癒し系


 私の様な
どちらかと云うと
精密仕事に就いている人間は
自分を常に鼓舞せねばならない。

 気を張り詰めて
息を殺して
器具を持つ。

 瞬間に
自身の五感を
研ぎ澄まし
器具を持つ。

 その様な暮らしを
長い間
続けていると
身体の疲労感が
なかなか取れなくなってくる。

 時折、その様な私の心を
和ませてくれる
何気ない
柔かな人柄をもった人に
救われる。

 四国中央市には
龍の棲む山と云われる
仙龍寺と云う
由緒正しき寺が在る。

 寺の女将は
正にその様な言葉に
当てはまった人柄をお持ちの人である。

 昨日、この女将より電話が在った。

ー先生、近頃は涼しくなった為か、
  早朝より、巡礼の方が大勢、
   お越しになりますが、
     住職は朝一番から
       何を申すかと言いますと
            この様な事を
             言うのでございますのよー
  
ー 朝一番に
    大変美人の方がお越しになった。
     朝から良いモノを観れば
      気分がいいわぃー

 女将にはコメントできなかったが、
思わず、心を和ませた私である。