早業取得の極意


昨日は診療が終わってから、知人の頼みでトアル処を一緒に訪問し

とにかく用事を済ませてから食事をして犬の散歩へと。

風呂へもユックリとは入れません。

洗い場で、バスタブの縁に顎を載せて大きな舌を出し、

まだ出ないのかと、ズット顔をマリリンに見つめられているからです。

9時には床に入ると決めている私です。

帰宅してからは、早々ユックリとはできません。

朝、目覚めてから診療までの間に、日常的な義務を片づけて、

患者さんと患者さんの合間の瞬時にブログなりメールを認めています。

この様な早業は、恐らく医局にいる時に身に付いたものでしょう。

複数の研究と論文を並行してヤらねばならない環境でした。

というのは、学会にて発表する演者であれば大学から交通費と宿泊費が支給され、

学会に参加し勉強するだけでは、全てが自前であったからです。

となれば、春と秋の2回は必ず1つの学会には大会があり、

幾つかの学会の会員になっているので、研究する立場の大学院生としてみれば、

学会参加は義務のような目で総医局員の厳しい眼に曝されています。

といって此れを自前でとなると、若い私のアルバイト代では到底及びません。

学会発表が自分の仕事と思わざるを得ない環境でした。

診療も当然しなければなりません。

教授の行う授業の鞄持ちから学生実習にも時間を割かれます。

論文を書く机を4つ並べて、ひとつに行き詰まったら隣の机へ、

また行き詰まったら隣の机へと。

患者さんの合間や実習、講義の合間で時間を遣り繰りせざるを得なかったのです。

加えて、夜間診療のアルバイトも生活のためには必須で、

大学病院から白衣を着たままでアルバイト先へと車を走らせて、

で、またアルバイト先から、そのまま大学病院へと。

ですから、今の若い先生方を見るにつけ、

羨ましいやら、恵まれていると感じたり、アマイ!と思ってみたり。

患者さんからしてみれば、歯科の開業医などは、セレブな優雅な時を過ごしているのだろうと思っておられるのでしょうが、

何十年経った現在に於いても、まったく進歩のない生活をしている自分を阿呆と思います。

溜め息が出ます。