本物志向


私の日常は質素そのものです。

外食も殆んどせず、

ブランド品など身に纏っていません。

規則正しい日々を過ごして、

年を重ねています。

ただ、気を配って心がけてきたことがあります。

【本物に触れる】です。

良き時代を過ごせた幸運に恵まれました。

ですから逆に、

【本物】の稀少さも感じています。

歯科医である知人から、

しばしば耳にする台詞があります。

「 三枝は自由診療だから、良い治療ができるんだ」

私は内心で、

「 保険診療辞めて、自由診療一本でやってみぃ!」

断言しましょう。

日本の医師、歯科医で、

健康保険に頼らず、

自由診療で食ってゆけるのは

1割以下です。

私が何故、健康保険の治療をしないのか?ですか?

先生の思うようにしてくださいと言う患者さんしか

お越しにならないからです。

私は健康保険の診療を否定しません。

誰でもが、

必要な時に、

必要な治療が受けられる。

素晴らしい制度だと思います。

が、

制度の疲労は否めません。

後を絶たない不正請求。

護送船団方式の守られた医療業界のぬるま湯に馴れた、

不勉強な医療人。

サービスとホスピタリティの違いも判らない

医療の現場。

医療とは、

人のかけがえのない大切な身体を与る仕事です。

患者さんを尊重しつつ、

それでも、

石のような医療倫理と治療哲学を持たねばなりません。

私は【良質で正直な治療】を自身の手当ての特徴だと思っています。

ポルシェに乗って、デタラメな治療をする医者にはなれません。

診療所は私の舞台ですから、

私は徹底的にこだわります。

が、

一歩、診療所から足を踏み出したならば、

私はただのオジサンでしかありません。

ただし、笑顔でタシナミあるおじ様で在りたいとは思っています。