月別アーカイブ: 2016年10月

インプラント周囲の歯肉の環境整備

私も既に28年もインプラント治療に携わっていますので、

それなりのトラブルは経験しています。

その対応はキチンと為していますので、

大事になったことはありません。

少しでも?と、

感じたならば、

即座に対処しているからだと思います。

昔のブローネマルクインプラントとスタンダードアバットメントの

組み合わせでのトラブルは皆無に近いものがありました。

現在、昔のブローネマルクインプラントのスタンダードフィクスチャーは

存在しませんし、

スタンダードアバットメントでの修復は、

審美的観点や、

息漏れでの発音への影響や、

食渣が溜まり易いことから、

患者さんの側が敬遠致します。

より審美的なインプラント治療が普通になった今、

私の症例においても、

ごく稀にペリインプラントタイティス、

インプラント周囲炎が認められます。

私の臨床は、

条件設定した環境で行っています。

で、

行き着いた先は、

インプラント周囲の歯肉の環境整備の重要性です。

インプラント周囲にシッカリとした角化歯肉が、

骨にシッカリと付着した環境が、

インプラント周囲炎の最予防策であると考えるに

至ったのです。

ですから、

そのための遊離歯肉移植の手術が、

昔、歯を長持ちさせるためにけんめいに行った

歯周外科処置のオプションとして大きな割合を占めていたように、

インプラント治療においても同様の傾向に移行しています。

シッカリとした歯肉に守られたインプラントは、

観るに安定感を感じるのです。

週末

今日は午後から手術を2症例ほど。

上顎洞底挙上手術とインプラントの埋入の同時手術。

で、

もう1症例はペリインプラントタイティスに対する

骨の造成手術です。

手術の見学に山形県開業の同級生、吉澤さゆり医師が

来られるので、

良い処を見せねばと。

そんな週末です。

ほら!観たこっちゃないでしょう?

今週号の【週間 現代】にしても、

最近の週刊誌の【歯科叩き】が始まった模様です。

こういうマスコミの紙上にて、

同業を叩くのも如何なモノか?と、

私なら辞退させて頂きますが、

内容の真意は兎も角、

だから言わんこっちゃないでしょう?

社会全般が歯科に不信感を抱いてるんです。

私は医科も、同じだと思っていますが。

歯科は脇が甘いですから。

誠実に患者さんに向かい合っていれば、

患者さんが減少することはないんです。

患者さん視点からも、

明らかに手抜きと判断できる阿呆な施術するから、

それは自己責任でしかありません。

【先生】と呼ばれる仕事です。

【ありがとうございました】と言われる仕事です。

其処の処をシッカリと自覚し、

毎日、毎日の診療を、

ナイチンゲールの心で、

謙虚な心で過ごせば、

歯科の王道を、

患者さんも理解して下さるのに。

良い先生も、

本当はいっぱい居られるんですよ。

歯科治療の基本

昨日の仕事の一部を紹介しましょう。

この写真を見て下さい。

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銀の詰め物で虫歯の治療がされています。

よく見て下さい。

削った歯質と銀の詰め物の間に、

大きな隙間がご覧になれると思います。

歯医者って細かい仕事をしてるってのは、

大きな勘違いです。

こんな大きな隙間が、手当てできないんでスから。

ここからいっぱい虫歯の菌が、

歯の中に侵入して、

歯の中でドンドンと虫歯が拡がるんです。

銀の詰め物が悪いのではないんです。

この治療した歯科医の腕が悪いんです。

何も歯科治療が悪いのではありません。

で、

ダイレクトボンディング修復しました。

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見た目が歯の色に変わったことよりも、

隙間の全くない完全適合した修復に関心を向けて下さい。

噛み合う部分の形も、

歯の外形も随分と変わったでしょう?

歯磨き易い外形、

噛み易い外形、

削った部分と完全に密着させる修復。

これが歯の治療の基本です。

パッション

どういう訳か、

最近では診療所の見学を希望される先生方が多いのです。

恐いモノ観たさでしょうか?

私は後進には、

何事も隠さず、

そのままの日常をお見せする流儀です。

自費治療だけの歯科医って、

派手に見えるんでしょうね。

が、

実際の診療は、

細かい作業の積み重ねの連続です。

息がつまるほどの緊張感に包まれているのでしょう。

気迫に圧倒される様ですね。

私は患者さんを拝見する際に、

この小柄の身体で、

背負う覚悟で診療を開始します。

それが歯医者ってもんじゃないですか?

ぺリインプラントタイティスの原因

ペリインプラントタイティス、

即ちインプラント周囲炎の症例は、

この私も保有しています。

既にインプラント治療歴28年。

インプラント埋入本数は10000本は越えていますから。

全ての症例が100点のパーフェクト!てな嘘は言えません。

で、

このインプラントの歯周病様の骨吸収、

私なりには考察が着いています。

昔のブローネマルクシステムのマシンサーフェイスに

スタンダードアバットメントの組み合わせでは、

インプラントタイティスは皆無です。

が、現在のブローネマルクインプラントは、

表面を粗造化処理していますし、

この粗造の仕方は、他のメーカーの方法に比べて、

私個人的には愚かしいと感じています。

余談ですが。

ですから使用できません。

また患者さんの側でも、

スタンダードアバットメントの使用は審美的に嫌がるでしょうから、

これも使用できません。

現在インプラントの主流は、

インプラントとアバットメントの連結がインターナルですから、

骨の歪みが生じた時に、

この部品に微妙な隙間が生じます。

この瞬間に、

唾液が漏洩するんでしょう。

で、

その結果ゆっくり、ゆっくりと、

慢性炎症がインプラントの周囲で起きるんだと思います。

噛み合わせが特にインプラントに集中した際に、

インプラントタイティスが生じるという説は、

私は信じていません。

なぜならインプラントの対合歯の修復を入れ歯で行った症例にも、

インプラントタイティスの症例が在りますので。

現在、インプラントタイティスの予防策として私は、

インプラント周囲の角化歯肉と付着歯肉を絶対に確保する手当てを

必須として、

インプラント治療に臨んでいます。

医者の癖に

【医者の癖に】という台詞があります。

そういう意味であれば、

私は【医者らしくない】人間かもしれません。

葉巻、パイプを嗜みます。

また、

毎朝の朝刊の占い覧の【今日の運勢】に

一喜一憂する質です。

困った時以外にも、

何事にも神さま、仏さまの顔が気にかかります。

こういうのって、

幼少期の育った環境が大きいのだと思います。

子供の育つ環境って、

とても大切だと思います。

治療の勘所

私の治療が終わってから既に12年経過した患者さんの

今日の上の奥歯の状態です。

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この患者さんは矯正治療を受けて頂きました。

2年間の保定期間の後に、

シッカリとした噛み合わせを造るために

上の左右の犬歯と上下左右の奥歯を修復治療しました。

上の左右奥歯はセラミッククラウンにての修復はしていません。

下の奥歯は開口時に金属が見えるので、

セラミッククラウンを装着しましたが。

長い間、使って頂く【噛む道具】です。

歯の形に、

私は自分の命を封入します。

が、

それでも完璧という訳にはいきません。

私の【つたなさ】を補ってくれるようにと、

大きな噛む力が加わる上の奥歯は、

あえて金属を使って助けて貰っています。

が、

奥歯の【尖り具合】に

私の自己主張があります。

コレが私の治療の勘所です。

治療の引き出し

いつまで通っても治らないとか、

綺麗にする積もりで通ったのに、

チッとも綺麗じゃないとか、

噛みにくくなったという患者さんが多いのです。

縺れた糸を解すように、

一つ一つの問題を整理整頓して行けば、

結局の処は、

2つの引き出しに大別されます。

1つは、炎症のコントロール。

もう1つは、力のコントロールです。

その視点から、

根管治療、

虫歯治療、

歯周病治療、

噛み合わせ、

それぞれを、

引き出しの中の整理区分けに区分けして、

あとは丁寧な丁寧な仕事を行えば

問題は案外と容易に解決できるのです。

変色歯への対応

歯の変色の原因は様々です。

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この患者さんの変色は、

幼少期に耳鼻科で処方された抗生物質、

即ちテトラサイクリン系の内服による副作用です。

ホワイトニングでは改善されません。

ダイレクトボンディング修復の限界、

あるいはラミネートベニア修復、

手堅いのはオールセラミッククラウンによる歯冠修復ですが、

歯質の削除と、

歯肉の安定を考慮し、

今、

どのような治そうか?と、

思案しています。

また、

上の前歯の中心2本の歯茎が、

笑った際に露出する【ガミースマイル】も、

私は好みではありません。

折角、お越しになられたのですから、

パーフェクトスマイルを創って差し上げたいと

レントゲンを眺め、

歯型模型を眺め、

写真を眺め、

変色歯の対応は、

単に白くするだけでは駄目なんです。