日別アーカイブ: 2017年10月30日

歯科治療の面白さ

一般の素人の方には、

歯の治療の違いについて、

材質の違いくらいにしか、

実感できないのが普通だと思います。

が、本当は

【形】で、

【精度で】で、

全てが決まってくるのですよ。

それが、

歯科医師の【診たて】であったり【腕前の差】なのです。

セラミックを使えば金属より優れてる!

これは治療の【長持ち】とは全く関係ありません。

むしろ逆の結末を辿ることもしばしばです。

この写真は、

トアル患者さんがトアル歯科医院にて

治療をお受けになられたセラミッククラウンです。

噛み合わせ面を、

よーく観て下さいね。

で、

この写真は私が随分と前に治療した

金属のクラウンです。

上の奥歯です。

この患者さんの下の奥歯も私が治療させて頂きました。

その部分にはセラミッククラウンにて治療致しました。

下の奥歯は、

大きくお口を開くと、

よく観えますから、

慎重にセラミックにて修復させて頂きます。

が、

上の奥歯は、

余程でないと、

金属のキラリ!は観えません。

ですから、

私は金属のクラウンをできるだけ使いたい主義です。

何故?

観て下さい。

上下の奥歯が噛み合っている部分が、

研磨されて光っているでしょう?

また、

すり減っているでしょう。

私の技術の至らない未熟な処を、

金属と云う延性のある延びる材質が

補ってくれるんです。

これがセラミックだったら、

欠ける、

割れる、

歯の根が折れる!

なんせセラミックは硬くて脆いですもの。

ジルコニアなんて、

もっと硬くて、

私は恐くて使えません。

あと、

歯の山のような尖りを注意して観て下さい。

私の造る奥歯は山が高いでしょう?

噛み合わせを、

上下の顎の位置をシッカリと

この上下の山と谷が入り込んで、

サポートしてくれるんです。

このテクニックは、

私は、

相当に強気です。

これが歯科医師の腕の観せ処だと。

面白いのは、

噛み合わせの確認のために

カーボンでマークした色のついた

点と、

すり減って研磨され光っている部分に差があるでしょう?

これが、

噛み合わせの恐さです。

歯科治療の際のチェックなんて、

たかがシレテいるんです。

人工の歯は、

患者さんの日々のストレス下で、

絶えず擦られているんです。

その辺りを考慮した歯科治療が、

本当に面白いし、

マニアックなんです。