山を・ひとつ

封書が・届きました。

新潟市ご開業の・岩下博美博士からです。

先生は、私が学生の折に、

日本歯科大学のクラウン・ブリッジ講座の助教授をお務めになられていらっしゃいました。

ヤンチャ坊主であった私は、

手で追い払われていても、

仔犬のように、

先生のお姿を見つけては、

ニコニコ顔で、

付いて・廻っていたのが・懐かしい。

寡黙で・ピリリとした緊張感、

剃刀岩下と・謳われた先生ですが、

実際には、

内には・暖かい心を秘めた、

人を診る仕事人に・相応しい・人であることを

私は・昔から、

野生的勘・にて、知っていたのです。

新潟市に参りますと、

少しでも暇を見つけては、

先生の診療所へと、

足を運ぶのが・私の恒例行事です。

と言っても、

ほんの・数分程度の・面会で、

互いに・専門的な話題には触れませんが、

当時の師が、

高齢の域に達しておられますから、

ご健康で・いらっしゃることに・安心し、

また、

仕事においても、

まだまだ余人を・圧倒するほどの技の持ち主であることを証かす

【気】を・発散し続けて居られる様に・安堵するのです。

師・の存在というものは、

私の仕事においては、

とても・大切なんです。

私の年齢になりますと、

いろんなモノが・見えるようになります。

でも、

冷めた感情・ではありません。

物差し・が確立したからかも・しれません。

ただし、

その・物差しが・時代の普遍と・一致している訳では・ありません。

で、

歩いてきた道から・得た物差し・ですから、

容易に・変えることは・できないのです。

そんな際に、

師の姿が・鏡として、

必要に・なるのです。

目には・見えない山が・人生には・多く・存在しますが、

なんとなく、

今年も、

一山・超えた・安堵感を、

師の認めた・文字を・追いながら、

感じた今日。