日別アーカイブ: 2020年3月21日

乳房

何年かぶりに、

伊集院静氏の単行本である【乳房】を、

再び、

書棚から・取り出したのです。

最近、

氏は、大きな病から、

無事に回復方向に向かわれている・とのこと。

心から、

ご回復を・お祈りしつつ、

最近の氏の著作から、

キャパシティを越した・仕事が原因ではと、

案じつつ、

鏡を通して、

自分の姿を見つめ直そうと。

この、

 

【乳房】という短編集が、

私は1番・好きです。

本当の彼は、

この本の中に在る【彩】を、

噛みしめて・生きている・真面目な男だと・思います。

自然と、

涙が・頬を流れる、

そんな文章を書ける人って、

人生を・踏みしめて生きてきた証し・ナノでしょう。

 

昭和の男

いつもは、

診療は・午前10時からナンですが、

今日は・1時間・早めての・スタートです。

世間は・3連休なんだ・そうな。

でも、

私に休みは・ありません。

【本当に困った時の・歯科医院】は、

もっか・フル機能しています。

昨夜、

亡き父を偲ぶ・心境にて、

【でべらがれい】、

これ、

新潟の方には?

ナンの事は・ない。

只の【干した鰈】です。

おぼろげながら・記憶に・残っています。

新聞紙を重ねて、まな板の代わりにし、

得意そうな表情で、

この・干したる・情けない姿に変わり果てた

鰈の身を・金槌で、叩いている・父の姿。

表も・裏もなっ。

よ~く・叩いてないと・身が堅いんんや。

で、

七輪で・炙り焼きし、

アチッ・アチッ・と言いながら、

身を割いて・丼の中へ。

そこに・生醤油を注ぐ。

先ずは、

自分が・味見して・

美味い!

で、

どうや?

昨夜、

自分が・全く・同じ所作をしているのが、

可笑しかった。

でも、

何故、

父と私は、

血と血で・洗うような・相剋に・至ったのか?

普通に、

普通の世間一般の・関係が築けなかったのか?

父の位牌を・眺めながら、

互いが、

自分の・ハードルを上げすぎて、

今さら、

降ろせるのが・格好悪いと、

そんな風に・感じて、

にっちもさっちも・いかなくなった・

昭和の男だったンですよ。

てなこと・考えながら、

でべらがれい・を口に放り込む私の、

春のお彼岸の中日の夜は・ふけてゆくの・でした。