ダイレクト.ボンディング法


ー 他所の歯科医院でセラミックの治療を受けたんですが、色も形も気にいらないので! ー

との、お電話の向こう側の患者さんの声に、

妙だな?それなら、その先生によくお伝えすれば良いのに!

と、想いつつ日が経って、今朝お越しになられたその患者さんを診察しました。

ー どこが悪いのか判らない! ー

と、治療した本人の歯科医から言われて見切りをつけた様子です。

ー とにかく拝見してみましょう! ー

と、患者さんの治療?された処を観て、想わず心臓が口から飛び出さんばかりに驚きました。

状況としては次の通りです。

1.歯の一部を被うように削っていますが、出来上がった人工歯は、被う形で出来ておらず、削られた歯質が一部大きく露出したままの状態。

2.セラミックを3Dプリンターのようなミリングマシーンで削り出して完成した人工歯は、あまりにも大きすぎてブカブカ状態。

3.歯の治療と云うよりは、歯の色のような石を歯の間に嵌めたような状況。

これを其のまま、患者さんにお伝えする訳にもいかず、

簡単に、今日すぐに悩みが解消される旨をお伝えして、治療に着手しました。

初診で、直ぐに治療に入るのは10年以上もヤってませんが、
こんな簡単なケースに、アレコレ難しい理屈も要らぬ!と、
今回ばかりは、歯の向こう側のバカ歯医者を睨み付ける気持ちで治療に入りました。

部分麻酔の後、この奇妙な人工歯を削り取り除き、ラバーダム防湿を施します。
虫歯検知液で人工歯の底を確認すると、取り残した虫歯がタップリ!

虫歯検知液を何回も使って完全に虫歯を取り除いたあと、ダイレクト.ボンディング法にて修復完了!

一時間あまりかかりましたが、鏡を手に確認する患者さんは、実に良い笑顔をされておられました。

詳しい説明はしませんでしたが、患者さんは全てを悟られたようでした。

そもそも虫歯治療に虫歯検知液を使わない、ラバーダム防湿をしないなど、基本のキもできない輩に
最先端の治療機器など使いこなせる筈もなし!

治療は楽しませて頂きましたが、この歯科医の頭の中を観てみたいと感じた朝のひとときでした。