花造り


ホテルのベッド脇の小さなスタンドデスクの引き出しのなかには

大抵、聖書が置かれています。

手持ちぶさたも手伝って、

仏教徒の私ですが、

つい頁を開くのです。

で、

関心を持ち、

時々にキリスト教を信仰する方の著作を

買い求めるのです。

キリスト教詩人である八木重吉氏の詩に

神のごとくゆるしたい、

ひとが投ぐるにくしみをむねにあたため

花のようになったならば

神のまへにささげたい。

今の私に、其れができるでしょうか?

でも、

私はそういう人になりたいと思います。

多くの煩悩や想いを抱えています。

でも、

歯に向かい合っている刹那だけは

私は空気のようになっています。

46時中、

そういう心で在れれば良いのにと、

欲するのですが、

なかなかには、そうなれません。

決して大きな艶やかな花でなくても構いません。

神さまに捧げられる花を

育てることができるのならば、

小さな小さな可憐な花でも構いません。

そういう機会に恵まれますように、

花を育ててみることにします。