日別アーカイブ: 2019年5月11日

虎の眼・

先週、

24歳の女性の右下第1大臼歯と第2大臼歯を抜歯しました。

第1大臼歯は、親知らずを移植した歯で、

第2大臼歯は、再植した歯でした。

いずれの歯も根管治療済みで、

セラミック・クラウン修復が施されていました。

しかし、

施術後から今日までの長期間、

痛みが続いて・悩んでいたことを、

大人しい口調で、

とつとつと話しされて・おられました。

24歳と言えば、

私の娘みたいなモンです。

思わず、

父親の心情のようになりました。

特に特に、

ナンとか・して差し上げたいと、

私が・そう思うのは自然のことと思います。

触れると、

歯はグラついていました。

レントゲン所見を語るまでも・ありません。

私も、

移植・再植治療は行います。

が、

この治療は、

価値ある治療ですが、

インプラント治療よりも数段、

診断から処置すべてが、

高度なテクニックが必要です。

断然、インプラント治療よりも適応症であると確信した際には、

覚悟を決めて・と云うのが事実です。

インプラント治療の方が、

難易度も適応症も広いのです。

で、

このような状況の際のインプラント治療に対しては、

俄然、

私は燃えてくるんです。

数十年、

他の歯とインプラント修復の調和が・はかれるようにと。

修復する部分は勿論ですが、

口腔全体と咀嚼系全般、

唾液の性状から分泌量、

などなど、

総合歯科診療全般の虎の眼で、

この患者さんの【あや】を捜すのです。

インプラント治療が患者さんの身体の1部になって欲しいからです。

今日、抜糸しました。

私の治療に対する考え方と、

今後の方針についてお話ししました。

インプラントの種類やサイズ、

具体的に挿入するピン・ポイントまでを

今・決定する事は時期が早すぎます。

1つに1度、

私に、

口腔全体を診せて下さい。

私の中で、

あなたを解釈できた時に、

具体的な設計のための診査に入ります。

そんな話しをしました。

 

 

肉体労働

先週の日曜日は、

庭の草抜きと、

芝生の手入れを。

明日は、

木の剪定を脚立に登って

勤しもうと・思っています。

くれぐれも、

脚立から落下し、

骨折しないようにと。

日本歯科大学の技工士長である関口先生は、

庭のウッドデッキを造り替えているそうな!

現状のウッドデッキを解体し、

基礎の補強を手直したあと、

新たなウッドデッキを組むのだそうな。

状況を写真で見せて頂いたのですが、

コレは、

なかなかの大工事。

一人でされるン?

奥方に手伝って貰った方が良いのでは?

腰は大丈夫かぃ?

私の心配を他所に、

自信満々の関口先生です。

歯科医師や歯科技工士って、

案外、

ナンでも自分で・するんですよ。

やっぱり、

技術者って意識が、

そう・させるのかも・しれませんね。

が、

意外と、

器用に熟せるンです。

下手すると、

本職顔負けかも・しれません。

庭の木は、

自宅を新築した際に、

そこまで資金が周りませんでしたので、

ホームセンターで苗木を買って来て、

自分で植えたモンです。

ソレが大きく樹へと育ちました。

時の経過を実感します。

ソレこそ、

植える時には、

嬉しさのあまり、

沢山の苗木を植えたモンですから、

チョッした緑多い庭になりました。

今になってみれば、

剪定のことなど・頭にありませんでしたので。

いずれにせよ、

明日は、

タオルを頸に巻いて、

軍手をはき、

格好は正に肉体労働者の様相で、

私は樹の剪定、

新潟の関口先生はウッドデッキの組み立てで、

終日・後悔する羽目となるでしょう。

清々しい作品

昨日は、

日本歯科大学の技工科から、

次々と、

技工の各ステップごとの画像が

メールで送られてきました。

その画像ごとに、

質問の文章が添えられています。

部分入れ歯と、

メタル・クラウン修復の症例でした。

小さな症例でしたが、

大きな難症例の治療って、

小さな・小さな、

こだわりと技の

積み重ねから、

成り立っているんです。

ですから、

小さな症例を【考える】ことを・しながら、

手先を動かすことを習慣にしなければ・なりません。

日本歯科大学病院の歯科技工士諸君は、

本当に手先が器用ですね。

大学病院での私の治療は全て、

補綴学第1講座の水橋準教授と・ご一緒させて頂いています。

水橋先生の講義を見事に飾ってくれるであろう・

この歯科技工士作の画像は、

誠に清々しい・

心と知恵の隠った作品でした。

 

根管治療

キチンとした根管治療って行為に、

一般の方々も、

やっと、

気づき始めたんじゃないでしょうか。

マイクロ・スコープ完備だけでは、

どうも・違うぞ!

ラバーダム防湿・当たり前だろ!

MTAセメント・単なる材料だろ!

そういう観点に

自己防衛の本能が、

察知し始めたのだと思います。

そのキッカケになったのは、

間違いなく、

インプラント治療が原因でしょう。

何処の歯科医院へ行っても、

抜いてインプラントしましょう!

って、

安易な誘導に、

ハテな!?

って処じゃないでしょうか。

ソレで、

インプラント治療の結果も今ひとつ。

そういう風潮が、

余計に拍車をかけてるんだと思います。

歯科治療ってモノは、

根管治療だろうが、

インプラント治療だろうが、

正しい診断の基に、

此処の症例ごとに選択して

行われるべきナンです。

あの人と・この人とは全く違うんだから。

私の根管治療を特別だとは

全く思っていません。

100年以上・脈々と引き継がれて、

工夫を私なりに加味した、

日本歯科大学の根管治療を粛々と行っているだけです。

付属病院で根管治療の江面教授が根管治療なさっておられる

後ろ姿をお見掛けします。

そぉ~と、

右肩の後ろ辺りから、

先生の治療と、

トレーの上の器材を眺めます。

間違いなく、

先生の治療は日本歯科大学の根管治療です。

そうやって、

私自身も、

自己調整して・基準値の確認を怠りません。

良いモノは綺麗です。

眼の保養になります。

学生諸君や若い歯科医師に、

正しい姿に触れて頂きたいと切望します。