月別アーカイブ: 2016年9月

勘働き

【日本海軍の興亡】という本は、

戦記贔屓の私からすれば、

特に目新しい記載はありません。

が、

それでも提督たちの発した言葉などを思い出して、

また、

歴史上の【もしも】を考えながら、

興味深く読んでいます。

【勘違い】や【思いつき】、【思慮に欠けた行動】により、

この国は敗れてしまいました。

似たような事象は、

日常にも起こっています。

戦争は始める時に、終わらせ方を考えていなければなりません。

でなければ、総力戦の結果、

大きな犠牲を生むからです。

何事も同じこと。

誰が一番の大きな犠牲者となるのか。

見栄と我の強さが大きな命取りとなるのに。

治療においても、同じようなことが言えます。

原理原則と現実を鑑み、

日々の積み重ねからの【勘働き】に狂いがないようにと、

私は思うんですが。

真理

この連休に、

ハッと思う台詞を

大学院時代の恩師である山口先生が仰られました。

アメリカのトアル学会が編纂した治療方法のガイドラインと

それを日本の学会が翻訳した2冊を数日前にお送りしていたのですが。

先生曰く、

「 誤訳というより、翻訳者の主観でねじ曲げられてるね。」

その通りです。

だから原著から学ぶことが大切なのです。

私の新人時代は厳しいモノでしたが、

そう言った意味では、

本物に触れる機会を多く設けて下さる環境や、

真理を求める学者が大勢ではありませんが、

確かに居られました。

で、そこからまた、

私と山口先生の会話に華が咲いたことは云うまでもありません。

 

活字中毒

こんな時にでも

本を手放したことはありません。

活字中毒だと思います。

【日本海軍の興亡】という本を

今は読んでいます。

診療は、

戦略と戦術の組み合わせだと、

日々の生活から学びました。

ですから、

こうした種類の書籍を好んで読む癖がつきました。

歴史上の出来事から、

歯の治療に重ねあわせて

物事を観る癖がつきました。

私の診療は難症例が多いと言われているそうです。

一見、難しく観える症例であっても、

ジッと、

諦めないで、

投げ出さないで、

暗闇のなかの極々の薄明かりをと

探し求める心があれば、

治療成功の鍵が見つかることを

私は知っています。

その瞬間のために、

毎日を無駄にしないで、

どんなモノからも

歯科へと結びつけるようにと

私は、

そのように自分で決めているのです。

フラりと

所要が在り、

古都へと参りました序でに、

そう言えば少し足を延ばせば岐阜と思い立ち、

台風のなか家へと帰っても

仕方ないと、

切符を手に新幹線に乗車し、

家路とは反対方向へと向かったのです。

岐阜市を名古屋市のベッドタウン程度にしか

考えていなかった私は、

あまりの都会振りに驚き、

ここに在る歯科大へと向かったのです。

何故、こんな時にと

自分でも可笑しく、

歯科以外に特別興味のない

不器用な生き方を、

また可笑しく感じます。

こういう恵まれた処で、

歯科の初等教育を受ける学生も居るのだと、

まだまだ知らぬことが多いのだと。

凡そ私のように

歯科医学との出会いが

生きる支えとなってありがたいと

感謝している人間も居るので、

教育に携わる人たちは

十分に学ぶ若人に配慮してくださいと

こういう機会に強く感じたのです。

手にはトアル学会のプログラムが。

中身の薄さに、

思う処が大いに在り。

日々の診療を丁寧に丁寧にと

心がけて精進することから得る収穫の方が、

どれ程に大きいモノか。

そんなこんなを感じながら、

さて、

偶然からの休暇を

どうしようかと。

ブラリ独り旅というテレビ番組があったなと

思い出して、

少し雨を避けて

腰をおろしたのです。

家族

下重暁子氏の【家族という病】という本が

ベストセラーなのだそうだ。

ついぞベストセラー本などは読まないようにしている

へそ曲がりな私ですが、

女流作家の作であったことから、

女性の言い分にも一応、

耳を傾けようと、

どうせなら第2巻もまとめて買い求めたのです。

一気呵成に読み、

所感はまったくありません。

あぁ、そういうことねと、くらい。

人にはそれぞれの生い立ちなり、

背負っているものが違いますから、

色々な考えが在って良いのでしょう。

そう簡単に割りきれるんなら、

演歌なんか必要ないですし、

まして浪花節なんか問題外でしょう。

自由な言論や考え方を

広く大きな声で表現できる自由民主の時代ですもの。

ただ、私は古い時代の日本の男です。

難しい時代

週末の天気が気になって、

朝のワイドショーにチャンネルを変えたんですが、

笑ってしまいました。

お気の毒でしたね。

歌舞伎役者の橋之介氏。

奥方から、

【時間を忘れるくらい叱られました】

恐かったでしょうね。

【我が家には女性は芸の肥やしは当てはまらない】

返す台詞もなかったでしょう。

女性に対しては、

貝になって、ひたすら、ひたすら、

真面目に聞いている振りをすることが、

今の時代には必須の作法かもしれません。

小池知事も恐そうですね。

連坊なんかに目をつけられたモンなら

身の毛がよだちますよ。

私は、

祇園の芸姑に癒される方へと

ついつい判っててても、

行っちゃうでしょうね。

女の敵かもしれません。

仕事の性格柄のせいにする積もりはありません。

が、

いつもいつも張りつめていますので。

恐ろしい方より、

癒される方へと、

弱い私なんぞは、

橋之介氏の心情を責める気持ちにはなれません。

で、

また色々とご批判を受けるンでしょうね。

迷探偵

このところ難しい症例の患者さんが続いて来られ、

気が張りつめています。

私は治療方針をたて、治療方法を考える前に

必ず【する】ことがあります。

何故?この様な状況に至ったのかの原因の究明です。

患者さんからの資料を前に、

縺れた糸をほどく【迷探偵】気分でと云った処でしょうか。

ですから、頭がとてもとても疲れます。

歯医者が、こんなに辛んどい稼業だとは

夢にも思いませんでした。

学問的涸渇感

歯科の論文に目を通すのが

ほぼ習慣になっているようです。

少し手の空いた際に珈琲を飲むような感じでしょうか?

この数年来、

歯科の論文のツマラナサと言ったら、

どう表現したら良いのでしょう?

と云うくらい、

面白味に欠けているように感じます。

ドリームがないんです。

人類への貢献という情熱も感じません。

でも、

目を通さない訳にもいかず、

まぁ中毒症になってるンでしょうね。

この季節、

各地で学会が開催されます。

残念ながら、

コレラもそそる催しがありません。

再生医療以外の分野の他は

研究者はさじを投げ出したのでしょうか?

こんな時こそ、

基本に還れの原点回帰が大切です。

書棚あさりでも始めようと思っています。

まだまだ歯は抜きませんよ。

昔、何処かの歯科の先生処で、

前歯にセラミックの冠を入れたんだそうです。

で、

その内の1本が、

ポロッと外れて。

差し歯の土台が根に対してクサビの力が加わったンでしょう。

根の上の方で斜めに折れてました。

笑って下さい。

原始的でしょう?

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物干し竿のような棒を隣の歯にくっつけて支えにし、

折れてる部分が露出するようにと、

歯の根にピンをたてて、

ゴムで引っ張り出してるんです。

で、約20日後。

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どうですか?

ピンが物干し竿にクッツイテるでしょう?

これだけ引っ張り出せたんです。

ただ、

歯茎も一緒についてきますので、

小さな外科処置で、

歯茎の手当てを行う必要があります。

その際に、

折れた根の破片は取り除いて、

綺麗にします。

隣のセラミックの冠も当然その時に、

歯茎の手当てを加えます。

だって、被せは確かにセラミックですが、

被せた境目が全く適合していない不良品ですよね。

健康な歯茎に甦らせて、

綺麗な口元へと変わっていくでしょう。

まだまだ使える歯は

抜きませんよ。

それが歯の番人たる歯医者の仕事です。