職人共通の性


昨日の最後の患者さんは、初診の方でした。

歯でお困りの方は大勢に居られます。

但し、そのお困りの程度は様々で、世の中には追い詰められる想いに至るまで

歯で深刻に悩まれて居られる方も多いのです。

このような時に、私は自身の出番だと思っています。

昨夜、娘たちとテレビを観ていました。

私にしては珍しい光景です。

私の興味を惹いたこの番組は、所謂モンスターペアレンツものでした。

次から次へと再現される、その無理難題振りに、教師にたいして同情の念を隠せませんでした。

私の診療所の特性から、このような重傷者は経験していませんが、

それでも長い間には、心傷つく想いや腹のたつ機会もあったのは事実です。

このような患者さんは、自身が無理を言っている自覚がないので、

コミュニケーションの方法がありません。

私は名医ではないということを強調して、他所でご自分の望む方法での治療を

お受けになられるように仕向けます。

特に私のこれは欠点かもしれません。

歯の治療を軽く扱われる方や、素人の即席知識での治療に対する要望を強く求められる方を

私は強い拒絶感を覚えます。

逆に、歯の大切さを強く自覚され、治療に協力的な姿勢を感じる場合には

人肌脱ごう!と、強い男気を発揮するのです。

どうもこれは、職人共通の性の様です。

昨日の初診の患者さんのように、

私に対して直球の姿勢で向き合って下さった時に、

私は腕が鳴る想いがします。