月別アーカイブ: 2018年9月

三枝デンタルオフィス

激しい雨が降っています。

その度に、

空気が冷たくなってきているように思います。

私の診療所は、

健康保険をいっさい取り扱わない

完全自費治療専門の歯科医院です。

さぞかし高額な治療だと、

勘違いされたのは、

過去の誤解となったようです。

大勢に新しい患者さんが後を絶えません。

当の私も何でだろう?

そんな思案した時期もありました。

でも、

理由が、

患者さんを診察する度に判りました。

健康保険取り扱いの歯科医院で、

自費治療を患者さんに勧めない所が無くなったんです。

健康保険取り扱い医院と、

完全自費治療の診療所は全く違います。

これを健康保険取り扱い医院の医師は気づいていないのです。

治療は両立しません。

ですから、

結果が出ない。

それで、

最後は私の診療所へと。

それが私の診療所が盛業な理由です。

私は商売で歯科治療をしていません。

歯が好きで、好きで、

歯を助けたくて、

毎日を過ごしています。

患者さんはよく知っているのです。 Continue reading

生きる意味って?

つい最近の出来事です。

ある方から、

何のために生きているの?

そんな問いを頂きました。

40を少しばかり過ぎた方でした。

人は何のために生きるのか?

私の世代は、

少年期から青年期に至る期間には

必ず、

この問いと向き合い、

考え、

悩み、

書に答えを求めて、

友人たちと激論を交えていたものです。

その問いへの答えを容易に見いだすことは

恐らく生涯続くのではないでしょうか。

その日、その日を、

誠実に仕事に精を出し、

日ごとの糧を与えられて感謝し、

また翌朝も、

同じことを繰り返して年を重ねてゆく。

地味で変哲ない無意味な時間に感じていても、

それは経験という大きな自信と根拠の基になっていることに、

この歳近くになって気づきました。

私は歯科医師です。

私の人生は歯科医師として生きる。

それ以外のことを考えないようになりました。

歯で本当にお困りの方々のために

私の時間、エネルギー、思考の全てを

私は捧げる気持ちでカトリック洗礼を受けました。

その私自身で選んだ歯科医学を学ぶ道でさえも、

未だに修業の身で在り、

歯科の真意を見抜いてはいません。

私にとって生きることは、

歯科医学に身を委ねるという答えを

見つけたのは幸運かもしれません。

私が話しを終えて、

返ってきた言葉は、

生きる屍ですね!

そのようにお感じになられたのならば、

それは人それぞれの価値観ですから。

私には意見はありません。

楽しく生きたい。

笑顔で生きたい。

その方は、

そのように仰いました。

そのような希望に賛同出来ますが、

私は多少の違和感を感じています。

私の選んだ道は、

自分との戦いの連続です。

それでも、

その過程や結果から、

ささやかですが、

喜びや達成感から笑顔が漏れて、

戦いの過程においても、

工夫する楽しみを感じています。

 

歯科治療のチームアプローチ

日本歯科大学での私の診療は、

私一人では出来ません。

複雑な症例が多いですから、

私の診療日までの間に、

多くの歯科医師の助けを借ります。

クラウンを除去し仮歯を装着したり、

根管治療の専門家にお願いしたり、

ブラッシングのトレーニングから、

歯石を取ったり、

いろいろな治療を

多くの専門家にお願いしています。

もしかしたら、

美味しい処を、

私が独り占めしているかもしれません。

でも、

それぞれの専門家と詳細なる打ち合わせのなか、

先生方は、

私の出番のために

ご自身の専門性を発揮して下さいます。

その中で、

私三枝のテクニックを

包み欠かさず、

私は披露して、

母校での歯科治療を楽しんでいます。

ホームグランドたる高松市の私の診療所では、

何から何まで、

私自身の手で治療は進みます。

私は自分を何でも屋とは思っていません。

私は総合診療医だという自負があります。

今、

母校の病院にて、

それぞれの各専門家に対して、

関連分野から、

垣根を越えた相互理解を深めていただきたいと考えています。

全ては患者さんのために。

生活の変化

大学での仕事をお引き受けさせて頂いての、

1番大きな変化は、

休みが全く無くなったことです。

明日の日曜日も、

朝のミサが終わってから、

午後から診療です。

翌日の祭日も、

これまた診療です。

臨床医ですから、

待って下さっている患者さんが大勢いらっしゃいますので。

 

考える治療

先日、初診でお越しになられた患者さんの

下顎の写真です。

奥歯を抜かれて放置。

歯科医師不信の気持ちが高まって、

アチコチの歯科医院を渡り受診する

歯科ジプシーになられた様子。

抜いた後をどう治療するのかも大事ですが、

何故、

その歯が傷んだのかまで

さかのぼることの方が大切です。

直ぐにインプラントを埋入することはしません。

その前に、

イッパイすること沢山ありますよ。

学生たちとの関わり

大学では、

滅多に昼食を摂る時間もありません。

が、

この時には珍しく。

で、

技工士長の関口君と一緒に、

大学近くの小路を歩いていたら、

ウチの学生でしょう。

数人がペコリと挨拶を。

君ら今時分、何してるの?

先生、試験が終わったばかりです。

ほぉ!

頑張るんだぞ!

で、

少しばかり歩いた処にある豚カツ屋のカウンターに並んでいて、

ガラス窓の向こう側に、

ナンと奴らの姿が。

関口君、ヤバイぞ!

今日の昼飯は高くつくな。

引き戸から入って来た奴らに、

お前たち、

付けて来たな。

笑いながら肯く彼らに、

若い頃の自分を重ねて観ていました。

オバチャン、コイツらの私が払いますから。

そういえば、

先月も、

アイツらに中華料理店で払わされたような気がしたのです。

まぁ、いいか。

 

専門家

火曜日の午後の6時30分からは、

付属病院の5階講義室にて、

総医局員への講義をしています。

この間は、

保存学講座の新海教授が、

場を盛り上げようと

ご配慮して下さったのでしょう。

アレコレと、

若い歯科医師たちに

私の症例を解説する内容での

質問を。

長い年月を、

歯科医師教育に携わってこられた経験を

逆に、

私の方が教えて頂いていました。

しかし、

流石です。

根管治療の私なりの工夫を、

見抜いておられていました。

具体的には、

この隣合わせの2本の歯への

根管治療のテクニックの違いの根拠です。

やはり、

専門家って、

凄いですね。

ヒポクラテスの木

珍しく、

昼食が摂れそうだと、

付属病院を横目に外出する矢先、

ふと、

眼に入ってきたのが、

ヒポクラテスの木。

これはいったい

どういう経緯でと?

早速、

校門を前にしながらターンして、

医の博物館の佐藤館長のもとへと。

館長は私の学生時代の数年年少のクラブの後輩で、

私とは正反対の非常に温和な性格。

私が新潟から去るに際して、

デスクからソファーなど、

彼のもとへと、

そんな関係でした。

丁度、

医の博物館では特別展が催されている様子。

館内を見回る館長が

何気なく振り向いたんでしょう。

あれ?

意外な印象をもったんでしょう。

駆けよってきて、

先生、ご無沙汰しております。

折り目正しく挨拶する館長は

当時の佐藤君のままでした。

で、

ヒポクラテスの木の由来について尋ねたら、

ほぉ、ほぉ、

納得するまでに

丁重な説明を頂いたのです。

ヒポクラテスは私らの良心の基準です。

付属病院の前で、

医聖に由来する【気】を

大いに発散し、

見守って頂きたいものです。

入れ歯の型採り

入れ歯の歯型採りの際に、

型採り材料を盛るトレーは、

絶対に既製品を使いません。

患者さんそれぞれに合わせて、

歯科技工士に個々に製作して貰います。

このような状態で、

私の診療所に届きます。

既製品だと、

歯型採りの材料の厚みが均一化できません。

いくらシリコン材料を使っても、

材料は硬化する際に収縮します。

型採りの段階で、

既に歪むが生じてるんです。

また、

入れ歯は、

周囲を動きまくる筋肉に囲まれています。

唇、頬、舌などです。

これらが動き、

入れ歯を外そう、外そうとするんです。

そこで、

歯科技工士の製作したトレーに

一工夫。

特殊な材料で、

筋肉の動きを記録するんです。

ねっ!

随分と形が変わりましたね。

今日はここまで。

次回は、

粘膜にはぶ厚い処と

薄い粘膜の下に直ぐに骨のある部分という具合に

様々です。

このトレーに再び一工夫。

型採り時の圧力の分散のための細工を施します。

で、

初めて、

入れ歯の歯型を採るんですよ。

入れ歯の製作に当たっては、

何度か、

歯型を採ります。

だから、

痛くない、

外れない、

違和感ない。

歯科治療って、

どの治療も、

そういうモノなんですよ。

 

歳のせいですか?

先週の事です。

大学病院で研修している歯学部の5年生の数名。

当時の私とは全くの反対で、

とても熱心なのです。

で、

おだて上手。

4月から、

私の顔を観る都度に、

作品を持って来るんです。

毎月、毎月、

上手になっているのが、

顕著で、

私はとても清々しい気持ちで観ていました。

次回からは、

他科へ移動するので、

今日が先生の仕事を拝見するのが最後です。

ありがとうございました。

ペコリと並んで頭を下げられ、

なんだか淋しい気持ちになりました。

で、

よし!

今日は君らには、

フルコースで治療を披露してあげよう。

アシスタントは君らにお願いする。

覚悟はいいかい?

若者たちは清々しい。

そろって、

ハイ!

一心不乱な1日でした。

学生たちも、

チームワーク見事に、

次々と、

私の使いそうな特殊な器材を

治療内容に併せて、

準備に走り回り、

必要な際には、

確実に私の掌に

器具は乗っています。

よく此処まで、

勉強したモノだと。

治療を終えて、

今日は此処まで。

君たちは本当に頑張ったね。

ありがとう。

どうか良い歯医者さんになって下さい。

一人一人と握手し、

診療室を後にしたのです。

気分爽快と大笑いの瞬間、

右肩に強い痛みが走ります。

この程度の手の駆使に、

対抗出来る筋力、体力があった筈。

あぁ、歳だ。

高松に帰っても痛みは、

ますます強くなり、

鎮痛剤で、

誤魔化し、誤魔化し、

過ごしていました。

が、

観念したのです。

メーカーに電話を入れて、

マイクロスコープ用の私の座る椅子を発注したのです。

メーカー各社のご好意で、

それぞれが、

先生、

先ずはデモ機を貸し出しさせて頂きますから、

それから決めて下さいと。

私の座る椅子と言っても、

1脚40万円はします。

特注ですので、

納期は3ヶ月程度。

特注椅子は、

治療中の私の

腕を支え、

頸を支えて

そんな構造になるようです。

若い頃には、

考えられないことに、

またまた淋しい気持ちです。