先を行く者は


恐らく、御身内の方が新たに歯科を開業するのでしょう。

私の診療所が気になって気になってと、云った処でしょう。

患者さんに成りすまし、1,2度ほど、お越しになられる方が時々に居られます。

その様な時に、私もプロですから、即座にその匂いを感知します。

但し、相手には決して悟られないように、

いつも、いつもの通りに、進めます。

相手の関心は、大体が治療費用です。

治療技術云々については、何事も身内贔屓が人の常ですから、

私の治療技術には、あまり関心をお示しになられません。

治療を受ける方が、治療技術よりも治療費用なり、システムに関心を示す場合は、

殆どが、サクラであると思った方が良いのです。

私ですか?

私は誰に対しても、そのまんまの隠し事は致しません。

但し、治療方法の計画については、無難な処までしか考えません。

何故なら、治療計画書の作成は大変な労力を必要とするからです。

大真面目な顔をして、普通通りにその様な方に接し、日常の手順は踏んで臨んでいますが、

細かな最後の詰めは、手抜きではありませんが、必要ないので行っていません。

私は他人のような仕事はできませんし、

同じように、私の仕事は、他人には出来ません。

同業者が、競合の他店の偵察なんて云うのは、普通の業種であれば日常茶飯事ですから。

私らのような、職人仕事は、費用だけでの比べ様など無意味ですし、

私は自分を安売りする気持ちはありません。

奉仕の心を強く持つことを、肝に命じていますが、

歯科の品格を貶める行いは、私も歳から云えば先人の域に入っています。

後進のために、確りと立たねばと思っていますので。