日別アーカイブ: 2017年7月26日

私の歯科医学

今朝、治療が終了して

初めてのチェックに

お越しになられた患者さんが居られます。

ビックリしたのです。

ヘアスタイルからお化粧、お洋服、

全てがお綺麗になられていたからです。

初診の際に、

自律神経のバランスを崩され、

非常に内向的、

閉所恐怖症、

私の診療所の待合室は個室なのですが、

ドアを開けていないと震えるくらい。

レントゲンの撮影も大変でした。

日常生活が大変だったのでしょう。

ヘアスタイル、お化粧など、

気を遣う処ではなかったのだと思います。

正直申し上げて、

私は治療は無理だと、

当初は判断しました。

が、

患者さんは頑張りました。

日常を一変させたいからと云う台詞を聞いて、

私も精一杯、患者さんを励ましました。

で、

全ての治療が無事に終わったのです。

根管治療、

歯周外科、

抜歯、

インプラント、

ほぼ全てのジャンルの治療を

彼女は私から受けたことになります。

治療の途中から、

少しずつ、

会話するようになられました。

で、

今日。

本当に歯の治療して良かったと。

この言葉が在るから、

私は頑張れるんです。

本音を申し上げますと、

心傷める機会も度々あるのです。

あぁ、歯医者は医者ではないのだと云う

辛い気持ちになる機会もあるのです。

自分の患者さんからの台詞に

心傷める機会もあるのです。

抜かれた!

削られた!

取られた!

痛みがなくなり、

ともかく噛めるようになったら、

安心されるのでしょうね。

そんな時には、

私は歯科大学の学生時代を思い出すようにしています。

良い歯医者になりたくて、

過ごした若い頃を、

無理やり思い出すようにしています。

夢に見た歯医者じゃないか。

挫けてどうするん!

そんなこんなの繰り返しの四半世紀だったのです。

また、

喜んで下さる患者さんが居られるから、

私は自分のスタイルを貫けました。

多くの歯科大学の学生さんと接する機会が在ります。

後輩たちが、

あぁ、歯医者になって良かった!と、

そんな風に思ってくれるようにと、

私はカルテに自分のテクニックを記載しています。

あとどの程度の時間が残されているのか

神様のみぞ知る事でしょう。

それでも私は続けます。

1人でも、

歯を大切に考えて下さり、

心悩ます方が居られるうちは。

ご心配ありがとうございます!

私の夏風邪をブログから案じた、

日本歯科大学先端研の澤田講師を始め、

多くの先生方からお見舞いのメールを頂きました。

本当にありがとうございます。

憎まれっ子世に蔓延ると申します。

ヤンチャ坊主の三枝は、

大丈夫ですのでご安心ください。

点滴注射を受け、

内服薬の助けにて、

好きな歯の治療に、

それは相変わらずです。

【考える治療】

これが私のライフワークです。

考えて、

考えて、

そこから、

患者さんの身を以て、

教えて頂いて、

学んで、

少しずつ成長したいと思う気持ちに偽りはありません。

今日も手術が在ります。

インプラントの二次手術ですが、

下顎全体の症例ですので、

チョッと一工夫をと考えています。

構想で頭の中がいっぱい。

そんな今です。

気候が不安定ですので、

皆さんも、

くれぐれもご自愛ください。

本当にお見舞いの温かい言葉、ありがとうございます。

歯科医師の先生方への質問状

昨日の新患の女性のレントゲン写真です。

春頃に歯茎の腫れがあったとのこと。

痛みがなかったので、

それから1ヶ月くらい経って、

歯科医院を受診されました。

かつて治療済みであった当該歯のクラウンを外した処、

中が真っ黒で、

その際に抜歯処置を受けたそうです。

そのあと、

ブリッジにするかインプラントするかの選択に迷い、

私の診療所を訪ねて来られました。

表現は患者さんの言葉に忠実に再現して綴りました。

私は若い頃から教官から、

【レントゲンを読み込め!】

【2次元から、どれだけの情報を読み取れるかが勝負】

そんな風な教育を受けました。

レントゲンをシッカリ診て、

で、

実際の状態を自分の眼で確認して、

レントゲン像と現状を

自分の眼に焼き付けることを日々研鑽して来ました。

患者さんの言葉から、

当該歯は、根管治療が為され、

歯根に亀裂が生じて、

歯茎が腫れたことが想像できます。

その際に、

歯根を覆う骨、

特に外側の骨が楔状に溶けていたことが、

レントゲン像から、

私には如実に伺えるのです。

CTの撮影の必要もなく、

当該部分の骨の幅は、

インプラントを受け入れるに十分な量は既にないと

私の眼には明確に見えるのです。

抜歯された両脇の歯も、

既に根管治療が為されています。

しかし、

この根管治療が不完全であることに異論を唱える歯科医師は居ないでしょう。

当該部分にインプラント治療を行うためには

骨の幅の増大手術が必要です。

それだけの手当てを行うことで、

当該部分の修復処置を行う必要性を私は感じません。

むしろ、

両脇の不完全な根管治療された歯を、

シッカリと防腐的治療を行い、

ブリッジにて修復処置することがベターだと考えるのです。

確かに、

死んだ枯れ木の歯を土台としたブリッジに、

確たる担保はありません。

しかし、

感染源を抱えた歯の間に、

インプラントを埋入することの方に

私は違和感を感じるのです。

局所的所見から、

私の考える処を申し上げました。

血液検査の結果は後日、私の確認する処となりますが、

医療倫理的観点から、

私は、そのように診断したのです。

歯科医師の先生方の多くが、

私のブログを観て下さって居られると聞いています。

先生方は、

どのようにお考えになられるでしょう?

インプラント VS ブリッジの選択については、

私の中では明確に定まっていますが、

先生方、この症例について、

どのようにお考えでしょう?