ姿に、

私は日々、勉強させて頂いています。

後ろ姿に、

その人の人生と、

これからの生き様を観ています。

 

本音

午後の3時前ですが、

やっと少しだけ休憩がとれそうです。

朝一番から、

マイクロスコープを使った根管治療、

そして、

クラウンを装着するために

歯を削っていました。

コレも、

マイクロスコープ視野下での治療です。

食事ですか?

採れそうもありません。

チョコレートを一口二口。

そんな程度です。

書類を眺めながら、

ブログを認め、

次の患者さんを待っています。

歯科医院はコンビニより多くて、

患者さんが減っているという社会情勢は

私の診療所では無縁です。

きちっと治療するなら、

大勢の患者さんの診察など出来ません。

1日に診察できる患者さんの数には限界が在るからです。

で、

新しい患者さんも大勢にお越しなられます。

忙しいというのが、

私のありがたい本音です。