歯は情念を語る


観て下さい。

摩り減って、

踏ん張っている臼歯たち。

エナメル質なんぞ消えてしまって、

焦げ茶色に変色した象牙質が、

堪えに堪えて、

硬くなってます。

部分的には歯科医師による

治療と云う名の介入を受け、

歯は、

混乱しきってます。

さぁ!

どう手当てして、

長持ちさせましょうかね。

【噛み心地】

【喰いしばる】

など、

心模様を表現するのに

歯を抜きに語れません。

そうです。

感情と歯は

切っても切れない関係なのです。

歯は語るのです。

情念を現す臓器、

其れが歯なのです。

先のデュエットゥへのメッセージではありませんが、

私ら職人は、

自分だけの【技】を身につけなければなりません。

私の技?

歯と語れることでしょうね。