鞄持ち


先般、師匠である東京麻布開業の内藤正裕先生よりお電話を頂き

3月4日奈良県歯科医師会主催による先生の御講演の鞄持ちを

コレまた恩師である元 日本歯科大学保存学講座準教授 山口先生共に

仰せつかりました。

こういう際には、

諸般全ての予定はキャンセルして、

内藤正裕先生を優先するのが、

私らの業界の掟です。

其れほど迄に私は青年期から先生にお世話になりました。

大学院での歯科医師としての【いろは】の手解き無くして

今日の私が無いように、

内藤正裕先生無くして、

今日の私は在り得ません。

日本の歯科医師で先生の名を知らぬ人は皆無でしょう。

其れほど迄に偉大な先生の胸を借りて育った私は幸運の持ち主だと

自負しています。

日々の診察を、

他所の歯科医院では苦戦した症例に没頭出来る【力】の源が

内藤正裕先生からの【教え】の賜物である事を

自覚して過ごしています。

が、

先生の弟子である事は反面、苦しさも伴います。

それも四国と云う田舎街にて内藤イズムの継承を貫く事は

大変だった事も事実です。

もう駄目だ!と、

弱音を吐いた事も何度も在りました。

そんな時に、

先生のスタッフからの応援で、

持ちこたえて今日に至っています。

私も教壇に立つ身ですから、

自分の仕事の評価に曝される責任は自覚しています。

その根拠と自信は、

自分の診断と治療方針に対して、

責任を明確に持っているからです。

彼岸前の奈良の都は、

肌感覚からすれば、冬に違いありません。

が、

冷たさの中に確かな温かさがキッと訪れている事でしょう。

東大寺二月堂前の茶店にて、

コレまた嘗てお世話になった漠山先生の字を眺めながら、

餅を食べつつ、

内藤節を楽しみにと、

そんな今を過ごしています。