辛い紳士道


自動車に乗車した際の、

人の体温で、

自動車のフロントガラスやサイド、バックガラスが曇って

視界が確保シヅライなんて経験を

今の人は信じられないでしょう。

でも私の若い時分は、

それが当たり前でした。

そのための乾いたタオルを車内に常備していましたもの。

メルセデスくらいだったと思います。

決して曇らない自動車ってのは。

トヨタも日産も曇ってました。

だからこそメルセデスだったのです。

しかし、

自動車の構造変革とエアコンの進歩にて、

自動車は正に人の身体の一部となった感が在ります。

で、

今後は自動運転でしょう?

どこまで消費者は望むんでしょうか?

また、

メーカーも大変な時代になったと思います。

が、

反して私のオンボロ車は曇って、曇って、曇もりまくりです。

雨上がりのせいでしょうか?

昨夜の帰宅時は蒸し暑かったですね。

エンジンをかけて走り始めて数分程度で、

フロントガラスを始め全てのガラスが曇ってきたのです。

あぁ、昔の自動車って、

こうだったと、

記憶から消え去っていた

若い時分の同じ状況を思い出したのです。

この間の日曜日は逆に暑かった。

助手席に息子を乗せていましたら、

父ちゃん、エアコンが壊れてんのちゃう?

私は未熟者である息子を諭したのです。

古いイタリア車ってのはな、

どんなに熱くかろうが、

窓を閉めきって、

それでも悠然とハンドルを握る。

これがイタリア車を愛する紳士道なのじゃ。

大いに講釈垂れる私を

冷ややかな視線で観ている息子の方が

ズット大人なのかもしれません。