月別アーカイブ: 2018年5月

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市井のシガナイ開業歯科医師であった私が

様々な事情にて、

母校の附属病院の総合診療科の

臨床教授になってしまいました。

単なる歯のオタクでは済まなくなりました。

この重圧は、

業界人なら、

よく判って頂けると思います。

公人となった訳で、

治療を行うにしても、

単なる私の【勘働き】だからでは済まなくなりました。

治療の各ステップ・ステップにおいても、

学問的確かな根拠が必要不可欠となりました。

それが教授と云う職責の重さです。

併せて、

治療費用についても

その概要を報せることも私の立場では

当然のことと言えましょう。

症例の呈示については、

徐々に増やす積もりです。

単に綺麗な症例と云うよりも

長年の風雪に耐えた症例をと考えています。

コンポジットレジンインレーとダイレクトボンディング修復

コンポジットレジンインレーです。

虫歯治療の1方法ですが、

私は全く、この治療を行いません。

何故って?

このような悲惨な状態に早期に至るからです。

虫歯を削ったあとに、

歯型を採って、

模型上で、

歯科技工士さんが、

コンポジットレジンを使って詰め物であるインレーを製作します。

この製作物をセメントで歯にくっつけるんです。

経時的に、

インレーと歯の境目の希薄な部分が、

捲れるように、

折れます。

また、

セメントの変色や溶出が起こり、

詰め物と歯の間に段差が出来て、

新たな虫歯の原因となります。

この症例のように、

インレー本体が、

削られた歯の穴の内部で

折れる場合もあります。

次の写真は、

同部をダイレクトボンディング修復した所見です。

セメントを全く使わず、

ラバーダム防湿環境にて、

無菌的に詰め作業を行います。

歯の形態の彫刻は、

私ら歯科医師が行わなければなりません。

手間はかかりますが、

安全、安心かつ、

歯質保全の見地からも

虫歯治療の最適治療方法だと思います。

歯科医院選びは慎重に

元来、

この歯にはクラウンが被せられていました。

写真で見えるクラウン全ては、

私の治療ではありません。

この患者さんは、

何年か前、

3年くらい前だったでしょうか?

下顎の小臼歯を他医院にて抜歯処置を受けて

インプラント治療を勧められ、

その結果、

私の診療所へ転院されて来られました。

インプラント治療は1本だけでしたので、

特に難しい症例でもなかったのですが、

他の多くの歯には、

写真のようなクラウンが被せられていました。

しかも、

ほぼ全ての歯は神経が取られている死んだ歯です。

患者さんには、

徹底したブラッシングを認識させる努力をしたからでしょうか?

見かけ上の歯周ポケットは、

患者さんの誠実なブラッシングにて、

改善の一路にあります。

が、

メンテナンスの際に、

異臭を感知し、

ついにクラウンの下に隠れ潜んでいた虫歯を

見つけたのです。

クラウンを外すとご覧の通り。

虫歯は完全に取れていません。

徹底して虫歯を取ると、

歯はバラバラになるでしょう。

この歯は、

歯科保存学専攻の私は、

骨の保存を最優先させるために抜歯の診断を下しました。

抜歯後の治療ですが、

このような場合は、

ブリッジではなくインプラント治療が第1選択です。

前後のクラウンを見て下さい。

この両隣歯も死んだ歯です。

根管治療の精度も、

レントゲンを提示していませんが、

ご想像の通りです。

とてもブリッジの土台に使える代物ではありません。

患者さんにはお気の毒に思います。

ただ、

虫歯治療の程度の頃に、

キチンと歯科医院選択をしなかったことにも

大きな落ち度があることは否めません。

スタッフの交代

家庭の事情にて、

長年勤務してくれた宮田君が退職し、

新しいスタッフに代わりました。

と云う訳で、

私の診療所は、

機材の準備や、

治療方法の違いますから

慣れるまで私がして見せねばなりません。

ブログを認める時間もないくらい

診療所の中をかけずり回っています。

今度のスタッフは英語も堪能ですので、

私はその辺は楽になれそうです。

日大アメフト部の一件につき

木を観て森をずと云う言葉を思い出しますのが、

最近話題の日大アメフト部の一件です。

元来、

大学のスポーツと云うのは、

プロへの登竜門であると共に、

スポーツを通して、

人の道を学ぶ大きな機会だと思います。

青春時代を、

汗と涙とで過ごすことに

大きな教育効果があると思います。

大学時代をバイトに明け暮れる者も居れば、

競技に全てを費やす者も居る。

私は日大アメフト部の選手達の敬意を払っています。

事件の当事者たる若者の一連の行為に対しても、

大人よりも立派であると思います。

問題となったタックルに至るまでの

選手の追い込まれた心情に

心から同情するのです。

若者を預かる教育者は、

地を曝け出してはなりません。

本来の自分ではない自分を

演じて観せねばなりません。

人には欠点はあって当然です。

が、

無理してやせ我慢してでも、

演技し、

模範を示すことが教育者たる大人の姿です。

相撲界においても、

同じような事件がありました。

格闘技とは、

暴力との背中合わせですから、

指導者は、

その紙一枚の差の大きさを

若者に肌感覚で察知させることに

教育の大きな効果があるのですが。

当事者である選手が、

アメリカンフットボールが嫌にならないような

手当てを一番に考え、

処遇することが、

関西学院大学を始めとするアメリカンフットボール界の

今成すべきことと思います。

日大アメフト部を干すような行いは、

世間体を気にする大人目線としか思えないのです。

批判を受けるべきは、

選手たちの指導者です。

指導者の弁によれば、

処遇は第三者委員界に任せるとのこと。

武士なら、

自ら腹を切ると云う、

日本人古来からの武士道を、

この指導者は持って居られない様子。

この事件によって、

日大ブランドに傷がついたと云う日大学生のコメントがありましたが、

それも大きな間違いです。

大学のブランドに寄りかかって人生を送るのでしょうか?

日大と云う学びの場で青春時代を過ごしたという

人生の一幕だけであって、

これからの人生は、

自分で切り開いて、

進んで行かねばなりません。

社会は、

日大学生と、この事件を一緒にするほど

愚かではありません。

日大出身者で、

世間で活躍する方を大勢知っています。

が、

その活躍は、

その方の努力の賜物であって、

日大ブランドとは全く関係ありません。

コメントした学生よりも、

当事者たるアメフト部の学生の行動を観れば、

流石にスポーツ選手としての、

筋道の通った行いと感じるのです。

世間一般のお考えは判りませんが、

私はそう考えます。

歯科保存学って

巷で私はインプラントの先生って言われます。

確かに私はインプラント治療と共に

歯科医師人生を送ってきました。

しかし、

私のインプラント治療は【歯科保存学】がベースになっています。

家族からも、

【歯科保存学】って何?

って聞かれます。

【歯科保存学】の基本は、

歯を残す。

神経を残す。

出来るだけ削らないで歯質を残す。

歯の周囲の骨が溶けないように保存する。

とにかく、

組織を保存する事を徹底するから、

【歯科保存学】なのです。

 

進化

大学での1日は、

座る暇もありません。

今日も、

メーカーの開発者が2社ほど面談。

午後かけ夕刻まで学生の実習指導。

終わり次第、

医局で煎餅を口に加えて、

教室へ移動し、

医員への講義。

朝は、

待ち構えて待っている研修医を

技工室へと連れて行き、

技工士長の関口君と、

昨日調子に乗って披露した技工の裏技を

実際に体験させてみて。

若い歯科医師に対しては、

若いからこそ、

大学院へと進学し、

ジックリと、

歯科医学の基礎を学んで欲しいと考えています。

足腰とパンパンに腫れて、

右腕が痛みます。

それでも、

私は母校で歯科医学の基礎を叩き込まれました。

後進への教育は、

母校への恩返しになりますし、

私の臨床のヒントも、

沢山、

見つける事ができるのです。

それが、

私の診療所へお越しくださる患者さんへ

また、

反映できることになります。

私の芸風も

まだまだ進化の最中にあるようです。

 

朝から【唐揚げ】

今は朝の6時過ぎです。

久しぶりに、

上越新幹線に乗り込んだ処です。

東京駅始発で新潟へと。

で、

駅弁。

朝から【唐揚げ】とお思いでしょうが、

次に食事できるのは、

夜の10時くらいです。

今、

食べておかないと。

ブリッジ治療

こういう症例って多いんですが、

私は好んでブリッジ治療を選択します。

ブリッジの土台が生きているからです。

神経を取っている歯であれば、

将来的に折れるかもしれませんが、

この症例は、生きた歯です。

とは言え、

大臼歯は金属のクラウン治療の既往を、

小臼歯には虫歯治療の痕跡があり、

両者ともに無垢の歯ではありません。

対して、

インプラント治療を行う際には、

この症例はレントゲン検査において、

上顎洞底挙上手術が必要です。

あえて、

そこまでしてインプラント治療を行うよりも、

丁寧な手当てにてブリッジ治療を行うことをと、

私は確信しています。

歯の概形成です。

次回、マイクロスコープにて精密仕上げ。

とりあえず、

仮の歯を装着して。

今日の処はお仕舞い。

 

歯科医学の魅力

1892年に、

43歳と云う若さでジョンズ・ホプキンズ大学内科教授の職に就いていた

オスラー博士がミネソタ大学に招かれて、

医学生と教師のために講演をしていました。

最近の私は、

このオスラー博士やメイヨー博士の

著作や講演原稿を夢中で探し、

入手しては、

貪るように読んでいます。

それは、

私の環境の変化が、

その影響だと思います。

良き師に恵まれ、

良き患者さんと関わり、

多くの症例に出会えた私が、

無我夢中で体得した医術を

さて、

他人に教育する側になった時に

一瞬身体が凍りつくほどの責任の大きさを

ヒシヒシと実感しているからです。

歯科医学ほど魅力ある学問をしりません。

関連領域である医学書の多くを読むことも

私の仕事の一部ですが、

学問としては歯科医学の不思議さには

到底に叶いますまい。

ただ、

歯科医学、医学問わず、

大家と謳われた巨星の幹に

宗教と倫理、道徳が

血のように通っていることも知りました。