日別アーカイブ: 2017年4月10日

自宅前の公園の桜は、今が盛りです。

玄関戸を開くと、

一瞬、

眼を奪われてしまうほどの命の伊吹です。

週末から新潟です。

私の好きな信濃川に懸かる萬代橋が跨ぐように広がる【やすらぎ堤】。

雨の日も、

雪の日も、

私は毎朝、散歩するのが新潟での日課です。

写真の遠方に観えるのが萬代橋です。

その向こう側は日本海へと続いています。

週末のやすらぎ堤は、

恐らくこのような光景でしょう。

私は娘、息子ともに、

幼い頃から言い聞かせています。

父の骨は、

この萬代橋の下の信濃川と一緒にしてくれよ!

と。

子どもたちも生きてゆく上で、

何度も何度も壁にぶち当たるでしょう。

そんな時に、

私は言い聞かせています。

父は、いつも此処に居るから来れば良いよ。

父の声は耳には確かには聴こえなくても、

必ずヒントが閃く筈だから。

それが父の声だからと。

人の一生とは、

桜の花のように儚いものです。

それでも、

桜は毎年、毎年、

花を咲かせます。

娘の旅立ち

今回の娘の中学進学に際しては、

父親として初めて強硬なる持論を押し通しました。

先の家人との間には3人の子宝に恵まれました。

仕事優先であったので、

子どもの教育は任せきりでした。

特に中学への進学など学区内に通うことが普通だと思っていたのです。

むしろ、

附属中学などには却って偏見を持っていました。

私は私学の建学の精神による教育を信じている者ですから。

ただ私は、此処高松市で生まれ育った人間ではありません。

ですから事情に疎く、

また中学時代の学校帰りは街並みの空気に触れて、

友人たちとの会話の貴重な時間だと考えていました。

ですから、

歩いて家に帰ってくるものであり、

スクールバスでの通学には否定的な考え方を持っていました。

その経験から、

私は誤りに気づいたのです。

ノビノビ育てる筈が、

結局は塾通いの毎日。

いろんなご家庭のお子さんとの協調も、

大切な経験になるでしょう。

しかし、

これも時代の違いを認識しました。

息子は中学から私学です。

それはそれで大変でした。

どこも生徒の個性を伸ばすことよりも、

偏差値の高い学校への進学率を上げるに必死ですから。

ただ私からすれば、

県内の私学からこれは到底無理であり、

夢幻の戯れ言となるでしょう。

私学の独自性を全く感じませんでしたので。

この春、中学へと進学した娘と、

色々な私学の中学へと意見を伺いに出かけました。

子どもの意思を尊重しなければならないと云う台詞が在ります。

本当だと思いますし、否定しません。

しかし、

子どもの側においても、

親の意見に謙虚な気持ちで耳を傾けることも重要です。

以前の経験から娘にたびたび言っています。

他人の評価が全てではないよ。

他人も不完全な人間なのだから。

武者小路実篤氏の詩に、

人見るもよし、

人見ざるもよし、

我は咲くなり。

小さな花で構いません。

が、

確かに生きて咲いたと云う

花を咲かせる旅へと

娘は歩き始めたようです。

今日娘は県外の私学中学での寮生活が始まります。

早朝、塩握りをシッカリ、シッカリと握って、

娘の鞄の中に入れてやりました。

玄関戸の前の桜は満開でした。

嫌がる娘と桜を背景に並んで写真を撮りました。

車中の硝子越しに見える娘に手を振って、振って、

車が見えなくなるまで、

振っていました。

患者さんの仕事です。

入学式には行けません。

それも私の仕事です。

週末からは私は新潟です。

次、娘の顔を見るのは2週間さきの事です。

いやはや、どんな寮生活を送るのやら。

寮での朝食は毎朝、食パンで、

ジャム持参なのだそうです。

そう言えば娘はイチゴジャムが苦手な筈。

新潟へ行った際に、

ホテルオークラまで寄って、

娘贔屓のマーマレードを買って来ようと。

親バカでしょう?

でも、

そうこうしながら、

私も子離れできてくるんでしょうね。

 

決まった毎日

私はマリリンと出勤します。

診察の合間は、院長室にてお利光さんに待ってくれています。

30代の頃に娘に請われラブラドールレトリバーが

家族に一員になりました。

当の娘が世話するのは数日間のみ。

後は父親の仕事になるのが普通のようです。

が、

男の30代は仕事盛りです。

またこの間に私は離婚も経験しました。

孤軍奮闘の時代でも在りました。

私は大いに反省しています。

ラブリーと云う名のこのラブラドールレトリバーに

もっともっと大きな愛情を懸けてやれば良かったと。

マリリンの顔を眺めつつ、

ラブリーの表情が重なって観えます。

マリリンと呼びながら、

心うちでは、

同時にラブリーとも呼んでいるのが判ります。

もう後悔したくはありません。

私はマリリン中心の生活を送っています。

相手は犬ですから、

そりゃ規則正しいですよ。

私にとっても良い習慣ができたと

マリリンに感謝しています。

歯科医師の仕事

この女性はホワイトニングを希望されてお越しになりました。

30代の方です。

この女性のお人柄から感じる処があり、

数回、

診察のために来て頂いました。

で、

私はホワイトニングをお勧めしませんでした。

歯が白く変わっても、

この女性の歯での悩みが解決できるとは思いませんでしたので。

私の信じる治療方法にご理解頂き、

一緒に頑張って頂きました。

これが治療が終わっての今のこの女性の状態です。

歯の形態的なバランスも大きく変わったでしょう?

が、

もっと大きな変化が在りました。

美しい笑顔を取り戻したことは言うまでもありません。

これが歯科医師の仕事だと思っています。

私のお造りした【総入れ歯】

歯科医院であれば、

何処でも入れ歯治療を行うのでしょうが、

昨今のインプラント全盛の歯科業界から考えますと、

どうも、

入れ歯治療が上手くいってないのでしょう。

私の診療所へと入れ歯を新調にお越しになられる患者さんは

苦悩に満ちたお顔です。

痛くて噛めない。

ガタガタ動く。

擦れて痛む。

話しの途中で外れる。

発音しにくい。

等々。

インプラントが絶対に総入れ歯より優れているとは

私は考えていません。

インプラント治療の適応症と入れ歯治療の適応症は、

絶対に違うと断言します。

入れ歯造りが下手だから、

インプラントを奨められている患者さんの多いことに、

怒りを通り越して、

そういう歯科医師を哀れみさえ感じます。

左側が初診時に患者さんが掌の上にした総入れ歯です。

無論、造って頂いて2ヶ月ほどの、

使いようもない只の技工物です。

右側は、

私のお造りさせて頂いた総入れ歯です。

よく噛める人工臓器は、

観ためも違うと、

私の自己主張の塊でもあります。

人工物であっても、

活きたように輝いていると

お感じになりませんか?

人工物の中に、

職人は魂を注入するもんですから。