先ず・人が在りき


87歳になる母が、

最近、

しきりと、

なんで・こんなに・忘れるんかねぇ?

バカに・なったんかねぇ?

嘆くのを観、

また、

同じ話を・何度も繰り返すに・辟易し、

痴呆関係の専門書を・随分と読みましたから、

ある程度の・覚悟みたいな気持ちには・なっていたのです。

が、

それでも、

対応方法については・なかなか・試行錯誤と云った数ヶ月。

そんな中、

長谷川式検査法の開発者である、

元聖マリアンナ医科大学理事長であった・長谷川先生が、

自らを認知症であることを公表し、

90歳を超えた現在に認めた書籍に触れて、

大いに・感動したのです。

先生は20歳の時に・洗礼を受けられたとの事。

また、

師匠から痴呆症についての研究を支持された際に、

出会った書籍の中の、

先ず・人が在りき・という記載に・大いに感銘を受けたこと。

病を診る前に・人を識る努力を惜しんではならない・

これは・私が・弟子たちに対して、

常々・口酸っぱく・言う台詞。

そんな・共通点から、

頁を捲るスピードが・速かったほど、

良い書籍でした。

私も・必ず・痴呆状態になるでしょうから、

今・私しか・できないことから、

人生という旅路の・途中経過を・送ろうと・感じたのです。