医療のホスピタリティ


【面倒だ】と思った瞬間、

【だから、しない】のではなく、

【だから、する】と云う自分造りに

随分と苦労しました。

開業医を【真面目】に生業とすると、

キチガイじみた程に多忙です。

うっかりすると、

書類の山に埋もれてしまいます。

溜まった仕事を処理する苦しさより、

自分の生活を見直す方が楽だと、

気づいたことがキッカケです。

使った器具は直ぐに拭く。

後から消毒作業するスタッフが楽になりますから。

作業台の上も、作業のステップごとにサッと拭く。

そうする事で絶えず綺麗さを保つことが出来ます。

些細なことかもしれません。

でも、

【マメさ】がとっても大切であることが、

人間関係からも判るように、

そういう処に、

【コツ】が在るのかもしれません。

私の手術室です。

空気レベルは一般医科の手術室以上に、

浮遊飛沫や埃はありません。

それは、そういう設備を整えているからです。

でも、

それは患者さんには無関係なこと。

私の自己満足の問題ですから。

材料棚など設けてはいません。

背の高い棚の上の埃が嫌だからです。

材料は別室に整頓しています。

手術台を覆い被さるような大きな丸い無映灯は、

私の好みではありません。

いかにも手術と云う感じは恐いですよ。

それに埃が溜まった無映灯を、

多くの他所の手術室で観てきました。

私の無映灯は天井に埋め込んでいます。

フォーカスは手元のスイッチで調整出来ます。

これはオリジナルです。

こういう事も患者さんには言いません。

こういう処が紳士の嗜みだと思っています。

手術は綺麗な環境で行うモノです。

綺麗な環境とは、

モノを置かないことです。

で、

【こまめ】に掃除。

治療環境への配慮に欠ける医師に、

細かい配慮ができる筈はありません。

患者さんに対して、

ハウスメーカーの展示のように、

医院の設備を披露する行いも否定はしませんが、

本当に大切なモノは何ですか?

最近の医療機関のホームページを観て下さい。

どこもかしこも【患者さま】。

一昔前の医者のように、

ふんぞり返っているのは、

人格教育を受けない医者が多かったからです。

でも、

私らは商人ではありません。

患者さんの求めに反する言葉を

あえて言わなければならない局面も在ります。

それは患者さんに健康で居て欲しいからです。

私は患者さんとは対等な関係で居たいと思います。

ですから、

【患者さん】とあえて言わせて頂いています。

サービス業と医療は、

紙一重の差ですが、

多少、色合いが違うと思います。

【患者さんのために】

それが医療のホスピタリティだと思います。