型と壁


【馬鹿野郎】

と、

電話口の向こう側の息子を、

想わず怒鳴りつけたのです。

私らの世代の男は、

そうやって育てられました。

親は無論の事ながら、

小学校から高校においても、

大学なんぞはモット酷かったですよ。

なんせ医療行為を身につけるプロフェッショナルスクールですもの。

白衣を纏った教官の恐ろしい事この上なし。

今でも当時の恩師には頭があがりません。

ただ、

そういう意味合いの教育である事を理解出来なかった人も

居た事も反面事実です。

人格、個性重視ってヤツでしょう。

人は或時期においては、

窮屈な環境で【型】に嵌まった教育を受けるべきと、

私の考えですが。

故 中村勘三郎の台詞ですが、

【型が無いと。型が在って初めて型破りの芸が出来るんです】

【型が無きゃ、単なる型なしってヤツですね】

私も同感です。

上手に成りたいなんて、

誰でも夢観るんですよ。

夢の実現には、人知れずの苦労を伴うモノです。

馬鹿野郎って言われた位で、騒ぐでねぇ!

そんな文句言う暇あれば、

自分の欠点と向き合い、

辛抱しなせぇ!

私は、そう思っています。

ぶん殴るられて、

蹴飛ばされて、

技術を身につけた私らは、

恐わ~いですよ。

それが男の社会、

職人の世界ってモンですから。

異議あるなら、

それはそれでどうぞ!と。

ただ、

私らの様には成れませんよ。

その壁は凄~く厚いですから。