秋の 気配


大型台風が 去ったと 思ったら

いきなり 

秋の気配が ただよって きたように 思います。

昔の人は 

上手いこと 言ったモノですね。

暑さ 寒さも 彼岸から

もう 秋の お彼岸ですね。

息子と 数年降りに 会うことに なりました。

新型コロナウィルスの影響と

いつまで経っても

親の私から してみれば バカ息子。

いっぱしの男に なるまで 帰って来るな!

そんな 台詞を放ったのは 5年前。

つい 最近 

ショートメールって 云うんですか?

息子からの 連絡が 入っていたのです。

ちょっと 高松に 行って いいですか?
おばあさんにも 会いたいし。

なんだ?
金にでも 困ったのか?
変な 騒動に 巻き込まれてのか?

内心では 心配しつつ、

おう 何 言ってんだ!
お前の 家や ないか!
ただ、
家は 新しくなって 変わって しまったがな。
お前は ホンマに アホやな!
帰って来い!

ちょうど、
お彼岸と云うことで 
お寺の ご住職に お願いして
お仏壇の ご先祖さまに お経を あげて 頂くことに して いたのです。

このスーツ。
数年前に 息子からの お下がり なのです。

父ちゃん 
コレ 買ったんやけど
俺には 早かった!
全然 似合ってないのに 気づいたんやけど
もし 良かったら 要る?

こういう場合
断る 父親は 居ないでしょう?

息子が 買ったスーツですから
決して 高額な モノでは ありません。
が、
私は 普段着として
クリーニングに出した時 以外は
このスーツを いつも 着て きました。

遠くで 息子を 見守るような 気持ちで。

数年振りに 会う 息子の 顔が 全く 判りませんでした。

お前は 晋太郎?
ホンマに 晋太郎?

ニコニコ顔の 息子は

そうや
晋太郎やで!

私のように 美容治療を 受けた訳では ありません。

しかし、
私の前に 立つ 息子の顔つきは 全く 変わって いたのです。

穏やかな 青年に 成長して いました。

本当に バカな 父親です。
泣いて しまいました。

早う 入れ!

中で 祖母と 再会した 息子は
母に 手土産を 渡しつつ、

私に 大きな包みを 手渡したのです。

父ちゃん
俺なっ
西国三十三ケ所 参りに 行ってんなっ。

何年か かかったけど。

おばあさんに もしもの ことが あった時
来られへん かも しれんから
コレ 着せて
コレ 持たせて
逝かして くれる?

この数年の 時間の過ぎる過程において
私も 人生の勉強を しました。

息子も そのような時間を 過ごしたのでしょう。

家人が 準備した 手料理を
息子と 母が 嬉しそうに 会話しながら 食べる光景に

長年の苦労が 実ったような 気持ちに なりました。

父ちゃん コレ 俺のスーツやな!
まだ 着てくれてるん?

もう コイツは 男として 大丈夫や!
そう 安堵したのです。

父ちゃん
ますます 貫禄 出てきたな!
でも、
優しい 顔に なったね。