昭和の男


いつもは、

診療は・午前10時からナンですが、

今日は・1時間・早めての・スタートです。

世間は・3連休なんだ・そうな。

でも、

私に休みは・ありません。

【本当に困った時の・歯科医院】は、

もっか・フル機能しています。

昨夜、

亡き父を偲ぶ・心境にて、

【でべらがれい】、

これ、

新潟の方には?

ナンの事は・ない。

只の【干した鰈】です。

おぼろげながら・記憶に・残っています。

新聞紙を重ねて、まな板の代わりにし、

得意そうな表情で、

この・干したる・情けない姿に変わり果てた

鰈の身を・金槌で、叩いている・父の姿。

表も・裏もなっ。

よ~く・叩いてないと・身が堅いんんや。

で、

七輪で・炙り焼きし、

アチッ・アチッ・と言いながら、

身を割いて・丼の中へ。

そこに・生醤油を注ぐ。

先ずは、

自分が・味見して・

美味い!

で、

どうや?

昨夜、

自分が・全く・同じ所作をしているのが、

可笑しかった。

でも、

何故、

父と私は、

血と血で・洗うような・相剋に・至ったのか?

普通に、

普通の世間一般の・関係が築けなかったのか?

父の位牌を・眺めながら、

互いが、

自分の・ハードルを上げすぎて、

今さら、

降ろせるのが・格好悪いと、

そんな風に・感じて、

にっちもさっちも・いかなくなった・

昭和の男だったンですよ。

てなこと・考えながら、

でべらがれい・を口に放り込む私の、

春のお彼岸の中日の夜は・ふけてゆくの・でした。