血の気の多い私


以前、診療所の在ったところ近くに立ち寄ったので、

その隣にあるクラッシック音楽を聴かせている珈琲店に入りました。

ー あらー!先生、お久し振り!何年になりますか?お元気ですか! ー

などと言った処から、お互いの近況に華が咲きました。

一通りの話が終わって、珈琲を啜っていたら、

植木で顔は見えませんが、何やら中年以上の男性が店のマダムへと問いかける声が耳に入ってきました。

ー 誰?今喋ってたの? ー

ー 菊池寛通りでインプラントの歯医者さん、やっておられる先生!よく来て頂いていたんです! ー

ーあー!あの成功者!金稼いでる歯医者だろ!税務署入るぜ! ー

ぶん殴ってヤろうか!と思いました。

なにか文句があるなら、本人が其処に居るのだから直接、俺に言えよ!

と、思いましたが、ホットキマシタ!

嫌な想いがしました。

私は地道にコツコツ生きています。

孫のような幼い3人の娘たちと細やかに暮らしています。

好きな歯科の仕事を一生懸命なだけで、家族に贅沢させてやれていません。

家族には、私の犠牲にさせていますので、申し訳なくて、

だからこそ大切に愛しく接してきました。

店を出てから、ヤッパリ胸ぐら掴んで、ぶん殴ってヤれば良かったと後悔しています。