日別アーカイブ: 2017年4月16日

休息

新潟市の家を引き払って少々淋しい気持ちでいましたが、

ホテル滞在も、まぁ良いかと、

ドアマンの「先生、お帰りなさい」と云う一言で、

単純な私は、そう思い直したのです。

窓の外は桜満開。

明日の講義の最終チェックなど頭から消え去り、

つい外へと出掛けてしまったのです。

古町から三越前を過ぎて、

白山神社へ登る辺りの小路へと。

ガレットを商いする贔屓の店へと

足が向いていました。

パリの裏通りの店を意識して作ったであろうこの店は

私好みの美人が商いしていることもあり、

ついつい来てしまうのです。

無論、ガレットの味も良く、

ガレット.コンプラッテをハイボール片手に、

で、

美人の姉妹?との話しに花が咲くと云う塩梅。

歯の仕事から一時解放される新潟での束の間を

大いに堪能し、

ホテルに急ぎ舞い戻り、

後悔しながら明日の準備の仕上げをしつつ、

そんな新潟での第1日が始まりました。

久しぶりの新潟

上越新幹線の車窓から越後平野をぼんやりと眺めていました。

20代に観た風景と変わりありません。

肉体的に私は歳を経りましたが、

連峰の山々など自然界は昔のままであることに、

儚い人の一生について想いを巡らせていました。

肉体的成長は終わっていても、

人間的成長はいつまでも可能であり、

また、すべきことである。

その際の成長とは、

伸びてゆくよりも熟してゆくこと。

この言葉に出会って以来、

素直さと謙虚さが【成熟】の鍵であることに

気がつきました。

弥彦山が視界に入れば、

直ぐに新潟市です。

その頃から私はそわそわするのです。

棚上の鞄を手元に下ろし、

でも、ジッとできずに出口前まで早々と移動し、

窓に額を付けんばかりに新潟市の街並みに見いっています。

ドアが開いた瞬間、

新潟の匂いが鼻腔に拡がります。

足早にバス停へと向かい、

大きく深呼吸するのです。

萬代橋が観えたら、

あぁ帰ってきたのだと。

荷物を宿に置いて早々に、

柾谷小路へと出でて、

いつもの散歩道を歩くのです。

今年最初の新潟です。

神棚にお祀りしている白龍大権現さまの御札を

新しいものへと気もそぞろで歩き、

お社の前にて、

腰を下ろして座りこんだのです。

新潟の神さまには、随分と長い間お世話になったものだと。

後どのくらいまでご縁を頂けるのかな?

そんな事を考えていました。