日別アーカイブ: 2016年8月19日

【地雷】と【安全弁】

歯科医師国家試験には【地雷問題】と言われる厄介なシステムが在ります。

これは他の問題が正解であっても、

その【地雷】を踏んで仕舞えば、

国家試験に合格はできないというシステムです。

酷しいとお感じになられるかもしれません。

が、

将来、医療に携わる専門職の資格試験ですから、

それくらい酷しいのも

仕方がないのかもしれません。

想えば、

人と人との関わりあいに於いても、

確実に【地雷】は存在します。

また、

越えてはならない一線というものもあり、

その【間合い】の取り方が

人の世の難しさだと思います。

と、考えれば、

口は厄の基とは良く言い当てた言葉であり、

その心ない一言が、

人の心を傷つけることになりかねません。

身体の傷よりも、

心の傷の方が治癒するに多くの時間を要します。

私が患者さんと接する際には、

此方はプロですから、

患者さんの方の心が解き解れるようにと

心掛けていますし、

より一層の信頼関係が築けることを望んでいます。

それでも、

一向に心を閉ざされる方も時には居られますし、

逆に、

歯科医師側への不信感を前面に出して来られる方も

極々稀ではありますが、

無い訳ではありません。

歯医者は楽な稼業ではありません。

歯は情念を顕す器官ですから、

歯を診れば、

その方の感情の様相が手に採るように解ります。

判ってて、

知らない顔をするのがプロであるとも言えます。

どの様な仕事でも、

身体と心に負荷がかかります。

趣味で発散する。

家庭で癒す。

これが普通の事なのでしょうが、

最近の傾向として、

その安全弁に機能不全が生じている事例も多い様です。

何事にも【地雷】と【安全弁】があるという事を認識し、

自らは【安全弁】でありたいと心しています。