由縁


夏休みも終盤戦を迎えたなか、

娘が溜まりに溜まった宿題を抱えて、

おそらく母親からの大目玉を食ったのでしょうね?

眼を真っ赤にして、

そんな姿を観ると、

大いなる親切心を持ち合わせた私ですから、

ドレドレ?

側に付きっきりで、

といっても、

崇高なる私の文体で、

娘に成り代わって書くこともできず、

父も昔は同じであったと、

慰めることが精一杯だったのです。

明日から新学期と云う日の夕刻になって、

小学生の癖に、

私は狭心症のような心持ちになった

あの日は、もう嫌だ!

今でも時々に夢でうなされるのです。

しかし、

娘の宿題のお陰にて、

大いに勉強になりました。

私の診療所は高松市亀井町に在ります。

この亀井町の由縁を知ることとなったのです。

渇水で名高い讃岐高松市です。

が、

診療所周辺は地下水が豊富で、

しかも水質も大変良好なのです。

近くの亀戸神社の井戸水が名高く、

其所から、

亀井町となったそうな。

猛暑のなか娘と、

ビル群の谷間の、

普段であれば見落とすほどの

小さな小さな祠へと。

あぁ!この井戸が由縁であった!

そんな貴重な時を過ごしていました。